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小児総合医療センターの診療体制 -専門診療・小児救急・小児集中治療を3本柱に,地域の小児医療を支えます-

2026年7月31日公開

横浜市立大学附属市民総合医療センター 小児総合医療センターでは,神経,腎臓,内分泌の専門診療,一次・二次小児救急医療,集中治療を要する重症患者医療を3つの診療の柱としています。
小児救急医療については,24時間365日,小児科医が直接対応するホットラインを設置しており,2026年度からは横浜市小児二次輪番制への参加も開始しました。
小児総合医療センターホットライン:Yokohama City University Pediatric Emergency & Consultation line for Everyday, Everyone, Everything that matters(略称:YPEC(ワイペック))
電話番号:045-253-5712

「どこに紹介すればよいか迷う」「専門診療が必要か判断に迷う」といった場合にも,まずはお気軽にご相談いただければ幸いです。

※本ホットラインは、地域医療機関および救急隊からの診療相談を対象としております。

専門診療について

当センターでは,神経・腎臓・内分泌の専門診療,小児救急医療,小児集中治療を3つの診療の柱としています。

※ 血液腫瘍,循環器,リウマチ・免疫の患者さんは附属病院(福浦)にご紹介ください。

3つの専門診療:神経・腎臓・内分泌

神経,腎臓,内分泌・代謝の3つの専門グループが,それぞれの疾患分野の診療を行っています。 

【神経グループ】てんかんを中心に幅広い小児神経疾患へ対応 

小児のてんかんを中心に,急性脳炎・脳症,自己免疫性神経疾患,神経筋疾患,変性疾患,脳性麻痺を含む重症心身障害,神経発達症,頭痛,チックなど,急性疾患から慢性疾患,一般疾患から希少疾患まで幅広く対応しています。
2024年度からは小児病棟で長時間ビデオ脳波モニタリング検査を開始しており,発作時脳波の確認を含めた,より専門的なてんかん診療が可能となっています。
主な疾患・病態   診療内容
 てんかん  脳波検査・長時間ビデオ脳波モニタリング,MRI・SPECT等による精査,抗発作薬治療,YCUてんかんセンターにおける外科治療適応の検討
 急性神経疾患  急性脳炎・脳症,てんかん重積状態,熱性けいれんなどの緊急入院,脳波・画像・髄液検査による評価,集中治療部門と連携した急性期治療
 自己免疫性神経疾患  抗NMDA受容体脳炎,抗MOG抗体関連疾患(MOGAD),重症筋無力症,ギラン・バレー症候群などの診断,ステロイド療法・免疫グロブリン療法等の免疫治療,長期フォロー
 神経筋疾患・神経変性疾患  脊髄性筋萎縮症,筋ジストロフィー,ミトコンドリア病,脊髄小脳変性症などの電気生理学的検査・遺伝学的検査,疾患特異的治療,呼吸・栄養・リハビリテーションを含む多職種診療
 神経発達症・慢性疾患ほか  神経発達症,脳性麻痺をはじめとする重症心身障害,頭痛,チック,染色体異常・中枢神経形成異常などの診断・治療,発達評価,療育・福祉・学校との連携を含む長期支援


YCUてんかんセンターとしての取り組み

横浜市立大学では、附属病院と市民総合医療センターが一体となり、「YCUてんかんセンター」として包括的なてんかん専門診療を提供しています。
市民総合医療センターでは、主に小児の患者さんを対象に、小児神経外来、長時間ビデオ脳波モニタリング、MRI・SPECTなどの検査を活用し、診断から治療方針の検討まで行っています。
てんかん専門医、脳神経外科、脳神経内科、精神医療センター、臨床検査部、看護師、臨床心理士、薬剤師、医療ソーシャルワーカーなどが連携し、患者さん一人ひとりに応じた医療を提供します。
特に、発作コントロールが不十分な患者さん、診断や治療方針に迷う患者さん、てんかん外科治療を含めた専門的評価が必要な患者さんについては、ぜひご相談ください。
今後は難治性てんかんへの手術療法も開始する予定です。
 

小児総合医療センターにおけるてんかん患者数

【腎臓グループ】糸球体疾患から透析・腎移植まで対応

 ネフローゼ症候群、急性腎炎、慢性腎炎、慢性腎臓病、先天性腎・尿路疾患、排尿障害など、腎臓・尿路系疾患に幅広く対応しており、小児腎臓疾患患者の診療実績は神奈川県内では最多です。
腎生検、急性血液浄化療法、腹膜透析管理にも対応しており、泌尿器科と連携した腎移植関連診療も行っています。
全ての腎臓・泌尿器疾患に対応可能ですので、ぜひご相談ください。
主な疾患・病態   診療内容
 ネフローゼ症候群  初発・再発時の入院治療、ステロイド治療、難治性ネフローゼ症候群に対する免疫抑制療法/生物学的製剤を用いた長期管理
 急性腎炎・慢性腎炎  急性糸球体腎炎の診断と管理
IgA腎症、C3腎症、膜性腎症、紫斑病性腎炎などの診断、ステロイド・免疫抑制薬による治療と長期管理
 慢性腎臓病  腎機能評価、進行予防、食事・薬物療法など
 先天性腎・尿路疾患  腎機能評価、泌尿器科との連携診療
腎代替療法が必要な症例  急性血液浄化療法、末期腎不全に対する血液維持透析/腹膜透析管理、生体腎移植/献体腎移植(泌尿器科と連携)

【内分泌・代謝グループ】糖尿病・成長障害・甲状腺疾患など広範な内分泌・代謝疾患に対応

 内分泌・代謝グループでは、小児の低身長、甲状腺疾患、副腎疾患、性腺疾患、先天代謝異常症などに対応していますが、なかでも特に糖尿病の診療に力を入れております。小児糖尿病患者の診療実績は国内でも有数です。
1型糖尿病では、従来のペン型注射器によるインスリン補充療法に加えて、新しい選択肢としてインスリンポンプ療法や持続血糖測定などを積極的に導入し、個々の患者さんの生活に合わせた治療を行っています。初発時には入院のうえ、インスリン補充療法の導入と疾患教育を行い、退院後も外来で継続的にフォローしていきます。
また、横浜市児童・生徒学校検尿糖尿病検診の二次検診、および三次精密検診をほぼ一手に担い、小児2型糖尿病の早期発見と治療にも力を入れています。2型糖尿病の治療の基本は生活習慣の改善ですが、小児の場合はもともと糖尿病になりやすい素因が強いことも多く、生活習慣の改善だけではよくならない方、またそもそも生活習慣に問題がない方もいます。そのような場合は早期から積極的に薬剤治療も導入していきます。
糖尿病以外にも広く内分泌疾患全般に対応しています。特に低身長を代表とする成長障害は、学校保健の場で成長曲線が取り入れられたこともあり、今後、診療される機会が更に増えることが予想されます。多くの場合は治療の必要のない体質によるものですが、検査をしてみないとわからないことも多々あります。迷われたら一度ご相談いただければ幸いです。
主な疾患・病態   診療内容
 1型糖尿病 初発時入院(インスリン治療の導入、疾患教育)、インスリンポンプ療法、持続血糖測定など、合併症予防を含めた長期フォロー
2型糖尿病 診断、生活習慣の評価と改善、薬物療法、合併症予防を含めた長期フォロー
成長障害・低身長 成長曲線評価、成長ホルモン分泌能負荷試験、治療適応の判断
甲状腺疾患  先天性甲状腺機能低下症、バセドウ病、橋本病などの診断・治療
副腎・性腺疾患 思春期早発症、性分化異常症、副腎皮質機能低下症(先天性、後天性)などの診断・治療、長期フォロー
先天代謝異常症 新生児マススクリーニング対象疾患の診断、治療、継続管理  など

小児救急について

24時間365日、小児科医が直接対応します

本ホットラインは、地域医療機関および救急隊からの診療相談を対象としております。本ホットラインは、地域医療機関および救急隊からの診療相談を対象としております。365日、小児科医が直接対応いたします。発熱、けいれん、呼吸障害、意識障害、脱水、哺乳不良など、救急受診や入院の必要性に迷う症例がありましたら、まずはホットラインへご相談ください。
小児総合医療センターホットライン:Yokohama City University Pediatric Emergency & Consultation line for Everyday、 Everyone、 Everything that matters
(略称:YPEC(ワイペック)
電話番号:045-253-5712 

※本ホットラインは、地域医療機関および救急隊からの診療相談を対象としております。

小児集中治療について

GICU・EICUと連携した重症患者管理

重症小児患者については、集中治療科、高度救命救急センターと連携し、GICU・EICU病棟も活用し対応しています。急性脳症、てんかん重積状態、呼吸不全、ショック、腎不全、糖尿病性ケトアシドーシスなど、集中治療を要する小児患者についても、各診療科と連携しながら診療を行います。

注意点・フォローの仕方

当センターで診療している主な疾患について、外来でフォローしていただく際の留意点は以下のとおりです。

  留意点
 神経疾患(てんかん等) 長期の抗発作薬治療と、定期的な脳波・画像評価を要する場合があります。
発達・就学・就労支援を含めた長期的なフォローが必要です。
 神経筋疾患・神経変性疾患 呼吸・栄養・リハビリテーションを含む多職種での継続的な管理が重要です。
 腎疾患 ネフローゼ症候群は再発しやすく、尿蛋白・浮腫の確認が大切です。
慢性腎臓病では腎機能・血圧の定期評価が必要です。
 内分泌・代謝疾患 1型糖尿病はインスリン治療と合併症予防を含む継続フォローが必要です。
成長障害では成長曲線を用いた経時的な評価が重要です。

診断・治療方針に迷う場合や状態の変化がみられた場合は、いつでも当センターへご相談ください。

患者さんを紹介する際の必要な情報や基準について

以下のような患者さんがいらっしゃいましたら、ぜひご相談ください。
  • けいれん、意識障害、急性脳症が疑われる患者さん
  • てんかん発作が疑われるが診断に迷う患者さん
  • 抗発作薬を使用しても発作コントロールが不十分な患者さん
  • 長時間ビデオ脳波検査やてんかん外科評価が必要な患者さん
  • ネフローゼ症候群、腎炎、慢性腎臓病、先天性腎・尿路疾患、排尿障害の患者さん
  • 糖尿病、成長障害、甲状腺疾患など小児内分泌・代謝疾患の患者さん
  • 救急受診や入院の必要性に迷う小児患者さん
ご紹介の際は、紹介状(診療情報提供書)に加えて、これまでの検査結果(採血・画像・脳波など)や、使用中・使用歴のある薬剤の情報をご共有いただけますと幸いです。

※ 救急の場合は下記ホットラインへご連絡ください。
※ 血液腫瘍、循環器、リウマチ・免疫の患者さんは附属病院(福浦)にご紹介ください。

逆紹介後のフォローアップで気を付けて欲しいこと

 当センターから逆紹介させていただいた患者さんについては、以下の点にご留意いただけますと幸いです。
  • てんかん
   自己判断による抗発作薬の中止・減量は避けてください。発作の再発・増悪や、薬剤の副作用が
   疑われる場合は当センターへご相談ください。
  • ネフローゼ症候群
   再発(尿蛋白の再出現や浮腫)に注意し、疑われる場合は早めにご連絡ください。
  • 1型糖尿病
   シックデイ時の対応や、低血糖・高血糖に注意してください。対応に迷う場合はご相談ください。
  • 成長障害・内分泌疾患
   定期的な成長・発達の評価を継続してください。
      状態の変化や判断に迷う場合は、いつでもご相談ください。

診療科からのメッセージ

当センターでは、地域の先生方と連携しながら、患者さんの状態に応じた診療を行ってまいります。「この症例を紹介してよいか迷う」「救急受診が必要か判断に迷う」といった場合でも、まずはお気軽にご相談ください。
小児総合医療センターホットライン:Yokohama City University Pediatric Emergency & Consultation line for Everyday、 Everyone、 Everything that matters
(略称:YPEC(ワイペック))
電話番号:045-253-5712

24時間365日、小児科医が直接対応いたします。

※本ホットラインは、地域医療機関および救急隊からの診療相談を対象としております。