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世界初ICGを用いた腸管血流の蛍光観察が直腸がんの術後合併症を低下させることを確認

2023.09.13
  • プレスリリース
  • 研究

-Annals of Surgery誌に論文発表-

横浜市立大学附属市民総合医療センター 消化器病センター外科 渡邉 純准教授、札幌医科大学 医学部消化器・総合、乳腺・内分泌外科学講座 竹政 伊知朗教授らの研究グループは、腹腔鏡手術(ロボット支援手術も含む)を受ける直腸がん患者さんの術後合併症である縫合不全予防において、インドシアニングリーン(以下ICG)という薬剤を用いた蛍光観察による腸管血流評価の有効性を検証する前向きランダム化比較試験(EssentiAL試験)を実施しました。
その結果、主要評価項目である縫合不全発生率において、ICGを用いた蛍光観察による腸管血流評価群が蛍光観察を実施しない対象群と比較し、統計学的に有意に縫合不全発生率を低下させることを示しました。
直腸がん患者さんを対象とした前向きの臨床試験によって、ICGを用いた蛍光観察による腸管血流評価が術後縫合不全発生率を低下させることを示したのは世界初です。本方法を用いることで、より多くの患者さんの直腸がん術後縫合不全を予防できることが期待されます。
本研究の成果は、2022年ヨーロッパ内視鏡外科学会(EAES:European Association for Endoscopic Surgery)学術集会(欧州時間2022年7月7日、発表者:竹政伊知朗)、日本消化器外科学会総会(日本時間2022年7月20日、発表者:渡邉 純)で報告され、科学雑誌「Annals of Surgery」(October 2023 - Volume 278 - Issue 4)に掲載されました。
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