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佐々木准教授らの研究が日本癌治療学会優秀演題賞に選ばれました

2008.10.27
  • プレスリリース
  • 研究
附属市民総合医療センター 佐々木准教授ら(指導教授:分子病理学講座 青木一郎教授)の研究が日本癌治療学会の優秀演題賞に選ばれました。
なお、平成20年10月30日(木)~11月1日(土)に名古屋国際会議場で行われる日本癌治療学会総会で授賞式が行われます。

研究概要

前立腺がん骨転移を予測する新しいバイオマーカー:p65/RelA-リン酸化スレオニン254抗体

 佐々木准教授らは骨転移陽性前立腺がん患者の前立腺原発巣において高率に発現しているp65/RelA-リン酸化スレオニン254抗体(国際特許公開番号:WO2007/119606)を発見した。この抗体は癌関連転写因子NF-κBのサブユニットであるp65/RelAの254番目のスレオニン(Thr254)のリン酸化部位を特異的に認識する抗リン酸化抗体である。本抗体の認識部位(Thr254)のリン酸化はp65/RelAの核外への移行を阻害し、NF-Bの核内での安定性増加と定常的な転写活性化に寄与する。 
 本抗体を用いてパラフィン化前立腺癌組織標本の免疫染色を行ったところ、骨転移陽性前立腺癌患者では、32症例中32症例いずれも陽性であり、また、Gleason score 8以上のhigh grade cancerのうち4年以上の経過観察で骨転移は見られていない全ての症例において本抗体は陰性であった。以上よりp65/RelA-Thr254抗体は前立腺癌症例において、生検病理検体等の免疫染色により骨転移を予測する診断薬として臨床応用できる可能性が示唆された。
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