2026.08.10
- プレスリリース
- 研究
—パイリンが関与する“過剰な炎症”とヒト疾患の背景を明らかに—
京都大学高等研究院ヒト生物学高等研究拠点(WPI-ASHBi)の本田吉孝 特定助教、同大学院医学研究科 発達小児科学の岩田直也・青木茉莉子 大学院生、同大学院医学研究科エコチル調査(JECS)京都ユニットセンターの八角高裕 特定教授、東北大学大学院生命科学研究科の朽津芳彦 助教・田口友彦 教授、愛知県医療療育総合センター発達障害研究所の永田浩一 副所長(研究当時)、東京薬科大学生命科学部ゲノム情報医科学研究室の土方敦司 准教授、横浜市立大学附属病院難病ゲノム診断科の土田奈緒美 助教、同大学大学院医学研究科遺伝学の松本直通 教授、同大学附属病院遺伝子診療科の宮武聡子 診療教授、同大学附属病院小児科の西村謙一 講師・伊藤秀一 教授、同大学大学院医学研究科生化学の濱田恵輔 助教・緒方一博 名誉教授らを中心とする国際共同研究チームは、原因不明の強い炎症を示す患者さんの遺伝子解析と、大規模ゲノムデータベースの網羅的解析を組み合わせることで、パイリンというタンパク質が炎症を引き起こす“スイッチ”をどのように入れるのか、その新たな仕組みを明らかにしました。研究チームは、パイリンがCDC42という別のタンパク質と作用し合うことで炎症スイッチが入ることを見出しました。さらに、遺伝子変異によってこの作用が異常に強まると、パイリンの働きが過剰に活性化されることで“過剰な炎症”が生じることを示しました。
本研究により、ゲノムデータベースに登録されているものの、これまで病気との関係がはっきりしなかった多数のパイリン遺伝子の変異を、機能に基づいて整理した“アトラス”が整備され、迅速かつ正確な診断や患者さん一人ひとりに合わせた“精密医療(プレシジョン・メディシン)”への応用が期待されます。加えて、CDC42がパイリンの直接の制御因子であることが明らかになったことで、炎症の暴走を抑えるための新たな治療アプローチにつながる可能性も示されました。
本研究成果は、互いに補完し合う2本の論文として、2026年8月7日午後2時米国東部時間(日本時間8月8日午前3時)にScience Immunology誌に掲載されました。
本研究により、ゲノムデータベースに登録されているものの、これまで病気との関係がはっきりしなかった多数のパイリン遺伝子の変異を、機能に基づいて整理した“アトラス”が整備され、迅速かつ正確な診断や患者さん一人ひとりに合わせた“精密医療(プレシジョン・メディシン)”への応用が期待されます。加えて、CDC42がパイリンの直接の制御因子であることが明らかになったことで、炎症の暴走を抑えるための新たな治療アプローチにつながる可能性も示されました。
本研究成果は、互いに補完し合う2本の論文として、2026年8月7日午後2時米国東部時間(日本時間8月8日午前3時)にScience Immunology誌に掲載されました。