【講演開催報告】「アメリカにおける医学教育の最先端　～医学研究者の育成～」を開催しました。

日時：2022年8月8日（月）12：00～13：00
場所：本学福浦キャンパスA202教授会室
申込者：50名（録画配信あり） 　　

　令和4年8月8日、テキサス大学オースティン校名誉教授Dee U Silverthorn先生をお招きし、Competency-Based Curriculumにより研究者・医療従事者を育成する試みについてご講演いただきました。本学医学科生および医師を中心に、総勢50名の方からお申込いただきました。

　講演では、デルメディカルスクール（テキサス大学オースティン校医学部）の事例をもとに、コンピテンシーの定義からカリキュラムをコンピテンシーにマッピングするまでの流れをお話いただきました。

　コンピテンシーとは、修業年限や単位などの枠組みを超えて学習効果を評価するため、最終的に目標とする知識、技術、態度を指します。デルメディカルスクールでは、まず、このコンピテンシーを設定し、その達成度を測定する評価に合わせて授業を組み立てる「バックワードデザイン」を採用しているとのことでした。Silverthorn先生は、この手法によりマッピングされたカリキュラムには無駄が少なく、関係者間のコミュニケーションを促進するということ、効果を十分に得るには、授業の結果、何を習得するべきか学生に繰り返し伝えることが重要であることを強調されていました。

　質疑応答では、日頃より学生の育成に取り組んでいる教職員から 「１人につき何人の評価者がいるのか」、 「評価項目が多く感じるが、 すべてを満たす必要があるのか」等、Competency-Based Curriculumの運用に関する質問が挙げられました。

テキサス大学オースティン校デルメディカルスクール名誉教授。

Tulane大学から学士号、University of South Carolinaから博士号を取得。上皮細胞ナトリウム輸送メカニズムの研究と若手指導をきっかけに、教育に強い関心を持ち、ベストセラーとなった「Human Physiology: An Integrated Approach」などの教科書を執筆。アメリカ生理学会からガイトン教育賞を受賞、2022年からはアメリカ生理学会会長を務める。