2026.03.06
- プレスリリース
- 研究
動脈管開存症に対するシクロオキシゲナーゼ阻害薬の 投与タイミングに新たな科学的根拠
— 出生後のCOX-2増加が動脈管の解剖学的閉鎖を促進 —
東京医科大学(学長:宮澤啓介/東京都新宿区)、細胞生理学分野 横山詩子主任教授、特別研究学生 野口貴史(横浜市立大学大学院医学研究科医科学専攻 博士課程)、横浜市立大学(学長:石川義弘/横浜市金沢区)、医学部産婦人科学教室 宮城悦子主任教授らの研究グループは、早産児の動脈管開存症(PDA)の治療に用いられているインドメタシンなどのシクロオキシゲナーゼ(COX)阻害薬について、出生後早期に投与した場合、かえって動脈管の閉鎖を妨げる可能性があることを明らかにしました。
胎児期に大動脈と肺動脈をつなぐ動脈管は、出生後の環境変化に適応するため速やかに閉鎖します。しかし早産児では閉鎖が不十分となることがあり、動脈管開存症を発症すると生命予後に影響を及ぼします。COX阻害薬は動脈管を収縮させる作用を持つことから、世界的に標準治療として広く使用されていますが、約30〜40%では十分な閉鎖が得られないことが知られています。また、最適な投与時期については各国の診療ガイドラインでも統一した見解がなく、明確な科学的根拠が不足していました。
本研究では、出生後3〜20時間のマウス動脈管においてシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)が一過性に強く発現することを示しました。さらに、COX-2が産生するプロスタグランジンE₂が受容体EP4を介してオーファン核内受容体Nr4a1を誘導し、血管平滑筋細胞の増殖を促進することで、動脈管の「解剖学的閉鎖」を推進する重要な役割を担うことを明らかにしました。一方で、出生後早期にCOX-2活性を阻害したマウスでは、半数以上が動脈管開存症を呈しました。これは、出生後早期のCOX-2活性が生理的な血管リモデリングに必要である可能性を示唆するものです。
本研究成果は、COX阻害薬投与のタイミングを再検討する必要性を示す科学的基盤となる重要な知見です。
本研究成果は、2026年2月23日、国際学術誌「American Journal of Physiology-Heart and Circulatory Physiology」に掲載されました。
胎児期に大動脈と肺動脈をつなぐ動脈管は、出生後の環境変化に適応するため速やかに閉鎖します。しかし早産児では閉鎖が不十分となることがあり、動脈管開存症を発症すると生命予後に影響を及ぼします。COX阻害薬は動脈管を収縮させる作用を持つことから、世界的に標準治療として広く使用されていますが、約30〜40%では十分な閉鎖が得られないことが知られています。また、最適な投与時期については各国の診療ガイドラインでも統一した見解がなく、明確な科学的根拠が不足していました。
本研究では、出生後3〜20時間のマウス動脈管においてシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)が一過性に強く発現することを示しました。さらに、COX-2が産生するプロスタグランジンE₂が受容体EP4を介してオーファン核内受容体Nr4a1を誘導し、血管平滑筋細胞の増殖を促進することで、動脈管の「解剖学的閉鎖」を推進する重要な役割を担うことを明らかにしました。一方で、出生後早期にCOX-2活性を阻害したマウスでは、半数以上が動脈管開存症を呈しました。これは、出生後早期のCOX-2活性が生理的な血管リモデリングに必要である可能性を示唆するものです。
本研究成果は、COX阻害薬投与のタイミングを再検討する必要性を示す科学的基盤となる重要な知見です。
本研究成果は、2026年2月23日、国際学術誌「American Journal of Physiology-Heart and Circulatory Physiology」に掲載されました。
