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【YCU RESEARCH 2021】COVID関連研究(循環器・腎臓・高血圧内科学)

2021.08.19
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  • 研究

COVID関連研究(循環器・腎臓・高血圧内科学)


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 2021.8.19
 

Tissue-specific expression of the SARS-CoV-2 receptor, angiotensin-converting enzyme 2, in mouse models of chronic kidney disease

慢性腎臓病モデルマウスにおけるSARS-CoV-2受容体(ACE2)の組織特異的発現とARBが与える影響についての検討

附属病院 腎臓・高血圧内科 塚本 俊一郎 医師(大学院生)
循環器・腎臓・高血圧内科学 涌井 広道 准教授、田村 功一 主任教授

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の原因ウイルスであるSARS-CoV-2は宿主の気道や肺などに発現しているACE2蛋白に結合することで感染します。そのため病態によるACE2の発現量の変化は感染のリスクにつながる可能性が示唆されています。本研究では慢性腎臓病(CKD)病態において肺などのACE2発現がどのように変化するのかをCKDモデルマウスを用いて検証しました。その結果、高血圧の有無に関わらず、CKDの病態だけでは肺のACE2発現に大きな変化を与えないことが分かりました。また、ACE2は高血圧治療薬の一つであるRAS阻害薬で発現が増える可能性が指摘されており、この治療がCOVID-19感染のリスクになるかどうかも議論されています。今回、RAS阻害薬の一つであるオルメサルタンがACE2発現に与える影響も検証しましたが、肺などのACE2発現を増加させることありませんでした。本研究の結果は高血圧を伴うCKD患者さんでも安心してRAS阻害薬による治療を継続できることを支持するものであると考えられます。

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