横浜市立大学が、第49回構造活性相関シンポジウムのポスター賞４枠を同時受賞！！　Vol.3

本学卒業生で、生命医科学研究科 特任助手の柴橋 佑希さんは、2021年11月18日（木）〜19日（金）に開催された第49回構造活性相関シンポジウムにおいて「維持メチル化因子UHRF1の阻害剤探索：MDを組み合わせたインシリコスクリーニング」についてポスター発表を行い、SAR Award（ポスター）賞を受賞しました。

受賞者

生命医科学研究科　特任助手　　
柴橋しばはし　佑希 　　ゆうき さん


発表演題　

「維持メチル化因子UHRF1の阻害剤探索：MDを組み合わせたインシリコスクリーニング」

発表内容
—今回の受賞に至った研究内容について柴橋さんに解説していただきました。

本研究で着目したUHRF1タンパク質は細胞の形質の維持に関わる因子です。がん細胞で過剰に発現し、その機能が異常に働いていることが報告されています。そのため、UHRF1の働きを阻害する薬は、がん治療薬となることが期待されています。本研究では、インシリコスクリーニング技術を駆使することで、20万個程度の候補化合物を、実験可能な100個程度にまで絞り込むことができました。従来の、静的な構造を使ったドッキングシミュレーションだけでなく、分子の動きまで考慮できる分子動力学シミュレーションをスクリーニングサイクルに組み込み、候補化合物がどれだけ安定に結合できるかも検証しました。その結果、UHRF1に結合するヒット化合物を得ることに成功しました。

この度は栄えある賞をいただき、誠に光栄に存じます。このような素晴らしい賞をいただけたのは、池口教授、および生命情報科学研究室の皆様、そして共同研究者である構造生物学研究室の皆様のご協力の賜物と存じます。心より感謝申し上げます。当学会での発表を通じて得た経験を糧として、より一層努力してまいります。

この研究は、構造生物学研究室の有田先生のグループとの共同研究で、インシリコスクリーニングの部分を担当したものです。柴橋さんは、豊富な化学の知識を活かし、見事にこの研究を完成させたと思います。論文としても発表できたことも大きな成果です。今後も、この経験を活かし、社会で活躍していただければと思います。

横浜市立大学　広報課
E-mail：koho@yokohama-cu.ac.jp