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理学部の服部伸吾助教が、UBE学術振興財団 第65回学術奨励賞を受賞!

2025.06.27
  • TOPICS
  • 研究
  • 理学部

発光性白金錯体を用いた発光プローブに関する研究について表彰

横浜市立大学理学部理学科の服部伸吾助教が、UBE学術振興財団 第65回学術奨励賞を受賞しました。この賞は、有機化学、無機化学、高分子化学、機械・計測制御・システム、電気・電子、医学を含む幅広い自然科学分野の優れた独創的な研究を行っている若手研究者に贈られるものです。

受賞者

理学部
服部 伸吾助教(無機化学)

研究課題
「集積発光に基づく生体内酸化状態検出用発光プローブの開発(無機化学)」
今回の受賞内容 について服部先生 に解説していただきました。
私は、新規発光物質の開発と、そこに秘められた新規学理に興味があり、研究を行っています。その中で特に、今後の人類のWell-beingへの貢献に向け、発光物質を用いた健康状態の可視化技術の開発に着目しています。例えば、酸化ストレスとはさまざまな原因によって体を傷つける活性酸素種の産生が過剰となり、それを消去する抗酸化能とのバランスが崩れた状態のことをいいますが、さまざまな病気とも関連していると言われるため、生体内の酸化状態を可視化する技術は、健康状態を検出するために非常に重要です。発光物質(発光プローブ)を用いた可視化は、大型装置を必要としないこと、低侵襲であること、時空間解像度が高いこと、低コストであることから、可視化技術として注目されています。私は発光物質として白金錯体*1に着目し、白金錯体に酸化反応部位を結合させた発光プローブの開発に取り組んでおり、酸化剤により白金錯体の集積発光特性が変化することを発見しています。今回の受賞では、発光性白金錯体の開発や白金錯体を用いた発光プローブに関するこれまでの研究業績、今後の研究展望が評価されています。今回受賞した研究に関連する内容(白金錯体を用いたがん治療薬剤)については以下のリンクでも解説されていますのでご覧ください。
プレスリリース:光線力学療法用の光増感剤を新たに開発~腫瘍血管の正常化への応用に期待~
服部助教に受賞のコメントをいただきました
このたびは、名誉ある賞を受賞することができ、大変光栄に思います。本賞は、UBE株式会社(旧:宇部興産株式会社)創業者の子の渡邊剛二氏が、わが国の学術文化の発展と豊かな創意を備えた人材の育成のために設立した60年以上の歴史をもつ財団の奨励賞となります。過去の受賞者には著名な先生が多数おられ、私がそこに名を連ねることになり身の引き締まる思いです。今後も、その名に恥じぬように精進したく思います。また、本研究は本学理学部の篠﨑一英先生、篠﨑研究室の大学院生、共同研究者の本学理学部の中島忠章先生、佐藤友美先生、野々瀬真司先生らと共に行ってきた内容が含まれております。この場を借りて御礼申し上げます。

用語説明
*1 白金錯体:白金原子と有機分子が結合を持つ化合物。
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