第2回経営審議会
議事録
公立大学法人横浜市立大学 令和8年度 第2回経営審議会 議事録
日 時:令和8年6月18日(木) 10時00分~12時00分
開催方法:対面開催(Teamsによるオンライン併用)
場 所:金沢八景キャンパス 大会議室
委 員:近野理事長、石川副理事長、井伊理事、稲葉理事、遠藤理事、川俣理事、橘理事、中島理事、原口理事、藤井理事、増住理事、松井理事、岡監事、左部監事
1. 議 事
(1) 経営審議会議事録(案)
承認された。
(2) 令和7年度決算について
承認された。
(主な意見)
・附属2病院の経営状況について、黒字化へ向けて大きく収支改善が進んだことは高く評価できる。一方で附属病院は黒字にあと一歩という状況にある。病院経営において入院単価、外来単価を上げ、病床稼働率を高めることが重要であるが、附属病院は外来単価が3万円を切っており病床稼働率も80%台にとどまっている。DPC区分Ⅱのカバー率が全国トップ水準であるにも関わらず収益が十分に伸びていないということは、職員の努力不足ではなく、特定の部署や診療科が収益を押し下げているのではないか。一部診療科の不振を他の診療科の負担増によって補う状況が続けば、現場の疲弊を招く。紹介数が減っているのであれば、地域医療機関からの信頼回復に努め、早急な立て直しが必要である。
→附属病院の赤字の一因は病床稼働率が90%に届かず、患者確保が十分に行えなかったことと考える。
・附属病院は特定機能病院として高度専門医療や研究に重点を置く一方、センター病院は地域医療支援病院として高度専門医療とともに救急医療を担う役目があり、類似する部分もあるが機能が異なる。研究活動を推進する観点から附属病院の若干の赤字はやむを得ない側面があり、過度に診療収益を追求すると研究機能に支障が生じる可能性がある。そのため、両病院補完しあいながら、両病院合わせて収支均衡を目指していきたい。
→附属病院は研究に注力すべき病院として7年前より臨床研究中核病院を目指しているが、未だ実現していない。その理由として、先進医療を推進する機構(Y-NEXT)の人員が不足しており十分に機能していない点が挙げられる。そのため人件費を増やす必要があるが、赤字のままでは増やすことができない。一定の赤字は許容される考えに安住するのではなく、稼働率向上や新規入院患者の増加による収益確保を目指し、さらなる改善を図っていく。
→黒字の大学病院の事例を見ると、収益が多い診療科ほど多くの研究実績を持つ。収益の低い診療科が研究成果を多く出していればその限りではないが、収益の向上、研究成果の創出が相互に好循環を生んでいるのが現実的である。
・運営交付金について、大学部門では令和7年度の約75億円から令和10年度には70~71億円程度へと減少する中期計画となっている。当該計画はデフレ期に策定されたものであり、近年の光熱水費や人件費の上昇といった状況変化を十分に織り込めていないのではないか。今後も運営交付金の減額が続けば、過度な効率化が進み、現場の疲弊や必要な機能の縮小に繋がる可能性がある。運営交付金の減額がなければ、経常利益も当期純利益も均衡しているように思うが、行政との交渉状況はどうなっているのか。
→運営交付金は計画どおり減額される見込みである。一方、物価上昇等による負担増への対応として、目的積立金を充当する措置が取られている。目的積立金は大学の余剰金ではあるが、実質、横浜市が裁量権を持っているため、補助金のような形で当期純利益に入っている。次期中期計画に向けては運営交付金の算定方法について横浜市と検討を進めている。
・高齢化や人口減少を踏まえた病院の役割分担について、横浜市の中で全体議論がされているのか。周辺に病院が多いため、患者だけではなく、医師や看護師の確保競争になりかねない。
→地域での役割分担については南横浜・横須賀地域の高齢化進行(2040年問題)を背景に、地域医療構想委員会への参加を通じて地域の医療機関との連携強化に取り組んでいる。特に、高齢者救急を担う病院や総合診療・訪問診療との協力を重視し、当院が約20〜30万人規模を支える中核病院として今後も存続していくことを想定している。横浜市内には大学関係の3つの大きな訪問診療グループがあり、それらとの連携強化の進捗状況については今後、報告される見込みである。
・研究基盤として重要な電子ジャーナルについて、価格上昇や円安が進む中、予算を削減することに支障はないのか。
→電子ジャーナル単体の予算は減少しているが、無料で論文を見ることができるオープンアクセスの予算は倍増している。また、他大学より比較的充実していたことに加え、他大学図書館との連携や運用上の工夫など他の取り組みで補えると判断したため約1,000万円の予算削減が行われた。
・掲示されている改善策の多くに現場の負担増加が懸念される。働き方改革や人材確保の問題とどのようにバランスを取り収支改善に繋げていくのか。
→医療は医師だけでなく多くの医療従事者によって支えられているが、本学のベンチマークを見ると病床数当たりの医師数は比較的多い一方、看護師数は多くはない。薬剤師は定員を下回る状態が続いており、これにより診療報酬上の加算を取得できないほか、薬剤師による処方内容のチェックが十分に機能しない等の安全面での危惧がある。看護師や薬剤師といった医療従事者の充実を図り、加算の取得や医療の質向上による収益増を通じて、人件費の上昇を収益の上昇で補えるようにしたい。
・病院経営が厳しいことは全国的に認識されているが、具体的な原因が分かりにくい。設備投資、人件費や物価の上昇、病床稼働率等の病院特有の問題なのか等、カテゴリー別に整理されている資料があれば、それぞれの問題への対策と効果が分かりやすくなる。
・赤字額は目的積立金を取り崩して補填するということは、目的積立金が枯渇するまでは運営交付金の増額も期待しにくいのではないか。目的積立金を赤字補填のみに使うのではなく、大学、病院の将来的な発展に繋がる設備投資や成長戦略のために活用してほしい。
→運営交付金の増額については引き続き横浜市に要望していくが、市の財政も厳しい状況にあると認識している。目的積立金は最終的に赤字補填にのみ使用できるが、それとは別に必要な設備投資や修繕について計画立てて実施していきたいと考えている。また、経営改善に向けては既存収入の拡大だけでなく、新たな収益源の創出も必要であるため、アセットマネジメント等も含めた検討を進め、積極的な投資にも取り組んでいきたい。
→目的積立金の用途については、引き続き横浜市と交渉を続けている。赤字補填だけでなく構造改革や将来の成長に繋がる投資を着実に進めるため、アセット戦略担当を配置し、資産活用や投資戦略の強化にも取り組んでいる。現在の決算では赤字となっているものの、過去の会計制度を前提とした場合には黒字相当である。目的積立金も単なる損失補填ではなく、構造改革や投資を進めた結果で出た一部の赤字への対応という位置付けである。今後も将来性のある経営基盤の構築に向けた取り組みを進め、ご理解を得られるよう努めていきたい。
(3) 令和7年度決算における損失処理について
承認された。
(主な意見)前項参照
(4) 令和7年度計画実績について
承認された。
(主な意見)
・育児休暇は収入面への影響等から年次有給休暇を活用して対応する例も多く、長期間の休暇取得が容易ではないのが世間の実態かと思うが、本学の配偶者の出産休暇制度は何日間取得できるのか。育児経験のある男性から、子どもの誕生直後の一番大変な時期に夫婦で育児に向き合うことが、その後の家族関係にも良い影響をもたらすため、できるだけ早く取得すべきであると伺った。取得可能な日数が3、4日であると出産直後の支援としては十分ではない可能性がある。制度を利用しつつ年次有給休暇を活用しながら、より長期間家庭を支えられる環境を整備することで家族のエンゲージメントが向上し、ひいては働く者のエンゲージメント向上にも繋がるのではないか。
→配偶者の出産のための休暇制度は、出産のための入院日から出産後2週間までの期間に1日または1時間単位で3日まで取得可能としている。また、男性職員の育児参加休暇があり、配偶者の産前8週間から子供が1歳になるまでの期間に1日または1時間単位で5日まで取得可能である。目標は取得率100%であるが達成は難しく、職種により取得率が異なるため、周知や上司への情報提供等を積極的に行いながら、取得率向上の取り組みを進めている。
・「男性職員の育児参加」という名称は育児の主体が母親である印象を与えるため、「育児を手伝う」という表現と同様に適切ではない。制度の名称にも工夫が必要である。
・「新たな時代を見据えた教育の提供」の取り組みとしてグローバル人材の育成が掲げられ、A評価となっている。本学は「国際」という看板を掲げている中で、グローバル人材の育成に向けてどのような取り組みを実施しているのか。また、若者の思考が内向きの傾向にあると言われる中で、実際にどの程度の学生がグローバル人材育成に資する教育を受けているのか。学生を海外へ派遣する取り組みだけでなく、海外からの留学生を受け入れ本学の学生と共に学ぶ環境を整備すること等、「国際」の看板にふさわしい教育を実施していくことが重要である。
→本学では、海外の協定校との交換留学を中心にグローバル人材育成に取り組んでいる。欧米や東南アジア地域など約100校と協定を結び、学生の海外渡航の経済的負担が増加する中でも制度を組み合わせながら盛んに派遣を行っている。留学プログラムについても、セメスター単位の長期留学から短期留学まで多様な選択肢を用意している。また、年間約70名の留学生の受け入れを行っている。
・教職員意識調査について、「人事制度・ キャリア形成」は4点満点で2.4点とあり、かなり低いと感じた。特定の部門や職種が押し下げているのか、またはキャリアへの不安や不満が全体に蔓延しているのか、その背景を大学としてどのように分析し結果を受け止めているのか。
→教職員意識調査のデータがないため、後日整理した上で回答する。
→教職員満足度調査に関しては4段階で集計されているため一般的な平均値は2.5点であるが、例えば「ダイバーシティ推進関連」の2.7点は平均値よりもやや上回る水準であると解釈できる。また、医学部とそれ以外の学部との間で満足度に差があるかについては、カテゴリー別に結果を分析しても最も満足度が高かったのは金沢八景キャンパスであった。
・附属病院には高度医療の提供に加え先進医療の開発や提供といった役割が求められているが、臨床研究件数は未達でC評価となっている。本会においても臨床研究中核病院の承認の重要性が繰り返し指摘されてきたことや、研究は大学の本務であることを踏まえると、今回の結果は重く受け止める必要がある。研究実績が伸び悩んでいる背景を明らかにするとともに、研究支援体制の充実や研究環境の整備等、具体的な改善策を講じられたい。
→臨床研究中核病院を目指している中であっても、主任教授の方針によって臨床研究への取り組みに大きな差がある。しかし、今年度は好転する兆しも見えている。特に新たに着任した教授の診療科では複数の特定臨床研究が開始される予定であり、さらには複数の診療科がAMED等の大型外部研究費を獲得して、医師主導治験を開始する予定である。
・経営の議論においては予算規模の大きさから、どうしても医学部中心の議論となり、学生数や授業料収入の面で大学を支えているにも関わらず、医学部以外の教員が温度差や疎外感を感じているという声を聞く。学部格差が教職員や学生の満足度に影響していることもあるのではないか。
→全国的に人文社会系の縮小の論調が非常に強く流布しているが、人文社会系は大学教育に不可欠である。本学には非常に長い歴史と伝統、実績のある商学部もあることから、本学の方針として人文社会系を守り発展させていきたい。そのためにも人文社会系には、データサイエンスやDX系の知識や技術を導入する等して、時代に適応した形へと発展させることをお願いしている。
・達成率の最大値は100%でなければならないか。令和7年度の病院運営は他に達成したものとは一線を画して高く評価されるべきだと思うが、評価がすべて100%に収まると、努力や成果の差が見えにくく励みになりにくい。特に大きく改善した場合は120%等で表現することも検討してはどうか。一方で、先進的・学際的研究等の推進の達成率が50%というのは危機的状況であるため、原因の究明と立て直しに向けた対応策について十分な説明が必要である。
→達成率の表現については指摘を踏まえて今後見直しを検討する。また研究分野については、J-PEAKSの採択等により、研究支援の強化を図っており、現在50%にとどまっている達成率を今後引き上げていく方針である。また、7名の卓越教員を選抜して重点的に支援を行うことにより、研究力の向上やトップレベルの論文創出を目指している。
・障害者雇用率が法定雇用率を下回りC評価であるが、実際にどの程度不足しているのか。また、その結果として労働基準監督署へ提出した計画の概要を簡潔に説明してほしい。
→障害者雇用率が法定雇用率に未達であったため、労働基準監督署より計画書の提出命令を受け対応を行った。提出した計画にはジョブコーチの配置、広報強化、定着支援の推進等を盛り込んでいる。さらに、同署による各種イベントの実施、広報活動、定着支援を織り込み提出した。また、労働基準監督署の伴走支援である教育機関との橋渡し、ジョブコーチ確保指南等を活用しつつ、障害者雇用の確保に向けた取り組みを進めている。
→制度改正により除外率が見直され、必要な障害者雇用数が大幅に増加した。このため多くの医療機関と同様に対応に苦慮しており、現場では業務の切り出し等を進め受入れ体制の整備を図っている。現状は基準未達のためC評価とせざるを得ないが、今後は委託業務の縮小等も含め、雇用の拡大により状況の改善を図る方針である。
→法定雇用率2.8%に対し、令和7年12月1日時点で2.49%と未達であり、追加で約10.5人の雇用が必要な状況である。未達の背景には大量退職とその補充不足がある他、近年は民間企業における雇用条件の改善や法定雇用率の引上げにより、公的機関での人材確保が相対的に困難となっている。
2. 報 告
(1) 令和7年度(2026年3月卒) 卒業生の進路について(確定値)
報告があった。
(2) 2026年度入試結果について
報告があった。
3. 情報提供
(1)第178回 貴重書月替わり展覧会リーフレット
日 時:令和8年6月18日(木) 10時00分~12時00分
開催方法:対面開催(Teamsによるオンライン併用)
場 所:金沢八景キャンパス 大会議室
委 員:近野理事長、石川副理事長、井伊理事、稲葉理事、遠藤理事、川俣理事、橘理事、中島理事、原口理事、藤井理事、増住理事、松井理事、岡監事、左部監事
1. 議 事
(1) 経営審議会議事録(案)
承認された。
(2) 令和7年度決算について
承認された。
(主な意見)
・附属2病院の経営状況について、黒字化へ向けて大きく収支改善が進んだことは高く評価できる。一方で附属病院は黒字にあと一歩という状況にある。病院経営において入院単価、外来単価を上げ、病床稼働率を高めることが重要であるが、附属病院は外来単価が3万円を切っており病床稼働率も80%台にとどまっている。DPC区分Ⅱのカバー率が全国トップ水準であるにも関わらず収益が十分に伸びていないということは、職員の努力不足ではなく、特定の部署や診療科が収益を押し下げているのではないか。一部診療科の不振を他の診療科の負担増によって補う状況が続けば、現場の疲弊を招く。紹介数が減っているのであれば、地域医療機関からの信頼回復に努め、早急な立て直しが必要である。
→附属病院の赤字の一因は病床稼働率が90%に届かず、患者確保が十分に行えなかったことと考える。
・附属病院は特定機能病院として高度専門医療や研究に重点を置く一方、センター病院は地域医療支援病院として高度専門医療とともに救急医療を担う役目があり、類似する部分もあるが機能が異なる。研究活動を推進する観点から附属病院の若干の赤字はやむを得ない側面があり、過度に診療収益を追求すると研究機能に支障が生じる可能性がある。そのため、両病院補完しあいながら、両病院合わせて収支均衡を目指していきたい。
→附属病院は研究に注力すべき病院として7年前より臨床研究中核病院を目指しているが、未だ実現していない。その理由として、先進医療を推進する機構(Y-NEXT)の人員が不足しており十分に機能していない点が挙げられる。そのため人件費を増やす必要があるが、赤字のままでは増やすことができない。一定の赤字は許容される考えに安住するのではなく、稼働率向上や新規入院患者の増加による収益確保を目指し、さらなる改善を図っていく。
→黒字の大学病院の事例を見ると、収益が多い診療科ほど多くの研究実績を持つ。収益の低い診療科が研究成果を多く出していればその限りではないが、収益の向上、研究成果の創出が相互に好循環を生んでいるのが現実的である。
・運営交付金について、大学部門では令和7年度の約75億円から令和10年度には70~71億円程度へと減少する中期計画となっている。当該計画はデフレ期に策定されたものであり、近年の光熱水費や人件費の上昇といった状況変化を十分に織り込めていないのではないか。今後も運営交付金の減額が続けば、過度な効率化が進み、現場の疲弊や必要な機能の縮小に繋がる可能性がある。運営交付金の減額がなければ、経常利益も当期純利益も均衡しているように思うが、行政との交渉状況はどうなっているのか。
→運営交付金は計画どおり減額される見込みである。一方、物価上昇等による負担増への対応として、目的積立金を充当する措置が取られている。目的積立金は大学の余剰金ではあるが、実質、横浜市が裁量権を持っているため、補助金のような形で当期純利益に入っている。次期中期計画に向けては運営交付金の算定方法について横浜市と検討を進めている。
・高齢化や人口減少を踏まえた病院の役割分担について、横浜市の中で全体議論がされているのか。周辺に病院が多いため、患者だけではなく、医師や看護師の確保競争になりかねない。
→地域での役割分担については南横浜・横須賀地域の高齢化進行(2040年問題)を背景に、地域医療構想委員会への参加を通じて地域の医療機関との連携強化に取り組んでいる。特に、高齢者救急を担う病院や総合診療・訪問診療との協力を重視し、当院が約20〜30万人規模を支える中核病院として今後も存続していくことを想定している。横浜市内には大学関係の3つの大きな訪問診療グループがあり、それらとの連携強化の進捗状況については今後、報告される見込みである。
・研究基盤として重要な電子ジャーナルについて、価格上昇や円安が進む中、予算を削減することに支障はないのか。
→電子ジャーナル単体の予算は減少しているが、無料で論文を見ることができるオープンアクセスの予算は倍増している。また、他大学より比較的充実していたことに加え、他大学図書館との連携や運用上の工夫など他の取り組みで補えると判断したため約1,000万円の予算削減が行われた。
・掲示されている改善策の多くに現場の負担増加が懸念される。働き方改革や人材確保の問題とどのようにバランスを取り収支改善に繋げていくのか。
→医療は医師だけでなく多くの医療従事者によって支えられているが、本学のベンチマークを見ると病床数当たりの医師数は比較的多い一方、看護師数は多くはない。薬剤師は定員を下回る状態が続いており、これにより診療報酬上の加算を取得できないほか、薬剤師による処方内容のチェックが十分に機能しない等の安全面での危惧がある。看護師や薬剤師といった医療従事者の充実を図り、加算の取得や医療の質向上による収益増を通じて、人件費の上昇を収益の上昇で補えるようにしたい。
・病院経営が厳しいことは全国的に認識されているが、具体的な原因が分かりにくい。設備投資、人件費や物価の上昇、病床稼働率等の病院特有の問題なのか等、カテゴリー別に整理されている資料があれば、それぞれの問題への対策と効果が分かりやすくなる。
・赤字額は目的積立金を取り崩して補填するということは、目的積立金が枯渇するまでは運営交付金の増額も期待しにくいのではないか。目的積立金を赤字補填のみに使うのではなく、大学、病院の将来的な発展に繋がる設備投資や成長戦略のために活用してほしい。
→運営交付金の増額については引き続き横浜市に要望していくが、市の財政も厳しい状況にあると認識している。目的積立金は最終的に赤字補填にのみ使用できるが、それとは別に必要な設備投資や修繕について計画立てて実施していきたいと考えている。また、経営改善に向けては既存収入の拡大だけでなく、新たな収益源の創出も必要であるため、アセットマネジメント等も含めた検討を進め、積極的な投資にも取り組んでいきたい。
→目的積立金の用途については、引き続き横浜市と交渉を続けている。赤字補填だけでなく構造改革や将来の成長に繋がる投資を着実に進めるため、アセット戦略担当を配置し、資産活用や投資戦略の強化にも取り組んでいる。現在の決算では赤字となっているものの、過去の会計制度を前提とした場合には黒字相当である。目的積立金も単なる損失補填ではなく、構造改革や投資を進めた結果で出た一部の赤字への対応という位置付けである。今後も将来性のある経営基盤の構築に向けた取り組みを進め、ご理解を得られるよう努めていきたい。
(3) 令和7年度決算における損失処理について
承認された。
(主な意見)前項参照
(4) 令和7年度計画実績について
承認された。
(主な意見)
・育児休暇は収入面への影響等から年次有給休暇を活用して対応する例も多く、長期間の休暇取得が容易ではないのが世間の実態かと思うが、本学の配偶者の出産休暇制度は何日間取得できるのか。育児経験のある男性から、子どもの誕生直後の一番大変な時期に夫婦で育児に向き合うことが、その後の家族関係にも良い影響をもたらすため、できるだけ早く取得すべきであると伺った。取得可能な日数が3、4日であると出産直後の支援としては十分ではない可能性がある。制度を利用しつつ年次有給休暇を活用しながら、より長期間家庭を支えられる環境を整備することで家族のエンゲージメントが向上し、ひいては働く者のエンゲージメント向上にも繋がるのではないか。
→配偶者の出産のための休暇制度は、出産のための入院日から出産後2週間までの期間に1日または1時間単位で3日まで取得可能としている。また、男性職員の育児参加休暇があり、配偶者の産前8週間から子供が1歳になるまでの期間に1日または1時間単位で5日まで取得可能である。目標は取得率100%であるが達成は難しく、職種により取得率が異なるため、周知や上司への情報提供等を積極的に行いながら、取得率向上の取り組みを進めている。
・「男性職員の育児参加」という名称は育児の主体が母親である印象を与えるため、「育児を手伝う」という表現と同様に適切ではない。制度の名称にも工夫が必要である。
・「新たな時代を見据えた教育の提供」の取り組みとしてグローバル人材の育成が掲げられ、A評価となっている。本学は「国際」という看板を掲げている中で、グローバル人材の育成に向けてどのような取り組みを実施しているのか。また、若者の思考が内向きの傾向にあると言われる中で、実際にどの程度の学生がグローバル人材育成に資する教育を受けているのか。学生を海外へ派遣する取り組みだけでなく、海外からの留学生を受け入れ本学の学生と共に学ぶ環境を整備すること等、「国際」の看板にふさわしい教育を実施していくことが重要である。
→本学では、海外の協定校との交換留学を中心にグローバル人材育成に取り組んでいる。欧米や東南アジア地域など約100校と協定を結び、学生の海外渡航の経済的負担が増加する中でも制度を組み合わせながら盛んに派遣を行っている。留学プログラムについても、セメスター単位の長期留学から短期留学まで多様な選択肢を用意している。また、年間約70名の留学生の受け入れを行っている。
・教職員意識調査について、「人事制度・ キャリア形成」は4点満点で2.4点とあり、かなり低いと感じた。特定の部門や職種が押し下げているのか、またはキャリアへの不安や不満が全体に蔓延しているのか、その背景を大学としてどのように分析し結果を受け止めているのか。
→教職員意識調査のデータがないため、後日整理した上で回答する。
→教職員満足度調査に関しては4段階で集計されているため一般的な平均値は2.5点であるが、例えば「ダイバーシティ推進関連」の2.7点は平均値よりもやや上回る水準であると解釈できる。また、医学部とそれ以外の学部との間で満足度に差があるかについては、カテゴリー別に結果を分析しても最も満足度が高かったのは金沢八景キャンパスであった。
・附属病院には高度医療の提供に加え先進医療の開発や提供といった役割が求められているが、臨床研究件数は未達でC評価となっている。本会においても臨床研究中核病院の承認の重要性が繰り返し指摘されてきたことや、研究は大学の本務であることを踏まえると、今回の結果は重く受け止める必要がある。研究実績が伸び悩んでいる背景を明らかにするとともに、研究支援体制の充実や研究環境の整備等、具体的な改善策を講じられたい。
→臨床研究中核病院を目指している中であっても、主任教授の方針によって臨床研究への取り組みに大きな差がある。しかし、今年度は好転する兆しも見えている。特に新たに着任した教授の診療科では複数の特定臨床研究が開始される予定であり、さらには複数の診療科がAMED等の大型外部研究費を獲得して、医師主導治験を開始する予定である。
・経営の議論においては予算規模の大きさから、どうしても医学部中心の議論となり、学生数や授業料収入の面で大学を支えているにも関わらず、医学部以外の教員が温度差や疎外感を感じているという声を聞く。学部格差が教職員や学生の満足度に影響していることもあるのではないか。
→全国的に人文社会系の縮小の論調が非常に強く流布しているが、人文社会系は大学教育に不可欠である。本学には非常に長い歴史と伝統、実績のある商学部もあることから、本学の方針として人文社会系を守り発展させていきたい。そのためにも人文社会系には、データサイエンスやDX系の知識や技術を導入する等して、時代に適応した形へと発展させることをお願いしている。
・達成率の最大値は100%でなければならないか。令和7年度の病院運営は他に達成したものとは一線を画して高く評価されるべきだと思うが、評価がすべて100%に収まると、努力や成果の差が見えにくく励みになりにくい。特に大きく改善した場合は120%等で表現することも検討してはどうか。一方で、先進的・学際的研究等の推進の達成率が50%というのは危機的状況であるため、原因の究明と立て直しに向けた対応策について十分な説明が必要である。
→達成率の表現については指摘を踏まえて今後見直しを検討する。また研究分野については、J-PEAKSの採択等により、研究支援の強化を図っており、現在50%にとどまっている達成率を今後引き上げていく方針である。また、7名の卓越教員を選抜して重点的に支援を行うことにより、研究力の向上やトップレベルの論文創出を目指している。
・障害者雇用率が法定雇用率を下回りC評価であるが、実際にどの程度不足しているのか。また、その結果として労働基準監督署へ提出した計画の概要を簡潔に説明してほしい。
→障害者雇用率が法定雇用率に未達であったため、労働基準監督署より計画書の提出命令を受け対応を行った。提出した計画にはジョブコーチの配置、広報強化、定着支援の推進等を盛り込んでいる。さらに、同署による各種イベントの実施、広報活動、定着支援を織り込み提出した。また、労働基準監督署の伴走支援である教育機関との橋渡し、ジョブコーチ確保指南等を活用しつつ、障害者雇用の確保に向けた取り組みを進めている。
→制度改正により除外率が見直され、必要な障害者雇用数が大幅に増加した。このため多くの医療機関と同様に対応に苦慮しており、現場では業務の切り出し等を進め受入れ体制の整備を図っている。現状は基準未達のためC評価とせざるを得ないが、今後は委託業務の縮小等も含め、雇用の拡大により状況の改善を図る方針である。
→法定雇用率2.8%に対し、令和7年12月1日時点で2.49%と未達であり、追加で約10.5人の雇用が必要な状況である。未達の背景には大量退職とその補充不足がある他、近年は民間企業における雇用条件の改善や法定雇用率の引上げにより、公的機関での人材確保が相対的に困難となっている。
2. 報 告
(1) 令和7年度(2026年3月卒) 卒業生の進路について(確定値)
報告があった。
(2) 2026年度入試結果について
報告があった。
3. 情報提供
(1)第178回 貴重書月替わり展覧会リーフレット