2026.05.13
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オオムギの花を作るための未知の構造を初めて観察
理学部理学科4年(受賞当時)の三石 涼太さんが、2025年12月13日(土)・14日(日)に福井県立大学で開催された第20回ムギ類研究会において、「オオムギ花序において1つのtriple spikelet メリステムから3つの小穂メリステムが生じる過程の1細胞解像度イメージング」について発表し、ポスター優秀発表賞を受賞しました。
受賞者
理学部理学科 4年(受賞当時)
生命環境コース 木原生物学研究所 辻研究室
三石 涼太さん
指導教員
木原生物学研究所
辻 寛之 教授
受賞内容
第20回ムギ類研究会
ポスター優秀発表賞
発表題目
オオムギ花序において1つのtriple spikelet メリステムから3つの小穂メリステムが生じる過程の1細胞解像度イメージング
理学部理学科 4年(受賞当時)
生命環境コース 木原生物学研究所 辻研究室
三石 涼太さん
指導教員
木原生物学研究所
辻 寛之 教授
受賞内容
第20回ムギ類研究会
ポスター優秀発表賞
発表題目
オオムギ花序において1つのtriple spikelet メリステムから3つの小穂メリステムが生じる過程の1細胞解像度イメージング
今回の発表内容について三石さんに解説していただきました。
植物が複雑な構造を示す発生学的原理の1つはメリステムが新しく形成されることです。メリステムは必ず葉やbract*1の腋に1個ずつ形成されます。稀に葉やbractが存在しないような例も見られますが、そのような例でも人間の目には見えないほど小さな、隠れたbract(cryptic bract)が存在しています。興味深いことに、オオムギではこのルールが一見守られておらず、bractなしに新しいメリステム(小穂メリステム, spikelet meristem; SM)*2が3つ生じています。これは、上記の「新しいメリステムは葉かbractの腋に一つだけ生じる」というルールでは説明できません。
本研究では、オオムギにおいて本当にbractがないのか、あるいは予想と異なる位置にbractが存在するのかを1細胞解像度の3Dイメージングによって観察しました。その結果、オオムギではこれまで報告されていない特徴的な方向にcryptic bractが形成される可能性を見出しました。多くの植物ではbractは地面に対して水平に作られますが、オオムギではそれが90度回転して地面に垂直に形成されていることが観察されました。さらに、この地面に垂直なbractは、組織の両端に2つ作られていました。垂直方向にbractが形成されることは予想外であったためこれまでの二次元切片の観察では発見が難しく、今回の1細胞解像度の3Dイメージングで立体的に観察することによって初めて発見できました。最終的には、この2つの垂直なbractの腋芽として2つのメリステムが生じ、もとから存在した中央部分もメリステムになることにより、3つの新しいメリステムが生じるというモデルを提唱しました(図1)。
植物が複雑な構造を示す発生学的原理の1つはメリステムが新しく形成されることです。メリステムは必ず葉やbract*1の腋に1個ずつ形成されます。稀に葉やbractが存在しないような例も見られますが、そのような例でも人間の目には見えないほど小さな、隠れたbract(cryptic bract)が存在しています。興味深いことに、オオムギではこのルールが一見守られておらず、bractなしに新しいメリステム(小穂メリステム, spikelet meristem; SM)*2が3つ生じています。これは、上記の「新しいメリステムは葉かbractの腋に一つだけ生じる」というルールでは説明できません。
本研究では、オオムギにおいて本当にbractがないのか、あるいは予想と異なる位置にbractが存在するのかを1細胞解像度の3Dイメージングによって観察しました。その結果、オオムギではこれまで報告されていない特徴的な方向にcryptic bractが形成される可能性を見出しました。多くの植物ではbractは地面に対して水平に作られますが、オオムギではそれが90度回転して地面に垂直に形成されていることが観察されました。さらに、この地面に垂直なbractは、組織の両端に2つ作られていました。垂直方向にbractが形成されることは予想外であったためこれまでの二次元切片の観察では発見が難しく、今回の1細胞解像度の3Dイメージングで立体的に観察することによって初めて発見できました。最終的には、この2つの垂直なbractの腋芽として2つのメリステムが生じ、もとから存在した中央部分もメリステムになることにより、3つの新しいメリステムが生じるというモデルを提唱しました(図1)。
図1:オオムギの幼穂
Triple Spikelet Meristem(TSM):オオムギの茎頂メリステムによって形成されるメリステムであり、発生が進むと3つのSMを分化する。
三石 涼太さんのコメント
この度は、ポスター優秀発表賞をいただくことができ、大変光栄に思います。本研究を進めるにあたり、辻先生をはじめとした辻研究室の皆さま研究方針や実験結果に関するディスカッション等、非常に多くのサポートを賜りました。心から感謝申し上げます。大学院でも、今回の受賞を励みに、より一層研究に精進してまいります。
この度は、ポスター優秀発表賞をいただくことができ、大変光栄に思います。本研究を進めるにあたり、辻先生をはじめとした辻研究室の皆さま研究方針や実験結果に関するディスカッション等、非常に多くのサポートを賜りました。心から感謝申し上げます。大学院でも、今回の受賞を励みに、より一層研究に精進してまいります。
指導教員 辻 寛之教授のコメント
三石くんおめでとうございます!今回の発表の中心となるcryptic bractが縦走するというアイデアは三石くんがたくさんの顕微鏡画像を丁寧に検討して発案したものです。本当にすばらしいと思います。コツコツと技術開発を重ねてオオムギの花序を撮影する独自のpreparationを確立し、これによって他の誰もが思いつかなかったモデルを提唱することができました。今後はこのモデルを分子レベルで実証していくとても楽しみな実験が待っていると思います。ますます頑張っていきましょう!
用語説明
*1 bract:生殖成長相で茎頂メリステムが形成する葉状組織。
*2 小穂メリステム(spikelet meristem;SM):小穂を形成する元となるメリステム

三石くんおめでとうございます!今回の発表の中心となるcryptic bractが縦走するというアイデアは三石くんがたくさんの顕微鏡画像を丁寧に検討して発案したものです。本当にすばらしいと思います。コツコツと技術開発を重ねてオオムギの花序を撮影する独自のpreparationを確立し、これによって他の誰もが思いつかなかったモデルを提唱することができました。今後はこのモデルを分子レベルで実証していくとても楽しみな実験が待っていると思います。ますます頑張っていきましょう!
用語説明
*1 bract:生殖成長相で茎頂メリステムが形成する葉状組織。
*2 小穂メリステム(spikelet meristem;SM):小穂を形成する元となるメリステム

