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大学院生 三上 芽生さんが、第164回 質量分析学会 関東談話会で優秀学生発表賞を受賞!

2025.06.09
  • TOPICS
  • 学生の活躍
生命医科学研究科 博士前期課程2年(創薬再生科学研究室)の三上 芽生さんが、2025年5月14日に東京都品川区の微生物化学研究所で開催された第164回 質量分析学会関東談話会において、「データ非依存的取得LC/MS/MSを用いたEVプロテオミクスによるヒトiPS細胞の分化マーカー探索」について発表し、優秀学生発表賞を受賞しました。
受賞者
生命医科学研究科 博士前期課程2年
(創薬再生科学研究室所属)
三上 芽生みかみ めいさん

指導教員
生命医科学研究科
創薬再生科学研究室 川崎 ナナ教授

受賞内容
第164回 質量分析学会関東談話会
優秀学生発表賞

発表題目
データ非依存的取得LC/MS/MSを用いたEVプロテオミクスによるヒトiPS細胞の分化マーカー探索
今回の発表内容について三上さんに解説していただきました。
iPS細胞はさまざまな細胞に人工的に分化誘導できることから、脊髄損傷やパーキンソン病、虚血性心筋症など、現在まで治療が困難とされてきた疾患への応用が期待されています。移植用細胞の製造には多大な時間と費用がかかるため、これらの削減が可能な閉鎖型自動培養装置の開発が進んでいます。しかし、閉鎖系内でiPS細胞の分化度を迅速かつ適切に評価する方法が確立されておらず、実用化への大きな壁となっています。そこで私は培養工程内で排出される細胞培養上清を用いて、細胞を消費することなく効率的にiPS細胞の分化を予測するマーカーの探索を研究目的としました。その方法として特異的な濃縮が可能な細胞外小胞(EV)と微量成分に適したデータ非依存的取得LC/MS/MSに着目した網羅的解析法を構築し、iPS細胞の神経/心筋細胞への分化過程7日目におけるEVと細胞の各タンパク質の変動を解析しました。結果として分化に伴うEVタンパク質の変動は細胞タンパク質の変動と正の相関を示し、特に心筋分化ではVimentin、神経分化ではTrophoblast glycoprotein (TPBG)が顕著な増加を示しました。中でもTPBGは細胞株ごとの神経分化度の差を反映したことから、EVタンパク質はiPS細胞の分化予測に有用である可能性が示唆されました。
三上 芽生さんのコメント
このたびは、数ある発表の中から優秀学生発表賞に選んでいただき、光栄に存じます。川崎教授をはじめとした、創薬再生科学研究室の皆さまのご協力のおかげです。心より御礼申し上げます。
質量分析学会関東談話会では化学、生物学、地学などさまざまな観点から質量分析を用いて研究をされている方々のお話を聞くことができ、さらには異分野の研究者の方々ともディスカッションさせていただき、非常に有意義な時間を過ごすことができました。
今回の経験を活かし、今後もより一層研究活動に勤しんで参ります。


指導教員 川崎 ナナ教授のコメント
三上さん、優秀学生発表賞受賞おめでとうございます。他分野の方が多数参加される質量分析学会で優秀学生発表賞を受賞されたのは、内容はもちろんのこと、専門分野が異なる研究者をも惹きつける魅力的な発表であったこと、理解しやすいように工夫されたことが理由と思います。これからも三上さんの長所を生かしてご活躍ください。応援しています。
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