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病理組織画像からがんの遺伝子異常を予測する 新規スクリーニングシステムVirtual Sequencingを開発

2022.05.30
  • プレスリリース
  • 研究

病理組織画像からがんの遺伝子異常を予測する 新規スクリーニングシステムVirtual Sequencingを開発

~病理学とAIの恊働による次世代病理学の創生を目指して~

横浜市立大学大学院医学研究科分子病理学 藤井誠志 主任教授、国立がん研究センター東病院 吉野孝之 消化管内科長らの研究グループは、Genomedia株式会社など企業との共同研究により、H&E(ヘマトキシリン・エオジン)染色の大腸がんの病理組織画像から、がんの遺伝子異常を検出する高性能な検出器の作製に成功しました。

本研究では、病理医ががんにおける病理形態学的特徴を目視で抽出し、DL(ディープラーニング)を使用して個別に学習させることにより、様々ながんの病理形態学的特徴を検出する検出器を作製しました。さらに、これらの検出器を用いて個別の病理形態学的特徴を有すると予測された病理組織画像の組み合わせに対してDLを使用することによって、高性能な遺伝子異常予測モデルを構築しました。これにより、病理組織画像からがんの遺伝子異常を予測できる新しいスクリーニングシステム「Virtual Sequencing」の実用化が進むことが期待されます。がんの病理形態像は遺伝子異常、エピゲノム*4変化等の合算から作られますが、病理形態像から遺伝子異常を検出することは一般に困難であり、次世代病理学に繋がる研究成果です。

本研究成果は、米医学術誌「Clinical Cancer Research」に掲載されました。(2022年4月25日オンライン公開

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