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横浜市立大学 YOKOHAMA CITY UNIVERSITY

令和7年度 横浜市立大学卒業式  学長式辞

2026.04.17
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令和7年度 横浜市立大学卒業式 学長式辞

御卒業おめでとうございます。

卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。
また、これまで皆さんを支えてこられたご家族の皆様にも、心よりお慶び申し上げます。

本日は、横浜市の伊地知副市長をはじめ、多数の御来賓におかれましては、御多忙にもかかわらず御臨席を賜り、厚く御礼申し上げます。
この場で卒業生の門出を祝うことができることを、大変嬉しく思います。

令和4年に入学した学部生の皆さんは、新型コロナウイルス感染症の影響がなお残るなかで本学に入学し、対面とオンラインを行き来しながら、授業、課外活動、国際交流、地域連携を一つずつ再開させてきました。制約と変化の中にあっても、皆さんは知の探究心を保ち、互いに協力し、状況に応じて最適解を見いだす力を磨いてきました。
また、この4年間、世界は大きく揺れ動きました。入学前に始まったロシアによるウクライナ侵攻は、平和の脆さと国際秩序の重みを私たちに突きつけ、国際社会の連帯と対話の重要性を改めて意識させました。
同年には、ChatGPTに象徴される生成AIが急速に普及しはじめ、知識のつくり方、仕事の進め方、そして学びの方法そのものに変化をもたらしました。
こうした不確実性と技術革新が同時進行する時代において、事実に根ざして考え、倫理を踏まえて判断し、他者と協働して行動する力は、かつてなく重要になっています。

国際教養学部・国際商学部・理学部・データサイエンス学部を卒業する皆さんは、幅広い教養と専門知識を基盤に、データを正しく読み解き活用する力、異なる価値観を接続する対話力、そして不確実性のもとで判断し行動する力を身につけました。
情報があふれる時代にあって、事実を見極め、誠実に結論へ至る姿勢は、皆さんの強みであり、社会の信頼の源泉となるはずです。生成AIを含む新しい道具は、創造と学びを広げる力を持つと同時に、使い方の責任を私たちに問いかけます。
どうか倫理・透明性・説明責任を忘れずに、学び続け、挑戦を重ね、経験を自らの糧として、確かな成長を紡いでください。

医学部を卒業する皆さん、皆さんは未曾有の感染症をリアルタイムに経験し、臨床と公衆衛生の最前線が社会にもたらす影響と責務の重さを肌で感じた世代です。これから皆さんは、患者さん一人ひとりの尊厳に向き合い、最善の医療を絶えず模索し続けることになります。そこでは、科学的知見に裏打ちされた判断とともに、共感と倫理が等しく問われます。医療の現場にもAIやデータサイエンスの活用が広がりますが、人に寄り添う眼差しと倫理こそが、すべての判断の核であることは変わりません。やがて新たな感染症や難題が社会を脅かす時、皆さん自身が市民の命と生活を守る砦となるでしょう。同時に、回復に立ち会う喜び、生命の不思議と尊さに触れる感動が、皆さんの歩みを力強く支えます。信頼される医療人としての成長と活躍を、心より期待しています。

大学院を修了される皆さんは、研究を通じて高度な専門性とともに、問いを立て、方法を考え、仮説を検証し、成果を社会に還元する知の作法を身につけました。どうか、固定観念にとらわれない自由な発想で、新たな知を切り拓いてください。研究者の道を進む皆さんには、社会に革新をもたらす創造的な研究を期待します。皆さんの成果は、「研究大学」をめざす本学にとって、そして横浜、日本、世界にとっての誇りとなります。

ここで、未来を担う皆さんに、先人の言葉を紹介します。過去に本学で教鞭をとり、商学部長を務め、のちに現在では日本を代表する企業に成長した森グループ(森トラスト株式会社・森ビル株式会社)の経営で大きな足跡を残された森泰吉郎先生の言葉です。
「人間の生活は、まず先人に育てられ、教育、訓練され、ついで後人を育てることの無限の連続である。」
さらに、こうも述べられています。
「教育されて先人から受け継いだものを、自らの創意工夫によって一段と進歩充実せしめて生産性の向上に役立て、これを後人に受け継がせる。この連続が、我々の生活の永遠の進歩発展を約束する。」
皆さんが大学で学んだこと、そして今後社会に出て得る知識や経験は、先人から受け継いだ貴重な財産です。どうかそれを磨き上げ、価値を高め、次の世代に手渡してください。
戦争のない平和を希求する心、技術を人々の幸福のために用いる倫理、対話と協働を通じて課題を解く知恵——その一つ一つを、「受け継ぎ、創意を加え、次へと渡す」営みのなかで、皆さん自身の生き方へと根づかせてください。

さて、本学は令和10年に創立100周年を迎えます。歴史の重みを胸に、次の100年に向けて、教育と研究、そして社会との協働を一層進めてまいります。
特に、令和7年1月、本学は全国約800大学の中から選ばれた25大学の一つとして、国から「地域中核・特色ある研究大学」に指定されました。これは、世界に伍する大学として、今後も研究の先頭に立ち、日本社会に貢献していく責務を担っていくことを意味します。
卒業生の皆さん、皆さんはこの伝統ある横浜市立大学の、かけがえのない一員です。母校は、いつでも皆さんの挑戦を応援しています。
どうか、ここ横浜から世界へと舞台を広げ、時に困難と向き合いながらも、誠実に、しなやかに、たくましく歩みを進めてください。皆さんの新しい一歩が、社会の希望の灯となることを信じています。

最後になりましたが、卒業生の皆さんの前途が輝かしいものであり、社会で大いに活躍されることを心より祈念し、式辞といたします。

 
令和8年3月25日
横浜市立大学 学長  石川 義弘
 

令和7年度 横浜市立大学卒業式を挙行しました。

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