2026.03.17
- TOPICS
- 研究
ウイルスの局在および感染を空間制御可能な人工材料の開発に成功
生命医科学研究科 構造創薬科学研究室 矢口敦也学振特別研究員が2026年1月15日(木)~16日(金)に東京大学の本郷キャンパスにて開催された理化学研究所創発物性科学研究センター主催の国際シンポジウム「International Symposium on Supramolecular Chemistry and Functional Materials 2026 (CEMSupra2026)」においてCEMS Rising Star Awardを受賞しました。
CEMS Rising Star Awardは、本国際シンポジウム期間内で発表された129件のポスター発表中より4件の最優秀ポスター発表に授与されたものです。
CEMS Rising Star Awardは、本国際シンポジウム期間内で発表された129件のポスター発表中より4件の最優秀ポスター発表に授与されたものです。
受賞者
生命医科学研究科 構造創薬科学研究室
矢口敦也学振特別研究員
受賞内容
CEMS Rising Star Award
発表題目
「Multidimensional Control of Virus Patterning and Infection Using Novel Photoresponsive Self-Assembling Peptide Nanofibers」
(日本語訳:新規超分子ファイバー形成ペプチドを用いたウイルスの空間パターニングおよび感染制御)
生命医科学研究科 構造創薬科学研究室
矢口敦也学振特別研究員
受賞内容
CEMS Rising Star Award
発表題目
「Multidimensional Control of Virus Patterning and Infection Using Novel Photoresponsive Self-Assembling Peptide Nanofibers」
(日本語訳:新規超分子ファイバー形成ペプチドを用いたウイルスの空間パターニングおよび感染制御)
今回の発表内容について矢口敦也学振特別研究員に解説していただきました。
近年、ウイルスの材料利用が医療やエレクトロニクスなどの分野において注目を集めています。ウイルスと聞くと怖いイメージを持つ方もいるかもしれませんが、健康な人の体内にも一般に数十種類のウイルスが存在しており、腸内細菌のバランス維持や免疫系の活性化、病原菌の排除などといった働きを担っています。
本研究で用いたM13ファージウイルスも生体内に存在し得るバクテリオファージ*1の一種であり、哺乳類細胞には感染しません。ウイルスには、精密なサイズや形態、遺伝子操作による表面タンパク質の意図した機能化、培養・増殖による生物学的な製造プロセスといった利用しやすい特徴があります。ここで、材料内部のウイルス局在を保持させることは、ウイルスに持たせた機能を高効率に利用する上で重要です。我々は、光応答性のアゾベンゼン部位が導入された自己集合性ペプチド*2を新規開発し、その集合形態を光で制御することにより、ウイルスの材料内局在および放出、さらには感染を空間制御することに世界で初めて成功しました。
本発表研究はウイルス混合材料の応用範囲や実用可能性を拡大させ得る成果です。
近年、ウイルスの材料利用が医療やエレクトロニクスなどの分野において注目を集めています。ウイルスと聞くと怖いイメージを持つ方もいるかもしれませんが、健康な人の体内にも一般に数十種類のウイルスが存在しており、腸内細菌のバランス維持や免疫系の活性化、病原菌の排除などといった働きを担っています。
本研究で用いたM13ファージウイルスも生体内に存在し得るバクテリオファージ*1の一種であり、哺乳類細胞には感染しません。ウイルスには、精密なサイズや形態、遺伝子操作による表面タンパク質の意図した機能化、培養・増殖による生物学的な製造プロセスといった利用しやすい特徴があります。ここで、材料内部のウイルス局在を保持させることは、ウイルスに持たせた機能を高効率に利用する上で重要です。我々は、光応答性のアゾベンゼン部位が導入された自己集合性ペプチド*2を新規開発し、その集合形態を光で制御することにより、ウイルスの材料内局在および放出、さらには感染を空間制御することに世界で初めて成功しました。
本発表研究はウイルス混合材料の応用範囲や実用可能性を拡大させ得る成果です。
矢口敦也学振特別研究員のコメント
このたびは、CEMS Rising Star Awardを賜り、大変光栄に存じます。本研究進行にあたりサポートしてくださった皆様をはじめ、本シンポジウム運営に携わった皆様に、この場をお借りして感謝申し上げます。
会期中は、多くの方々と議論させてもらい、今後の研究を発展させる上で有意義な時間を過ごさせていただきました。本受賞を励みに、今後も研究に精進してまいります。
用語説明
*1 バクテリオファージ:細菌に感染して細胞内増殖するウイルス。
*2 自己集合性ペプチド:溶液中で自発的に集合し、規則性を持った集積体を構築するペプチド。本研究では、水溶液中でファイバー状の集積体から粒子状の集積体へと光に応答して変化させることにより、ウイルスの材料内脱着を実現した。
このたびは、CEMS Rising Star Awardを賜り、大変光栄に存じます。本研究進行にあたりサポートしてくださった皆様をはじめ、本シンポジウム運営に携わった皆様に、この場をお借りして感謝申し上げます。
会期中は、多くの方々と議論させてもらい、今後の研究を発展させる上で有意義な時間を過ごさせていただきました。本受賞を励みに、今後も研究に精進してまいります。
用語説明
*1 バクテリオファージ:細菌に感染して細胞内増殖するウイルス。
*2 自己集合性ペプチド:溶液中で自発的に集合し、規則性を持った集積体を構築するペプチド。本研究では、水溶液中でファイバー状の集積体から粒子状の集積体へと光に応答して変化させることにより、ウイルスの材料内脱着を実現した。

