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横浜税関長が講義に登壇
—「関税・税関を取り巻く環境」—

2025.06.11
  • TOPICS
  • 教育
2025年5月20日(火)、横浜市立大学金沢八景キャンパスにおいて、共通教養科目「法学入門a」(担当教員:大澤正俊教授)の講義に、横浜税関長の山崎翼氏を特別講師としてお招きし、「関税・税関を取り巻く環境」をテーマに講義を行っていただきました。
今回の講義は、グローバル社会における貿易や国際物流、税関の役割についての理解を深める貴重な機会となり、国際商学部や国際教養学部を中心に約100名の学生が受講しました。
山崎 翼 横浜税関長
税関のイメージキャラクター「カスタム君」
国際貿易の“現場”から学ぶ、税関の重要性
講義ではまず、税関の基本的な役割について説明がありました。税関は、海外とのモノの出入りを管理する行政機関であり、違法薬物や模倣品(偽ブランド品)などの不正物品を取り締まり、社会の安全を守る役割を担っています。また、法律や国際ルールに基づいて輸出入の手続き(通関)を行い、適正かつ公正な関税の賦課・徴収、貿易の円滑化も推進しています。
学生たちの中でも特に関心が高いのは、模倣品や違法薬物といった不正物品を水際で取り締まる税関の“守りの機能”です。講義を通じて、税関は単なる関税の徴収機関ではなく、国際社会における幅広い役割と責任を担っていることを学ぶことができました。
講義を熱心に聞く学生たち
デジタル化と税関業務の進化
講義の中盤では、税関業務におけるデジタル化の進展について紹介されました。
データ解析の技術が活用され、効率的な検査やリスク管理が進んでいること、また貨物のセキュリティ管理と法令遵守体制が整った事業者を税関が認定し、通関手続を緩和・簡素化する仕組みであるAEO(認定事業者)制度により、税関と民間企業のパートナーシップ構築を進め、セキュリティと円滑な国際物流の両立を実現。税関業務も効率化され、国際物流がよりスムーズに行われるようになっている点などが解説されました。

横浜という地域の特性と税関の使命
横浜港を管轄する横浜税関の歴史と役割についてもご紹介いただきました。開港以来、日本の国際貿易の玄関口として発展してきた横浜には、長い歴史とともに培われた税関の使命があります。
今後も横浜市立大学では、第一線で活躍する専門家を招いた講義を通して、実践的かつ社会と結びついた学びの機会を提供してまいります。


大澤 正俊先生のコメント
法学入門aは、法律学の導入科目として位置づけられており、国際商学部、国際教養学部の1年生を中心に、毎年、多くの学生が履修をします。本年度は、データサイエンス学部、医学部看護学科の学生も履修しています。
全15回の講義のほとんどが、テキスト(『まだ、法学を知らない君へ-未来をひらく13講(有斐閣2022年)』を用いた座学講義であるため、国際商業都市横浜で、山崎横浜税関長にご講義いただき、実務と法のつながりを学生たちは実感できたのではないかと思います。

受講した学生の声
講義を受講した学生からは、多くの前向きな感想が寄せられました。
「税関における職務内容から現在の国際情勢まで、広範な内容のお話を聞くことができました。税関の仕事は空港内で行うイメージが強かったため、その他の業務も知ることができて新鮮でした。私は国際的に活動できる職業に魅力を感じているため、自分の進路についても考える機会となり、視野を広げるとても良い機会でした」
そのほかにも、「なじみのない話でも、実際の写真を交えた丁寧な説明で理解が深まりました」、「わかりやすいスライドと説明があったから、とても理解しやすかったです」、といった声もあり、学生にとって非常にわかりやすく、有意義な学びの時間となったことが伝わってきました。


山崎税関長のプロフィール
平成 3年4月  大蔵省採用(現 財務省)
平成18年7月  関税局関税課関税企画調整室長
平成19年7月  関税局総務課課長補佐
平成21年1月  内閣官房副長官(事務)秘書官
平成21年10月 主計局司計課予算執行企画室長
平成22年7月  経済協力開発機構租税センター参事官
平成25年7月  内閣官房行政改革推進本部事務局参事官
平成27年7月  主計局主計官(内閣、復興、外務、経済協力係担当)
平成28年6月  関税局関税課長
平成29年7月  大臣官房参事官(関税局関税課担当)
平成30年7月  関税局総務課長
令和 1年6月  輸出入・港湾関連情報処理センター株式会社専務取締役
令和 4年6月  大臣官房審議官(関税局担当)
令和 6年7月  横浜税関長 (現在に至る)
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