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【講演開催報告】「アウトカムリサーチの魅力 ~ビッグデータ分析から見えるがん治療の世界~」を開催しました。

2022.03.07
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オンラインプログラム開催支援制度採択案件

【開催報告】Jason D. Wright先生ご講演

「アウトカムリサーチの魅力 ~ビッグデータ分析から見えるがん治療の世界~」

日時:2022年1月26日(水)21:00~22:00(日本時間)
申込者:92名(録画配信あり)   
 本学では、今年度より学生の海外派遣が新型コロナウイルスの影響によりなかなか叶わない現状を受け、留学中の医師・教員のお力を借り、海外で活躍する医師・研究者によるオンラインセミナーをシリーズで企画、推進しています。

 今回は本シリーズ第4弾として、婦人科がん・婦人科手術の専門家として数多くの研究を手掛け、現在はコロンビア大学産婦人科婦人科腫瘍部門長を務めておられるJason D. Wright先生にご講演いただきました。本講演は、アウトカムリサーチという、分野横断的なテーマであったことにより、医学科及びデータサイエンス学科から総勢92名と、大変多くの方にお申込いただきました。

 セミナー前半では、コロンビア大学産婦人科へ留学中の鈴木幸雄先生より、アウトカムリサーチの定義(患者に最適な治療を提供するため、実際に患者が受けた治療とそのアウトカムから重要な臨床的課題を解決していく研究)をご紹介いただきました。また、医師の技量や意志決定等、患者のアウトカムに影響し得る要因が多々ある中、鈴木先生は研究方法にも言及され、エビデンスレベルが高いとされる方法にこだわるあまり、患者のアウトカムに悪影響が及ぶようなことはあるべきではないと述べられました。

 セミナー後半、Wright先生も同様に、研究の方法や根拠とするデータベースを吟味することの大切さを説かれた上で、婦人科疾患の事例を紹介くださいました。検証できるデータが少ないうちに実用化された低侵襲手術のアウトカムを検証したものでしたが、その結果は驚くべきものでした。高い技術を使い、患者のメリットを追求して考えられたはずの手段が、効果、コスト、安全性の面で患者に不利益をもたらし得るという事例を前に、アウトカムリサーチの重要性が痛感されました。講演後の事後アンケートにおいても、「データの扱い方、切り口によって真実の解釈が変わることは大変勉強になった」といった声が寄せられました。

Jason D. Wright先生ご略歴

コロンビア大学産婦人科 婦人科腫瘍部門長。

Washington University in St. Louis にて婦人科腫瘍フェローシップを修了。婦人科がん・婦人科手術の専門家として数多くの研究を手掛ける。NEJM, Lancet, JAMA誌を含め、500本以上の論文出版を手掛け、現在は米国産婦人科学会機関誌(Obstetrics and Gynecology)の編集長を務める。特にビッグデータを用いて手術を始めとする治療アウトカム評価に重点を置き数々の臨床課題解決に貢献している。

ファシリテーター:鈴木 幸雄 先生

本学産婦人科学教室より米国コロンビア大学産婦人科
婦人科腫瘍部門へ留学中。

医学教育推進課 医学国際化等担当

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