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横浜市立大学 YOKOHAMA CITY UNIVERSITY

大学院生 早川 麻耶さんが、日本児童青年精神医学会第66大会で優秀論文賞を受賞!

2026.03.18
  • TOPICS
  • 研究

精神科医師・看護師のLGBTQ当事者への肯定的臨床実践を調査

医学研究科 精神医学教室 博士課程4年の早川さんが、2025年11月13日(木)に福井県AOSSA・パピリンで開催された日本児童青年精神医学会第66大会において、「児童精神科医療及び精神科救急医療従事者のLGBTへの肯定的臨床実践の自己評価に関する横断調査」を発表し、優秀論文賞を受賞しました。
本賞は、日本児童青年精神医学会の会員(年齢は問わず)の中で、前年1年間に本学会誌に掲載された原著論文・研究資料および症例研究のうち最も優れた論文の筆頭著者に対して授与されるものです。

写真中央 早川さんご本人
受賞者
医学研究科 精神医学教室 博士課程4年
早川 麻耶はやかわ まやさん

指導教員
医学研究科 精神医学教室
浅見 剛主任教授

横浜市立大学附属病院 児童精神科
藤田 純一講師(児童精神科診療部長補佐/児童精神科外来医長)

受賞内容
日本児童青年精神医学会第66大会
優秀論文賞

発表題目
児童精神科医療及び精神科救急医療従事者のLGBTへの肯定的臨床実践の自己評価に関する横断調査
今回の発表内容について早川さんに解説していただきました。
子どもや緊急時のこころのケアを行う児童精神科や精神科救急の現場には、性の多様性を持つ方々(LGBTQ*1)が、生きづらさや困難を抱えて受診することがあります。ところが、医療者の側がLGBTQの人々に関する知識や経験を持っていないことで、必要な支援が十分に届かない場合があることが、国内外で指摘されています。
本研究では、そうした医療の最前線に立つ医師や看護師が、LGBTQの方々に対してどのような肯定的な臨床実践をしているのか、またその背景にどのような知識や準備があるのかを調べました。全国の精神科医と看護師168人にご協力いただき、アンケートを通じて、実践と知識・経験との関係を明らかにしました。
その結果、LGBTQの人々に対して前向きな支援を行うためには、「差別をしない態度」や「正しい知識」だけでなく、「適切に関わるための臨床的な準備性」が重要であることがわかりました。今後は、こうした実践力を高める研修や教育が医療現場に求められます。
早川さんのコメント
研究者としてだけでなく、精神科専門看護師としての実践経験を通じて、LGBTQの方々が安心して医療を受けられる環境づくりを目指してまいりました。このたび、このような形で評価をいただけたことを大変光栄に思います。
本研究は、公益財団法人横浜学術教育振興財団の研究助成を受けて実施しました。ご協力くださった全国の医師・看護師の皆様をはじめ、研究を支えてくださった研究室の皆様に、心より御礼申し上げます。
指導教員 浅見 剛教授のコメント
早川さんのこのたびの受賞を、教室主催者として大変うれしく、誇らしく思います。
本研究は、児童精神科医療および精神科救急医療という、LGBTQ当事者にとって初期支援の重要な接点となる臨床現場に着目し、医療従事者の肯定的臨床実践と、その基盤となる知識・臨床準備状態との関連を明らかにしたものです。精神医療における包摂的支援の必要性が高まるなか、日本の臨床現場に即した実証的知見を示した意義は大きく、学術的にも社会的にも高く評価されるべき成果であると考えています。
早川さんは、日頃から臨床と研究の双方に真摯に向き合い、現場の課題意識を丁寧に研究へと結びつけてきました。本研究においても、単なる意識や態度の問題としてではなく、実践に結びつく要因は何かという本質的な問いに取り組み、知識と臨床準備状態の重要性を示した点に、研究者としての鋭い視点と粘り強さがよく表れていると思います。
今回の受賞は、早川さんのこれまでの真摯な努力の結実であると同時に、今後の精神医療におけるLGBTQ支援の質向上に向けた重要な示唆を広く発信する契機にもなるはずです。今後さらに研究を発展させ、臨床・教育・研究の各領域で一層活躍されることを心より期待しています。


用語説明
*1 LGBTQ:Lesbian(レズビアン)、Gay(ゲイ)、Bisexual(バイセクシュアル)、Transgender(トランスジェンダー)、Questioning/Queer(クエスチョニング/クィア)の頭文字をとった総称で、性的指向や性自認の多様性を表す言葉。
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