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関節リウマチを難治化させないために

2024年9月27日公開

診断・治療

診断について

関節リウマチの早期診断、生物学的製剤などの新規薬剤の登場、寛解を目標とした治療戦略によって関節リウマチ患者の予後は大きく改善しています。
一方、今でも難治症例が存在することも事実です。
難治化に関与する因子として自己抗体陽性・高疾患活動性・骨びらんの存在などと並んで「治療開始の遅れ」が指摘されています。
早期の正しい診断がとても重要ですが関節リウマチと鑑別すべき疾患は多数存在します。
リウマチ膠原病内科では、関節エコーを利用することで早期の正しい診断を行っています。

エコーで観察される病態

治療について

関節リウマチの分類基準を来す前の段階で治療介入を行うことで一部の症例では関節リウマチの発症を予防できることが報告されています。
当科では高リスクの早期症例を積極的に治療することで、関節リウマチ患者の発症予防・難治化予防を実践しています。

寛解を目指したRA治療

注意点・フォローの仕方

関節リウマチとの鑑別が必要な膠原病症例では、ステロイドや一部の抗リウマチ薬の投与を避けるべき症例が存在します。
診断に確信が持てない症例、間質性肺炎などの合併症のある症例も適切な診断と個々の症例に最適な薬剤を選択することで治療可能です。
関節リウマチについては、朝日新聞出版AERA連載企画「名医に聞く 病気の予防と治し方・関節リウマチ」もご参照ください。

患者さんを紹介する際の必要な情報や基準について

関節の痛みがあり関節リウマチやその他の膠原病が少しでも疑われれば、遠慮なくリウマチ膠原病内科までご紹介ください。
従来の治療で効果が不十分な症例、経済的な理由で生物学的製剤の投与が難しい症例なども歓迎いたします。

逆紹介後のフォローアップで気を付けて欲しいこと

治療により寛解が維持できれば紹介元へ逆紹介させていただきます。
症状の再燃が見られれば、また改めてご紹介ください。

診療科からのメッセージ

関節リウマチを難治化させないために、病診連携の推進を進めたいと考えています。
早期の正しい診断と寛解導入が患者さんのその後の運命を決定します。
一人でも多くの患者さんのご紹介をお願いします。

リウマチ膠原病センター 内科
診療教授 大野 滋

1988年 横浜市立大学 医学部 卒業
1988年 横浜市立大学医学部附属病院 臨床研修医
1990年 横浜市立大学医学部第一内科大学院 入学
1992年 米国国立衛生研究所(NIH)留学
1994年 横浜市立大学医学部第一内科大学院 卒業
1994年 国立横須賀病院 内科
1995年 国立相模原病院 臨床研究センター
1996年 横浜市立大学医学部附属病院 第一内科常勤特別職
1999年 横浜市立大学医学部附属病院 第一内科助手
2002年 横浜市立大学医学部附属病院 第一内科講師
2002年 横浜市立大学医学部附属市民総合医療センター 
     難病医療(現リウマチ膠原病)センター講師
2007年 横浜市立大学医学部附属市民総合医療センター リウマチ膠原病センター 准教授
2022年 横浜市立大学医学部附属市民総合医療センター リウマチ膠原病センター 診療教授