2026.08.19
- プレスリリース
- 研究
野間久史 統計数理研究所/総合研究大学院大学教授、後藤温 横浜市立大学医学部教授、福田治久 九州大学大学院医学研究院准教授らの研究グループは、75歳以上の2型糖尿病患者におけるSGLT2阻害薬またはDPP-4阻害薬の使用が、死亡、心血管疾患、腎疾患などのリスクとどのように関連するかを分析しました。
75歳以上の高齢者では、糖尿病に加えて、心疾患、腎機能低下、脳卒中、フレイルなど複数の健康問題を抱えることが多いため、ランダム化臨床試験に含めることが難しく、日常診療でどの糖尿病治療薬を選択することが望ましいのかについての直接的な科学的根拠は限られていました。本研究では、日本の自治体が保有する医療・健診情報を統合した500万人規模の大規模医療データベースであるLIFE Studyをもとに、最新のデータサイエンスの方法である標的試験エミュレーションを実施しました。
75歳以上の2型糖尿病患者8,486人を対象として、SGLT2阻害薬を新たに開始した2,204人と、DPP-4阻害薬を新たに開始した6,282人を比較しました。その結果、SGLT2阻害薬を開始した群では、DPP-4阻害薬を開始した群に比べ、死亡のリスクが相対的に約32%低いことが示されました。ハザード比は0.677、95%信頼区間は0.500–0.916でした。また、末期腎不全または透析導入のリスクも、SGLT2阻害薬群では相対的に約63%低いことが分かりました。一方、心不全による入院と心筋梗塞については、主要解析で両群の間に明確な差は認められませんでした。また、脳卒中はSGLT2阻害薬群で多く観察されました。本研究は、⾼齢者における治療薬の選択が予後に影響する可能性を⽰し、臨床現場での治療⽅針決定に重要な知⾒を提供するものです。
本研究成果は、2026年8月19日に老年医学分野の国際学術誌「Age and Ageing」にオンライン掲載されました。
75歳以上の高齢者では、糖尿病に加えて、心疾患、腎機能低下、脳卒中、フレイルなど複数の健康問題を抱えることが多いため、ランダム化臨床試験に含めることが難しく、日常診療でどの糖尿病治療薬を選択することが望ましいのかについての直接的な科学的根拠は限られていました。本研究では、日本の自治体が保有する医療・健診情報を統合した500万人規模の大規模医療データベースであるLIFE Studyをもとに、最新のデータサイエンスの方法である標的試験エミュレーションを実施しました。
75歳以上の2型糖尿病患者8,486人を対象として、SGLT2阻害薬を新たに開始した2,204人と、DPP-4阻害薬を新たに開始した6,282人を比較しました。その結果、SGLT2阻害薬を開始した群では、DPP-4阻害薬を開始した群に比べ、死亡のリスクが相対的に約32%低いことが示されました。ハザード比は0.677、95%信頼区間は0.500–0.916でした。また、末期腎不全または透析導入のリスクも、SGLT2阻害薬群では相対的に約63%低いことが分かりました。一方、心不全による入院と心筋梗塞については、主要解析で両群の間に明確な差は認められませんでした。また、脳卒中はSGLT2阻害薬群で多く観察されました。本研究は、⾼齢者における治療薬の選択が予後に影響する可能性を⽰し、臨床現場での治療⽅針決定に重要な知⾒を提供するものです。
本研究成果は、2026年8月19日に老年医学分野の国際学術誌「Age and Ageing」にオンライン掲載されました。
