2026.03.26
- TOPICS
- 学生の活躍
シャルコー・マリー・トゥース病発症のメカニズムの理解に繋がることを期待
生命医科学研究科 博士前期課程1年(機能構造科学研究室所属)の中山 未菜さんが、2026年2月21日(土)に東京大学で開催された第9回 日本ミエリン研究会にて「ミエリンタンパク質ゼロ(MPZ)の細胞内領域と脂質の相互作用メカニズムの解析」について発表し、優秀発表賞(学生部門)を受賞しました。
受賞者
生命医科学研究科 博士前期課程1年
機能構造科学研究室所属
中山 未菜さん
指導教員:
大学院生命医科学研究科
機能構造科学研究室
坂倉正義准教授
発表題目
ミエリンタンパク質ゼロ(MPZ)の細胞内領域と脂質の相互作用メカニズムの解析
生命医科学研究科 博士前期課程1年
機能構造科学研究室所属
中山 未菜さん
指導教員:
大学院生命医科学研究科
機能構造科学研究室
坂倉正義准教授
発表題目
ミエリンタンパク質ゼロ(MPZ)の細胞内領域と脂質の相互作用メカニズムの解析
発表内容
—今回受賞した発表の研究内容について中山さんに解説していただきました。
末梢神経*1ミエリン*2に大量に存在するタンパク質であるミエリンタンパク質ゼロ(MPZ)*3の細胞内領域(ICR)は細胞膜と結合する性質を持つ天然変性タンパク質領域です。遺伝子突然変異によって、ICRを構成するアミノ酸の中の一つが別のアミノ酸に置き換わると、シャルコー・マリー・トゥース病(CMT)という末梢神経の病気を発症することが知られていますが、そのメカニズムは未だに解明されていません。
私は、ICRのアミノ酸が置き換わることが細胞膜との結合をどのように変化させるかを明らかにするため、NMR*4という装置を用いてICRと細胞膜の結合メカニズムを解析し、ICR上に4箇所の細胞膜結合領域(領域A~D)が存在することを明らかにしました。また、領域Cの195番目のアミノ酸が別のアミノ酸に置き換わると(D195Y置換)ICRと細胞膜の結合が強くなり、領域Dのアミノ酸残基が置き換わると(K207E置換)結合が弱くなることを明らかにしました。
本研究成果は、ミエリン形成とCMTにおいてICRが果たす役割を理解するための基礎的な実験情報であり、将来的にはCMTの発症メカニズムの理解に繋がることが期待されます。
用語説明
*1 末梢神経:脳・脊髄などの中枢と手足を含む全身の組織・器官をつなぐ神経のこと。
*2 ミエリン:神経の軸索の周囲にシュワン細胞と呼ばれる細胞が巻き付くことによって形成される脂質膜の多重層構造。脂質膜は電気を通さないため、電気絶縁体として働く。ミエリンが正しく形成されないと、神経に電気が流れる速度が低下し、手足の先端部分に情報をうまく伝えられなくなる。
*3 MPZ:ミエリンにおいて膜と膜を接着する糊として働くタンパク質。
*4 NMR:核磁気共鳴。タンパク質の構造や他の分子との相互作用の様子を、原子レベルで明らかにするための分析装置。
—今回受賞した発表の研究内容について中山さんに解説していただきました。
末梢神経*1ミエリン*2に大量に存在するタンパク質であるミエリンタンパク質ゼロ(MPZ)*3の細胞内領域(ICR)は細胞膜と結合する性質を持つ天然変性タンパク質領域です。遺伝子突然変異によって、ICRを構成するアミノ酸の中の一つが別のアミノ酸に置き換わると、シャルコー・マリー・トゥース病(CMT)という末梢神経の病気を発症することが知られていますが、そのメカニズムは未だに解明されていません。
私は、ICRのアミノ酸が置き換わることが細胞膜との結合をどのように変化させるかを明らかにするため、NMR*4という装置を用いてICRと細胞膜の結合メカニズムを解析し、ICR上に4箇所の細胞膜結合領域(領域A~D)が存在することを明らかにしました。また、領域Cの195番目のアミノ酸が別のアミノ酸に置き換わると(D195Y置換)ICRと細胞膜の結合が強くなり、領域Dのアミノ酸残基が置き換わると(K207E置換)結合が弱くなることを明らかにしました。
本研究成果は、ミエリン形成とCMTにおいてICRが果たす役割を理解するための基礎的な実験情報であり、将来的にはCMTの発症メカニズムの理解に繋がることが期待されます。
用語説明
*1 末梢神経:脳・脊髄などの中枢と手足を含む全身の組織・器官をつなぐ神経のこと。
*2 ミエリン:神経の軸索の周囲にシュワン細胞と呼ばれる細胞が巻き付くことによって形成される脂質膜の多重層構造。脂質膜は電気を通さないため、電気絶縁体として働く。ミエリンが正しく形成されないと、神経に電気が流れる速度が低下し、手足の先端部分に情報をうまく伝えられなくなる。
*3 MPZ:ミエリンにおいて膜と膜を接着する糊として働くタンパク質。
*4 NMR:核磁気共鳴。タンパク質の構造や他の分子との相互作用の様子を、原子レベルで明らかにするための分析装置。
中山さんのコメント
このたびは名誉ある賞を頂戴し、大変光栄に思います。研究や発表準備においてご指導いただいた坂倉准教授をはじめ、共同研究者の先生方、機能構造科学研究室の皆様に感謝申し上げます。本研究会での発表は、多くの方との議論を通じてこれまでの研究内容を改めて考察するとともに、さまざまな知見を得ることができました。これを糧に今後も、より一層研究活動に精進してきたいと思います。
指導教員 坂倉正義准教授のコメント
中山さん、日本ミエリン研究会学生優秀発表賞の受賞おめでとうございます。
今回発表した研究は、横浜市立大学を代表する研究設備である950 MHzの核磁気共鳴(NMR)装置を活用して、MPZの機能未知領域が細胞膜と相互作用するしくみを解明したという内容で、今後、難治性神経疾患であるCMTの発病メカニズム解明につながることが期待される成果です。中山さんが、様々な実験に積極的に取り組んだこと、異分野の研究者が理解しやすいようにプレゼンテーション内容を工夫したことが今回の受賞につながったと思います。さらなる研究の発展を期待します。また、共同研究者の先生方、研究会にご参加下さった研究者の方々に厚く御礼申し上げます。
このたびは名誉ある賞を頂戴し、大変光栄に思います。研究や発表準備においてご指導いただいた坂倉准教授をはじめ、共同研究者の先生方、機能構造科学研究室の皆様に感謝申し上げます。本研究会での発表は、多くの方との議論を通じてこれまでの研究内容を改めて考察するとともに、さまざまな知見を得ることができました。これを糧に今後も、より一層研究活動に精進してきたいと思います。
指導教員 坂倉正義准教授のコメント
中山さん、日本ミエリン研究会学生優秀発表賞の受賞おめでとうございます。
今回発表した研究は、横浜市立大学を代表する研究設備である950 MHzの核磁気共鳴(NMR)装置を活用して、MPZの機能未知領域が細胞膜と相互作用するしくみを解明したという内容で、今後、難治性神経疾患であるCMTの発病メカニズム解明につながることが期待される成果です。中山さんが、様々な実験に積極的に取り組んだこと、異分野の研究者が理解しやすいようにプレゼンテーション内容を工夫したことが今回の受賞につながったと思います。さらなる研究の発展を期待します。また、共同研究者の先生方、研究会にご参加下さった研究者の方々に厚く御礼申し上げます。
