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大学院生の本田龍司さんが、日本情報経営学会第89回全国大会で大学院生研究発表奨励賞を受賞!

2025.12.25
  • TOPICS
  • 学生の活躍
  • 国際商学部

高度なテクノロジーが幅広く利用可能な時代の理想的な労働者に関する探索的研究

国際マネジメント研究科の本田 龍司さんが、2025年12月13日~14日に金沢八景キャンパスで開催された日本情報経営学会第89回全国大会において、「高度なテクノロジーが幅広く利用可能な時代の理想的な労働者に関する探索的研究」について発表し、大学院生研究発表奨励賞を受賞しました。
論文著者
国際マネジメント研究科 博士後期課程 2年
(日本学術振興会 特別研究員*1DC1)
本田ほんだ 龍司 りゅうじさん

指導教員
国際マネジメント研究科
吉永 崇史教授

受賞内容
日本情報経営学会 第89回全国大会
大学院生研究発表奨励賞(JIA: Junior Investigator Award)

発表題目
高度なテクノロジーが幅広く利用可能な時代の理想的な労働者に関する探索的研究
今回の発表内容について本田さんに解説していただきました。
AIやロボットなどのテクノロジーを使った製品・サービスがより身近になる近未来では、職場における理想的な労働者はどのようなものになるのか、SF的な発想で探索的に検討しました。理想的な労働者とは、組織が理想とする特性や行動を示す人のことです[1]。また、エイブリズム*2やトランスヒューマニズム*3といった科学技術によって人間が持つ特性や能力をとことん伸ばそうという考え方や実践が存在します[2, 3]。例えばネットやスマホの登場で、わからないことは自分で調べることが理想とされる社会になりました。他人に聞くことは異常だとみなされることもあります。最近、名刺サイズの録音機器と文字起こし・要約サービスが登場しましたが、将来の職場では口頭での指示を2度も繰り返すことはありえないかもしれません。組織にとっては1回で内容を把握するという理想の行動を示してくれれば良いので、テクノロジーを使うか否かは二の次です。本発表では、テクノロジーを使いこなせることよりも、テクノロジーによって高められた理想の特性や行動を示す人が理想的な労働者になると結論づけています。

本田 龍司さんのコメント
日本情報経営学会第89回全国大会 大学院生研究発表奨励賞を頂戴し、大変光栄に思います。研究発表において司会、コメンテーターをご担当くださった先生方、大会実行委員長の髙木俊雄先生をはじめ運営してくださった皆様に深く御礼申し上げます。また、いつも寄り添い、どんな研究に対しても前向きにご指導くださる吉永崇史先生、発表したいことを自由に発表することに背中を押してくださった伊藤智明先生に心より感謝いたします。
情報経営という領域で研究を重ねてこられた研究者の方々にとって少しでも興味深いと感じていただける議論ができるよう、私自身のこれまでの研究を出発点として検討を進めました。本研究発表での議論から、エイブリズムの研究が本来問題とする、理想とのギャップに基づく差別・排除や、テクノロジーによる理想の高度化との向き合い方に関する議論へと展開していきたいと考えております。

指導教員 吉永 崇史教授のコメント
指導教員として、本田さんの今回の受賞をとてもうれしく思っています。本田さんは、経営学の観点から、障害のある方が社会で活躍していくためにどうすればよいか、という問題意識の下で研究をされています。今回の発表内容を活かすことで本田さんの研究が益々発展していくことを心から願っています。

参考文献
[1] Klinksiek, I. D., Jammaers, E., & Taskin, L. (2023). A framework for disability in the new ways of working. Human Resource Management Review, 33(2), Article 100954. https://doi.org/10.1016/j.hrmr.2023.100954
[2] Goodley, D. (2025). Disability studies: An interdisciplinary introduction (3rd ed.). Sage Publications.
[3] Tirosh-Samuelson, H. (2012). Transhumanism as a secularist faith. Zygon: Journal of Religion and Science, 47(4), 710–734. https://doi.org/10.1111/j.1467-9744.2012.01288.x


用語説明

*1 特別研究員:日本学術振興会によって、優れた若手研究者に対し、自由な発想のもとに主体的に研究課題等を選びながら研究に専念する機会を与え、研究者の養成・確保を図る制度。
*2 エイブリズム:健常で完全な身体や精神を有することを理想として、そうあることを期待・要求し、そのような人を優先するという考え方や実践。
*3 トランスヒューマニズム:医療や科学技術によって長寿や永遠の命の実現を目指す考え方や実践。
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