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17th International Symposium on Rice Functional Genomicsで木原生物学研究所所属学生2名が受賞!

2019.12.06
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17th International Symposium on Rice Functional Genomicsで木原生物学研究所所属学生2名が受賞!

表彰式の様子

生命ナノシステム科学研究科の佐藤萌子さん、西野愛さんが国際シンポジウムでPoster Awardを受賞しました。

大学院生命ナノシステム科学研究科生命環境システム科学専攻 博士後期課程1年の佐藤萌子さんと、同博士前期課程1年の西野愛さんが、11月4日(月)~6日(水)に台湾の台北市で開催された17th International Symposium on Rice Functional Genomics(第17回イネ機能ゲノムに関する国際シンポジウム:以下、ISRFG)にてそれぞれ研究発表を行い、Poster Awardを受賞しました。
ISRFGはイネ研究における最大の国際学会であり、イネに関する最先端の研究を発表するとともに、食糧問題、環境変動等の世界的な課題に対しての解決に関する技術的な方向性を議論する場として2004年以来毎年開催されています。欧米やアジア諸国を中心にイネのゲノム研究、分子生物学研究の中心的な研究者等が約20か国400名参加しています。


佐藤 萌子さん

生命ナノシステム科学研究科生命環境システム科学専攻 博士後期課程 1年

指導教員 : 辻 寛之 准教授

発表演題 : 「Imaging and functional analysis of cytokinin signaling in the shoot apical meristem of rice during flowering」

発表内容 : 植物の地上部すべてを作り出す起源となる組織「茎頂メリステム」が花をつくるときに、植物のもっとも重要なホルモンの一つ「サイトカイニン」の分布が変化することを初めて可視化しました。

佐藤萌子さんのコメント
このような賞をいただき大変嬉しく思います。
今回のポスター発表では、多くの海外研究者の方に興味を持っていただけたと思います。ここまで研究を進めることが出来たのは、辻先生の温かいご指導をはじめとした、ラボメンバー皆さんのご支援のおかげです。
このことを忘れずに、今後とも研究をさらに発展させていきたいです。

辻寛之准教授のコメント
国際学会の受賞おめでとうございます。世界的に見ても圧倒的なイメージング技術を作り上げ、他の誰にもできない観察をやり遂げたことが受賞につながったと思います。萌子さんがこれまでコツコツと努力して技術開発を重ねてきた結果が認められたものであり、とても嬉しく思います。

西野 愛さん

生命ナノシステム科学研究科生命環境システム科学専攻 博士前期課程 1年 

指導教員 : 木下 哲 教授

発表演題 : 「イネ胚乳発生におけるOsEMF2aの機能解析 」

発表内容 : 植物の胚乳は、胚への栄養供給を担う組織であり、その発生はエピジェネティックな制御因子であるポリコーム複合体により制御されています。また、種間や倍数体間交雑では、オス由来とメス由来のゲノムのせめぎ合いにより、胚乳発生が大きく影響を受けることで種の障壁としても働いています。しかしながら、イネの胚乳発生の詳細は多くの部分が未解明です。当研究室の先行研究では、イネのポリコーム複合体に着目し、その構成因子の一つであるEMBRYONIC FLOWER2 (EMF2a)の変異体において、種子の形態に異常が見られる種子が得られました。そこで本研究では、このemf2aの変異による種子形成異常の原因を明らかにするために、詳細な表現型観察と遺伝様式の解析を行なった結果、emf2a変異が父親から遺伝した場合は胚乳発生異常が見られないのに対して、母親から遺伝した場合には高い頻度で発生異常が見られることがわかりました。さらに、このようなオス・メスで異なる表現型が、片親由来の遺伝子のみが発現するゲノムインプリンティングによるものであることを品種間のSNPを利用したシーケンス解析により確認しました。これらの結果から、イネの胚乳発生は母親由来のEMF2aにより制御されていることが明らかとなりました。

西野愛さんのコメント
各国の発表者が集まる中、名誉ある賞をいただき、大変嬉しく思います。
今回の学会は、自分からお願いして行かせていただいたので、私の意思を尊重し、後押ししてくださった木下教授をはじめ多くの方のご指導、サポートに心より感謝申し上げます。 ポスター発表当日は、様々な国の方が来てくださり、拙い英語ながらも意見を交わすことで多くの刺激を受けることができ、とても貴重な時間でした。今回の受賞を励みに、今後も研究に取り組んでいこうと思います。

木下哲教授のコメント
普段から一生懸命研究していることが、こうした国際学会の晴れ舞台での評価につながったのだと思います。おめでとう!
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