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横浜市立大学 YOKOHAMA CITY UNIVERSITY

大学院生 矢島綾乃さんが、日本薬学会第146年会で学生優秀発表賞を受賞!

2026.04.28
  • TOPICS
  • 学生の活躍

脳損傷後の機能回復を担う代償野形成のメカニズム解明を目指して

医学研究科 博士課程2年(生理学研究室所属)の矢島綾乃さんが、2026年3月26日(木)~29日(日)に関西大学で開催された日本薬学会第146年会において、「脳損傷後の代償野形成を司る脳領域と分子メカニズムの探索」について発表し、学生優秀発表賞(口頭発表の部)を受賞しました。
受賞者
医学研究科 博士課程2年
生理学研究室
矢島 綾乃やじま あやの
さん

指導教員
医学研究科 生理学
高橋 琢哉教授
中島 和希講師
太田 航助教

受賞内容
日本薬学会第146年会
学生優秀発表賞(口頭発表の部)

発表題目
脳損傷後の代償野形成を司る脳領域と分子メカニズムの探索
今回の発表内容について矢島さんに解説していただきました。
脳が損傷を受けて機能を失った際に、普段はその機能を担わない別の脳領域が役割を補い、機能が回復することがあります。このような脳領域は「代償野」と呼ばれ、神経可塑性が関与するとされています。しかし代償野の形成メカニズムは未だ解明されていません。本研究は、神経可塑性の中核を担うAMPA受容体*1に着目し、代償野の形成に関わる脳領域と分子メカニズムの探索を行いました。
所属研究室ではヒト生体脳でAMPA受容体を可視化できるPETトレーサーを開発しています(Miyazaki et al., Nature medicine, 2020)。これを用いて、脳卒中患者さんの運動機能の回復度合いとAMPA受容体の集積量に相関がみられた脳領域を見出しました(Abe et al., 未発表)。
この脳領域が機能回復(代償野の形成)に関与するのではないかと考え、ラットを用いた実験により、当該脳領域のAMPA受容体が機能回復に重要であること、また、シングル核RNA-seq解析により遺伝子Xを同定し、当該脳領域の遺伝子Xも機能回復に重要であることを見出しました。さらに遺伝子Xの産物であるタンパクXの経時的・空間的な発現が代償野形成における神経回路や機能の再編成に関与する可能性を見出しました。
本研究が、後遺症そのものを未然に防ぐという新たな治療戦略に繋がることを目指し、今後も研究を継続してまいります。
 
矢島さんのコメント
この度、日本薬学会第146年会において学生優秀発表賞(口頭発表の部)を受賞でき、大変光栄に思います。薬学会は、学部生の時に初めて参加し、発表を通して多角的な視点から研究を捉え、議論を深めることの楽しさを実感するとともに、博士課程への進学を志す大きなきっかけとなりました。そのような思い入れのある学会で受賞できたことを大変嬉しく思います。評価いただきました先生方ならびに学会関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。
また、日頃より温かくご指導を賜っております高橋琢哉先生、中島和希先生、太田航先生に心より感謝申し上げます。あわせて、本研究の遂行にあたり多大なご支援を賜りました一條先生、勝野さん、山ノ上さん、永田さんに深く御礼申し上げます。本学会での経験を糧に、自身の課題と向き合い、さらなる研究の発展に貢献できるよう努めてまいります。

指導教員 中島 和希講師のコメント
薬学会における学生優秀発表賞(口頭発表の部)の受賞おめでとうございます。
研究に真剣に向き合い、その努力が今回このような形で実を結んだことをとても嬉しく思います。
この経験を大きな自信にして、自分の目標に向かって前進していってください。今後の活躍を心から期待しています。

指導教員 太田 航助教のコメント
矢島さん、学生優秀発表賞(口頭発表の部)の受賞おめでとうございます!
準備段階からこの学会にかけてきた熱い思いを知っているので、その努力が実ったことをとても嬉しく思います。博士課程で新たにラボに加わってくれてから、わずか一年でこのような成果にたどり着けたことも大変立派です。
持ち前のひたむきさとガッツ、研究への情熱を武器に、これからの更なる活躍も期待しています!


用語説明
*1  AMPA(α-amino-3-hydroxy-5-methyl-4-isoxazolepropionic acid)受容体:脳内の興奮性神経伝達を中核的に担うグルタミン酸受容体の一つ。AMPA受容体はシナプス後膜上に存在しており、グルタミン酸がAMPA受容体に結合すると、細胞内に陽イオンが流入し、次の神経細胞に情報が伝えられる。シナプス後膜上のAMPA受容体の数が増えると神経細胞の応答はさらに増強する。このようなシナプスレベルでの変化(シナプス可塑性)は、記憶や学習をはじめとした脳内の情報処理の中心的なメカニズムであることが知られている。


 
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