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国際マネジメント研究科石田森里さん、行動経済学会第14回大会でポスター報告奨励賞を受賞

2020.12.21
  • TOPICS
  • 学生の活躍
  • 研究

「税抜き」「税込み」の値札表示が家計の購買行動に与える影響を分析

大学院国際マネジメント研究科博士前期課程1年の石田森里さん(指導教員:中園善行准客員准教授)は、2020年12月12日(土)、13日(日)にオンラインで開催された行動経済学会第14回大会においてポスター発表を行い、ポスター報告奨励賞(一般部門)を受賞しました。
 

<受賞者>
国際マネジメント研究科 博士前期課程 1年 石田森里さん(いしだ しんり)

<指導教員>
中園善行准客員准教授

<発表演題> 
「The Salient Effect: Evidence from the Consumption Tax Hike in Japan」

<発表内容>
私たちの研究は、値札の表示方法と消費行動に関する研究です。現在日本では税込み表示と税抜き表示、2種類の値札が混在しています。支払う金額は全く同じでありながら、目に見える金額が異なる。この差が消費者にどんな影響を与えているかを明らかにするため、今回の研究を行いました。私たちは小売店のPOSデータ、家計の家計簿データ、値札の表示方法に関する独自調査、この3つのデータを結合させて値札表示が家計の購買行動に与える影響を分析致しました。分析の結果、税額がはっきりと表示されている場合は、そうでない場合に比べて需要が3%低下することがわかりました。「消費者は値札に対して、完全な注意を払っているとは限らない。」という発見は、税別値札と税込値札が混在する日本において、「値札のあるべき姿」に係る議論に資する研究成果です。今後は、税額の目立ち方が変わるとなぜ消費者の行動が変化するのか、その背景に迫りたいと考えています。

石田森里さんのコメント

この度は身に余るような賞を頂き、大変光栄に思っております。今回の成果が得られたのは2年もの間、未熟な私にお付き合い頂いた共著者の中園先生のおかげです。また、副指導教員である随先生、太田先生をはじめたくさんの方々にご助言を頂きました。この場を借りて、感謝を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。

指導教員の中園善行客員准教授のコメント

経済理論を体系的に習得。経済統計2級に合格。RやPython、Stata、EViewsといた計量ソフトでプログラミングにも精通。数億件にわたる購買履歴データを活用したビッグデータ分析の技術。そして学会で顕彰されるほどの研究力を有する石田さんは、国際マネジメント研究科が誇る高度専門職業人材です。社交的で人格者でかつ読書家でもある石田さんの受賞は、冷徹な頭脳で現実を分析しつつも、温かい気持ちがこめられた解決策を提案できるようなバランス感覚のあるデータサイエンティストとしての活躍を大いに期待させます。石田さん、今回のご受賞、本当におめでとうございました。
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