YCU 横浜市立大学
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学長挨拶

「研究の横浜市立大学」の実現に向けて

横浜市立大学学長 石川 義弘 横浜市立大学学長 石川 義弘

横浜市立大学学長 石川 義弘

横浜市立大学は、日本最大の基礎自治体である横浜市にキャンパスを構え、商学部と医学部をルーツとする大学です。その歴史は古く、1882(明治15)年に設立された横浜商法学校を起源とする横浜市立横浜商業専門学校と1944年設立の横浜市立医学専門学校(後の横浜医科大学)が統合し、横浜市立大学としての歴史を積み重ねてきました。 「開放的で国際性、進取性に富む学風」と言われる本学の設立・発展には、多くの先人が関わっています。特に、明治初期に医学部のルーツとなる仮病院の設立・運営に携わった早矢仕有的先生は、医師でもあり、また、銀行などを創業した起業家でもありました。また、今から80年近く前に、本学で教鞭をとり、商学部長を務めるなど人材育成と本学の発展に貢献された森泰吉郎先生は、今日の森ビルや森トラストといった日本を代表する企業の創業者であり、日本で最も成功した大学発ベンチャー企業の創始者と言えるかもしれません。
目まぐるしく変わる国際情勢や予想を超えて進む我が国の少子高齢化など、『不確実性の時代』と言われている今、本学に求められるのは、かつての先人たちのように、横浜の地から日本、そして世界をリードするアントレプレナーシップ(起業家精神)を持った人材を輩出することです。
大学自体も社会の変化に対応していくために、本学は、国の「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」に申請し、2025年1月には全国25大学のうちの一つとして採択されました。提案内容は、「共創を加速する『よこはまデータサイクル』を構築し、未来社会における高いヘルスウェルビーイングを実現する」というものです。「よこはまデータサイクル」は、大都市横浜が持つ多彩なフィールドデータ(医療や市民生活データ)を活用し、本学と社会の多様なステークホルダーが一体となってより良い未来社会を実現していく循環を意味しています。この事業を通じて、本学の研究力強化とそのための経営改革を進め、「研究の横浜市立大学」の実現に取り組みます。
「研究の横浜市立大学」は、研究論文数の数だけを重視するわけではありません。社会を変えるような研究をどれだけ生み出せたのか、社会に向けてどのような研究成果を発信できたのか、また、研究成果を学生への教育にどれだけ還元できたのか、といった視点も大切にしています。また、これらは、本学のみでなしうるものではなく、横浜市や企業、団体、地域の皆様との連携・協働を通じて実現するものです。
横浜市立大学は2028年に創立100周年を迎えます。伝統と革新のその先に、さらなる発展を誓い、これからも横浜市立大学は「知の拠点」として教育・研究・医療分野をリードする役割を果たすべく、より良い大学づくりを進めます。 

(2025年4月1日)

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