産学連携で挑む!横浜キヤノンイーグルスの魅力発信プロジェクト
2025.12.10
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- 国際商学部
~企画立案型実習A(神奈川産学1)~前編
横浜キヤノンイーグルスと連携し、学生が地域に広がるスポーツの魅力を発信
国際商学部の授業「企画立案型実習A(神奈川産学1)」(柴田典子教授)では、1週間の集中講義として地域企業と連携し、学生が企業の課題解決に挑む実践型プログラムを行っています。
2025年度は、横浜市を拠点に活動するジャパンラグビーリーグワン所属チーム「横浜キヤノンイーグルス」と連携し、「横浜市全域にチームの魅力を広める」というテーマでプロジェクトを実施しました。学生たちは、マーケティングやプロモーションの専門的な講義を受けながら、チームのブランドや理念を深く理解し、その魅力をより多くの人々に届けるためのポスター制作に取り組みました。
2025年度は、横浜市を拠点に活動するジャパンラグビーリーグワン所属チーム「横浜キヤノンイーグルス」と連携し、「横浜市全域にチームの魅力を広める」というテーマでプロジェクトを実施しました。学生たちは、マーケティングやプロモーションの専門的な講義を受けながら、チームのブランドや理念を深く理解し、その魅力をより多くの人々に届けるためのポスター制作に取り組みました。
フィールドワーク当日
プロジェクトの背景と目的
横浜キヤノンイーグルスは、1980年創部し、2010年に現在のチーム名となりました。横浜市をホストエリアとし、「Respect(尊敬・尊重)」「Discipline(規律)」「Passion(情熱)」という3つの理念を大切に活動しています。国内外の有力選手が在籍し、トップレベルの試合で観客を魅了するだけでなく、地域での普及活動や社会貢献にも積極的に取り組んでいます。
今回の実習では、学生ならではの視点を活かして、こうしたチームの魅力をより広く知ってもらい、ラグビーに馴染みのない層にも届く新たなプロモーション案を作ることが目的でした。加えて、「企画立案型実習A」という教育プログラムそのものの意義や成果を、横浜市民や受験生、地域の関係者に知っていただくという狙いもありました。学生が地域のリアルな課題に向き合い、社会とつながりながら学ぶ機会でもありました。
学生は1グループ6名の5グループに分かれ、ターゲット層やコンセプトを設定し、チームのブランドを体現するポスターを制作しました。
学生は1グループ6名の5グループに分かれ、ターゲット層やコンセプトを設定し、チームのブランドを体現するポスターを制作しました。
横浜キヤノンイーグルスの選手の皆さん
学びのプロセス
集中講座の初日には、柴田典子教授(マーケティング論)によるオリエンテーションと「マーケティングの基礎」の講義が行われました。講義では、「良いモノを作れば売れるわけではなく、消費者の視点から「売れる仕組み」を作ることが重要である」というマーケティングの基本的な考え方から始まり、STP*1(セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング)やマーケティング・ミックス*2、ブランド・マネジメントといった理論を学びました。
渡邉 宜彦氏
2日目からは専門家による講義が実施されました。
株式会社ディー・シー・シー(DCC)専務取締役・渡邉宜彦氏による「プロモーション戦略」に関する講義が行われ、プロモーションの基本的な役割や広告の多様な手法について解説がありました。学生たちは、ターゲットに応じて手法を選び、メッセージを効果的に伝えるための工夫や、企業ブランディングにおける広告戦略の重要性について具体例を交えて学ぶことができました。また、「プロモーションは単なる広告ではなく、企業の戦略や達成したいゴールに合わせて設計される“戦術”」という視点を理解し、今後の実習に向けて実践的な知識を得る機会となりました。
株式会社ディー・シー・シー(DCC)専務取締役・渡邉宜彦氏による「プロモーション戦略」に関する講義が行われ、プロモーションの基本的な役割や広告の多様な手法について解説がありました。学生たちは、ターゲットに応じて手法を選び、メッセージを効果的に伝えるための工夫や、企業ブランディングにおける広告戦略の重要性について具体例を交えて学ぶことができました。また、「プロモーションは単なる広告ではなく、企業の戦略や達成したいゴールに合わせて設計される“戦術”」という視点を理解し、今後の実習に向けて実践的な知識を得る機会となりました。
辻本 佳生氏
続いて、株式会社DCC代表取締役でクリエイティブディレクターの辻本佳生氏による「ブランディングと役に立つポスターたち」の講義が行われました。講義では、ブランドを社会に浸透させるためのデザインの力や、ポスターが持つ直感的な訴求力について多角的に紹介されました。紙媒体とデジタルサイネージの違いやそれぞれのメリット・デメリットを具体的に学び、実際の事例としてPASMOや東急バスの広告プロジェクトも取り上げられました。学生たちは、広告が単なる情報伝達にとどまらず、人々の心を動かし、社会に影響を与える手段であることを実感し、創造力を活かした表現の可能性に触れることができました。
フィールドワーク 東京都町田市のキヤノンスポーツパークを訪問
フィールドワークでは、まずチームの歴史や理念について説明を受け、その歩みや大切にしている考え方を学びました。続いて施設を見学し、実際に使用されているトレーニング環境に触れることで、活動の雰囲気を感じ取ることができました。さらに、ラグビー体験としてパスの基本動作にも挑戦し、競技の魅力や迫力を体感しました。普段は観客席からしか見られないフィールドに立ち、選手と同じ環境を経験したことで、参加した学生たちが、ポスター制作に向けた着想を得ることができたように感じました。現場で感じたフィールドの広さや、ボールを持つ緊張感は、後のデザインに反映される大切な要素の一つとなりました。
フィールドワーク チームについてのレクチャー
フィールドワーク ラグビー体験
パートナー企業からのコメント
辻本 佳生氏(DCC代表取締役)のコメント
この実習では、学生の皆さんの固定観念にとらわれない発想に、改めて感銘を受けました。
講義での学びを実践に活かし、学生ならではの柔軟で面白いアイデアからユニークなポスターを生み出していく様子は、僕自身にとっても、久しぶりに刺激的な時間となりました。
限られた時間で議論とブラッシュアップを重ねて形にするプロセスは、まさに僕らが日々向き合っている現場と、重なる部分が多くありました。プロモーションやクリエイティブの楽しさに触れたこの経験が、学生の皆さんの未来にとって意義深いものとなることを願っています。
この実習では、学生の皆さんの固定観念にとらわれない発想に、改めて感銘を受けました。
講義での学びを実践に活かし、学生ならではの柔軟で面白いアイデアからユニークなポスターを生み出していく様子は、僕自身にとっても、久しぶりに刺激的な時間となりました。
限られた時間で議論とブラッシュアップを重ねて形にするプロセスは、まさに僕らが日々向き合っている現場と、重なる部分が多くありました。プロモーションやクリエイティブの楽しさに触れたこの経験が、学生の皆さんの未来にとって意義深いものとなることを願っています。
湯澤 奨平氏
湯澤 奨平氏(横浜キヤノンイーグルス育成・普及担当)のコメント
皆さんが作成してくれたイーグルスポスターは、学生らしい新鮮な視点でラグビーの新たな魅力を伝えてくれました。また成果物だけではなく、積極的な議論とチームでの熱心な取り組みも素晴らしかったです。この経験が、ラグビーへの興味と、チームで目標を達成する意義を感じるきっかけとなれば嬉しいです。
皆さんが作成してくれたイーグルスポスターは、学生らしい新鮮な視点でラグビーの新たな魅力を伝えてくれました。また成果物だけではなく、積極的な議論とチームでの熱心な取り組みも素晴らしかったです。この経験が、ラグビーへの興味と、チームで目標を達成する意義を感じるきっかけとなれば嬉しいです。
川上 英樹氏
川上 英樹氏(横浜キヤノンイーグルス運営統括)のコメント
今回、横浜市立大学の短期講座に関わる機会をいただきましてありがとうございました。2週間という短い期間でイーグルスを知り、認知向上に繋がるポスターまで完成させた学生の皆様に敬意を表します。我々にはない視点で物事を捉え、考えてできたポスターは非常に興味深いものとなりました。これからもお互いに協力して横浜での認知向上に繋がる活動ができればと思っております。
12月14日の日産スタジアムでの開幕戦、試合会場でお待ちしております。
今回、横浜市立大学の短期講座に関わる機会をいただきましてありがとうございました。2週間という短い期間でイーグルスを知り、認知向上に繋がるポスターまで完成させた学生の皆様に敬意を表します。我々にはない視点で物事を捉え、考えてできたポスターは非常に興味深いものとなりました。これからもお互いに協力して横浜での認知向上に繋がる活動ができればと思っております。
12月14日の日産スタジアムでの開幕戦、試合会場でお待ちしております。
次回【後編】では、グループごとのポスター発表と学生の声、柴田典子教授の総括コメントをお届けします。
用語説明
*1 STP:市場を分け(Segmentation)、照準を合わせる相手(ターゲット)を選び(Targeting)、ターゲットの心の中に独自な位置付けを根付かせる行為(Positioning)
*2 マーケティング・ミックス:効果最大化するマーケティング変数の組み合わせ。
Product(製品政策)、Price(価格政策)–Place(流通政策)、Promotion(プロモーション政策)を、ターゲットにあわせて組み立て、実行する。




