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横浜市立大学 YOKOHAMA CITY UNIVERSITY

大学院生 成田桃子さんが、NEURO2026でJunior Investigator Poster Awardを受賞!

2026.08.27
  • TOPICS
  • 学生の活躍

自閉スペクトラム症を生み出す脳の仕組みに迫る

医学研究科修士課程1年 生理学教室所属の成田桃子さんが、2026年7月30日〜8月2日に神戸で開催されたNEURO2026 (第49回日本神経科学大会、第69回日本神経化学会大会、第36回日本神経回路学会大会)において、「自閉症のスペクトラム性を規定する前頭葉責任領域の探索」について発表し、Junior Investigator Poster Award(ジュニア研究者ポスター賞)を受賞しました。
受賞者
医学研究科 修士課程1年
生理学教室所属
成田 桃子なりた とうこ
さん

指導教員
医学研究科 生理学教室
高橋 琢哉教授
太田 航助教

受賞内容
NEURO2026 (第49回日本神経科学大会他合同大会)
Junior Investigator Poster Award

発表題目
Characterization of orbitofrontal subregions determining multiple ASD-like behavioral phenotypes in mice
(日本語訳:自閉症のスペクトラム性を規定する前頭葉責任領域の探索)
今回の発表内容について成田桃子さんに解説していただきました。
自閉スペクトラム症(ASD)は、社会的コミュニケーションの困難や反復行動、強いこだわりを特徴としますが、症状の重症度や組み合わせは人によって大きく異なります。所属研究室では、AMPA受容体*1を生きた脳内で可視化するPETプローブを開発し(Miyazaki et al., 2020)、ASD患者の眼窩前頭皮質(OFC)では、AMPA受容体密度が症状の重症度と相関して増加することを見出しました(Hatano et al., 2025)。
本研究では、この臨床知見をもとに、OFCの興奮性亢進がASD様行動を引き起こすかどうかをマウスで検証しました。DREADD法*2を用いて、OFCのサブ領域である内側眼窩前頭皮質と周辺の前頭葉を活性化した結果、社会認識の低下、新規個体への興味の変化、行動柔軟性の低下がみられ、その症状の組み合わせは個体ごとに異なりました。さらに実験に用いた個体の脳組織を比較した結果、前頭葉内で活性化される領域や神経の投射先の違いが、ASD様行動の多様性に関与する可能性が示されました。今後は、各行動に関わる脳領域と神経回路をさらに絞り込み、将来的に本知見がASDの病態理解や治療研究の一助となることを期待しています。
成田 桃子さんのコメント
このたびは、ジュニア研究者ポスター賞をいただき、大変光栄に思います。学部時代から試行錯誤を重ねながら大切に向き合ってきた研究を、このような形で評価いただけたことを心から嬉しく思います。本大会では、さまざまな専門性を持つ先生方との議論を通じて、脳神経科学の奥深さと面白さを改めて実感しました。ご評価くださった先生方、学会関係者の皆様、ならびに日頃よりご指導・ご支援いただいている高橋琢哉先生、太田航先生をはじめ、生理学教室の皆様に心より感謝申し上げます。
今回の受賞を励みに、精神神経疾患の理解と治療法の発展に貢献できるよう、今後も研究に励んでまいります。
指導教員 太田 航助教のコメント
成田さん、ジュニア研究者ポスター賞の受賞おめでとうございます!
理数マスター育成プログラムと卒業研究で、目を輝かせながらひたむきに研究に取り組んできた成果が実りましたね。この賞をひとつの目標として頑張る姿と日々の成長を間近で見てきたので、その努力が報われたことをとても嬉しく思います。
修士課程での残りの期間も、さらに大活躍してくれることを楽しみにしています!
用語説明
*1 AMPA受容体:神経伝達物質グルタミン酸を受け取る受容体の一種。脳内の興奮性神経伝達を中核的に担い、神経細胞間の情報伝達や学習・記憶に重要な役割を果たす。
*2 DREADD法:特定の薬剤によって作動する人工受容体を細胞に発現させ、その細胞の活動を操作する薬理遺伝学的手法。本研究では、CNO投与によって人工受容体を発現した神経細胞を活性化し、ASD患者のOFCで認められたAMPA受容体高集積に伴うと考えられる興奮性神経伝達の亢進を機能的に模倣した。
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