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木原生物学研究所 佐藤奈緒さん(生命環境コース)、殿崎薫特任助教が、日本育種学会第136回講演会で優秀発表賞を受賞!

2019.12.09
  • 大学からのお知らせ
  • 研究

木原生物学研究所 佐藤奈緒さん(生命環境コース)、殿崎薫特任助教が、日本育種学会第136回講演会で優秀発表賞を受賞!

国際総合科学部理学系生命環境コース4年の佐藤奈緒さん(指導教員:辻寛之准教授)と、横浜市立大学木原生物学研究所の殿崎 薫特任助教が、9月6日(金)~9月8日(日)に近畿大学奈良キャンパス(奈良県奈良市)にて開催された2019年日本育種学会秋季大会「第136回講演会」にてそれぞれ研究発表を行い、日本育種学会優秀発表賞を受賞しました。
また佐藤さんは、11月2日(土)、3日(日)に鳥取大学(鳥取県鳥取市)にて開催された第14回ムギ類研究会においても、ポスター発表賞を受賞しています。
佐藤奈緒さん(左)と辻寛之准教授(右)

佐藤 奈緒さん(国際総合科学部理学系生命環境コース 4年) 

指導教員 : 辻 寛之 准教授

発表演題
「1細胞RNA-seq解析に向けたオオムギ幼穂からの1細胞単離系の確立」

研究発表内容
植物の地上部の成長において、SAMという組織は重要な役割をもっており、様々な組織を分化することが分かっています。このSAMがどのような特性をもつ細胞から成り立っているのかを調べるために、一細胞ごとに遺伝子発現解析しようとしています。この解析はSAMで前例がなく、実験系の確立から始めました。今回のポスター発表では、一細胞解析をするのに必要な一細胞ごとにばらばらにするところまで進めることができたので、これまでにやってきた条件検討のデータをまとめ発表しました。

佐藤奈緒さんコメント
学会のポスター発表準備では、研究室の先生や先輩に助けていただき、やっと当日を迎えることができました。会場では、分野の異なる方々にも多く来ていただき、研究に対するアドバイスをいただくことができました。まさか賞をいただくことができると思っていなかったのですが、周りの人に助けられて受賞できたのだと思います。今回評価してもらえたことを糧にして、さらに研究を進めていきたいと思います。

指導教員:辻寛之准教授のコメント  
育種学会の優秀発表賞、ムギ類研究会の優秀発表賞の受賞おめでとうございます。この実験は未だ世界中で誰も完成させていない極めて難しいものですが、奈緒さんは圧倒的な実験量によって重要なブレイクスルーを達成しつつあります。卒業研究の途中段階で二つの受賞をいただけたことは、奈緒さんの努力が評価されるものであることを示していてとても嬉しく思います。これからもがんばってください。

木原生物学研究所 殿崎 薫 特任助教

発表演題
「イネ種間雑種胚乳におけるインプリントーム解析」

研究発表内容
作物に近縁な野生種は病害抵抗性などの優れた性質を有しているため、作物種と野生種の種間交雑を行うことで、有用な性質を持つ作物の育種が可能になると期待されます。しかしながら、種間交雑では、種の障壁が存在するため、雑種個体を得ることは、往々にして困難です。我々が主食とするイネ(栽培イネ)と、アフリカに自生する野生イネとの種間交雑では、種の障壁として胚乳発生の異常が生じます。今回、我々は、栽培イネと野生イネの種間交雑から得られた雑種胚乳におけるトランスクリプトーム解析を行い、胚乳発生の異常が、ゲノムワイドなインプリント遺伝子(母親または父親のどちらか一方のゲノムからのみ発現する遺伝子)の制御様式の乱れによって引き起こされている可能性を見出しました。ここで得られた成果を発展させ、種の障壁の分子メカニズムを理解することができれば、野生種を用いた品種改良が実現できると考えています。

殿崎薫特任助教コメント
この度は日本育種学会優秀発表賞を頂き、誠に光栄に存じます。日ごろよりご指導いただき、素晴らしい研究環境を整えてくださっている木下哲教授をはじめ、ご協力いただいた共同研究者の皆様、研究室の皆様に心より御礼申し上げます。今回の受賞を励みに、今後も一層精力的に研究に取り組んでいきたいと存じます。
日本育種学会とは
育種に関する研究及び技術の進歩・研究者の交流と協力、および知識の普及をはかることを目的とし、春季および秋季の講演発表会の開催、シンポジウム等の開催および後援協賛、英文学会誌「Breeding Science」および和文学会誌「育種学研究」の刊行、春季・秋季講演会要旨集「育種学研究別冊」の刊行、日本育種学会賞、日本育種学会奨励賞および日本育種学会論文賞の授与、国際交流の強力な推進などの事業を行う機関。(日本育種学会HPより)
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