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喘息なのに、なぜ良くならない? — 診断・治療から長期的なフォローまで —

2026年10月29日公開

診断・治療

気管支喘息は、現在徐々に患者さんの数が増えている病気です。喘息は古代エジプト時代のパピルスにも治療法が書かれているくらい古く、人類と付き合いのある病気で、風邪をひいたり、ストレスがあったりすると発作(急性増悪)が起こります。
古い病気ですが、診断が難しく、検査などによりきちんとした診断となる基準はありません。主治医の先生と、これまでの経過、発作の時の状況などから喘息の診断をしているのが現状です。我々も、患者さんを拝見し、治療しながらいつも診断が正しいのか考えながら診療している難しい病気です。
当院でも、以下のグラフに示すとおり、多くの喘息患者さんの診療を行っています。

※気管支喘息と診断された患者数(外来・入院)

  【症状】
 喘息は気管支が狭くなることで特に息を吐くのが苦しくなります。
  •  呼吸時にゼーゼー、ヒューヒューという
  • 呼吸困難
  • 発作性の激しい咳、痰
  • 息苦しい
  • 早朝・夜間に咳や息苦しさがある

 【検査】
喘息の診断は、似たような症状を起こす心不全や呼吸器の病気を除外して行われます。

検査項目 実施する理由
レントゲン  他の呼吸器疾患との鑑別を行うため
CT
痰
血液検査
呼気一酸化炭素 気管支炎症を見るため
呼吸機能検査(肺活量の検査など) 気管支の狭さを測るため

【治療】
 最近になって、喘息の多くの患者さんで気道の2型炎症の関与がわかってきました。この炎症を抑えるために吸入ステロイドなどが使われています。
また既存の治療でもうまくいかない場合には、生物学的製剤という薬を使うこともできるようになりました。生物学的製剤は、体の中のサイトカインという細胞同士でコミュニケーションをとるホルモンのような物質の働きを抑えるものです。
 喘息に使える生物学的製剤は6種類ありますが、どれが患者さんに合うかはいまだに議論が残るところです。当院では、呼吸機能検査や採血、呼気ガスの分析などで効果が出る可能性の高いものから使っていきます。

注意点・フォローの仕方

医学が進歩してもまだ喘息を治す方法がわかっていません。今後も付き合っていく必要がある病気です。調子が良くなっても、治療をやめてはいけません。付き合うという意味では、高血圧や糖尿病のような病気です。

患者さんを紹介する際の必要な情報や基準について

喘息の多くは、既存の治療でもコントロールできる病気ですが、環境要因や強い2型炎症があったり呼吸機能が悪かったりするとコントロールも悪くなります。コントロールの悪い患者さんでは、この評価のためにも一度我々に評価させてください。

逆紹介後のフォローアップで気を付けて欲しいこと

可能な限り年に1〜2回の呼吸機能の評価をして、発作が起こっていなくても安定しているかの評価が必要です。
ぜひ、一緒に拝見させてください。

診療科からのメッセージ

喘息は以前から見ると、吸入ステロイドの登場、長時間作用型の気管支拡張薬などの登場で付き合いやすい病気になってはきています。
しかし、少なくない一定数の中等症以上の方が今も安定しないで症状に困っています。ぜひ一度我々にご相談ください。

部長/診療教授
工藤 誠

1992年 横浜市立大学医学部卒
1996年 横浜市立大学医学研究科卒 医学博士
1996年 国立相模原病院臨床研究部アレルギー科
1999年 神奈川県立循環器呼吸器病センター
2005年 横浜市立大学医学部助手
2009年 アメリカ カリフォルニア大学サンフランシスコ校
      Lung Biology Center 博士研究員、教育スタッフ
2012年 横浜市立大学附属病院呼吸器内科
2014年 附属病院呼吸器内科部長
2015年 横浜市立大学附属市民総合医療センター 呼吸器病センター担当部長、呼吸器内科部長
2017年 同院 副病院長 
2020年 同院 呼吸器病センター部長、同院 がん包括センター部長 兼任
2021年 同院 感染制御部部長兼任
2024年 同院 がんゲノム診療科部長 兼任・統括安全管理者 兼任

2018-2019、2022-2023、2024-2025、2026-2027年 The Best Doctors in JapanTM