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神奈川県初!CAR-T細胞療法(キムリア)の提供可能施設として認定

2021.08.04
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神奈川県初!CAR-T細胞療法(キムリア)の提供可能施設として認定

横浜市立大学附属病院(以下、附属病院)は、白血病やリンパ腫の新たな治療法である「CAR-T細胞療法(キムリア※1)」の提供可能施設として、2021年6月11日に神奈川県内の病院で初めて認定されました。
附属病院は、「地域医療最後の砦」として、最先端の医療を提供していきます。

CAR-T細胞療法とは

CAR-TのCAR(chimeric antigen receptor)は「キメラ抗原受容体」、TはTリンパ球のことです。患者さんから取り出したTリンパ球に遺伝子改変技術を用いてCARを導入します。CARは、がん細胞の表面抗原(キムリアの場合はCD19抗原)を認識する一方、CARに内蔵させた共刺激シグナルでCAR-Tリンパ球を確実に活性化させ、活性化したTリンパ球は免疫学的に認識したがん細胞を攻撃します。このCAR-T細胞を患者さんに投与することにより、難治性のがんを治療するのがCAR-T細胞療法です。
CAR-T細胞療法により、従来の抗がん剤治療や造血細胞移植で治らなかった病気でも、免疫学的に高い抗腫瘍効果を得られ、高率に寛解を達成することが可能となりました。

対象となる疾患

 再発・難治性の下記の疾患
・B細胞性急性リンパ性白血病(B-ALL)(25歳以下)
・びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)

輸血・細胞治療部 柴 徳生部長のコメント

キムリアは、患者さんからの細胞採取から始まり、細胞処理、凍結保存と製造工程の一部を院内で担うことになるため、GMP(Good Manufacturing Practice※2)に準拠した高度な細胞処理技術を必要とします。附属病院は再生細胞処理センターを有しており、今回、ノバルティスファーマ株式会社の訪問監査を受審し、キムリアの認定施設を取得いたしました。神奈川県内では当院が唯一の認定施設です。CAR-T細胞療法は白血病、リンパ腫以外にも様々ながんで研究開発が進んでおり、今後、がん免疫細胞療法として急速に普及してくるものと考えられ、附属病院では様々ながんに対してCAR-T細胞療法を導入していく体制が整っています。

※本治療法の適応については専門的な判断が必要となるため、適応に関するご相談は主治医の先生のみに限らせていただいております。患者様やご家族からの問い合わせはお受けしておりませんので、ご了承下さい。

参考

※1 キムリア   
ノバルティス ファーマ株式会社が、CAR-T細胞療法として米国食品医薬品局(FDA)の承認を取得した初めての治療製品であり、またCAR-T細胞療法としては初めて2つの異なる適応症で承認された治療製品でもある。
※2 GMP(Good Manufacturing Practice)
医薬品を製造するための要件をまとめたものであり、日本語では「医薬品の製造管理及び品質管理の基準」と表現される。

問い合わせ先

横浜市立大学 広報課
E-mail:koho@yokohama-cu.ac.jp


 

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