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【開催報告】令和元年度 第一回海外フィールドワーク合同帰国報告会

【開催報告】令和元年度 第一回海外フィールドワーク合同帰国報告会

7月11日(木)10:45~11:30、金沢八景キャンパス YCUスクエア ピオニーホールにて、平成30年度後期に海外フィールドワーク(以下、海外FW)を実施したグループによる、合同帰国報告会を開催しました。今回プレゼンテーションを行ったグループは後期渡航の8グループ中計2グループで、1グループ約15分間のプレゼンテーションと5分程度の質疑応答がありました。当日の出席者数は、参加学生と教職員をあわせ30名でした。

海外フィールドワーク合同帰国報告会は、グローバルな視野を持って活躍する人材の育成を推進し、更に多くの学生が海外への視野を広げられるように、各グループでどのようなFWをしているのかを共有し、次の段階の学習につなげる目的で開催しています。

報告会後には、中條副学長より「事前準備と事後の振り返りが重要である。しっかりと事前準備をしていけば得るものが大きい、投資をすれば見返りも大きい。しっかりとエネルギーをかけて、そこから大きな成果を引き出すという循環をしていただきたい。東南アジアと先進国と2つのある意味対象的な地域に行かれたグループのお話は非常に興味深かった。今回参加された皆さんは、他のゼミの人にもFWでの体験をぜひ教えてあげてください。」というお言葉をいただきました。

尚、当日資料として配布した全グループの報告書を金沢八景キャンパス3か所(いちょうの館エントランスホール、学生交流ラウンジ、学術情報センター1階)、福浦キャンパス3か所(基礎研究棟 渡り廊下掲示板、看護教育研究棟 掲示板、医学情報センター)の海外FW特設コーナー及び鶴見キャンパスキャリア支援室、舞岡キャンパス事務室に配架しています。ぜひご一読いただくとともに、教職員で必要な場合は、金沢八景キャンパス学術企画担当までご連絡ください。

発表グループは以下の通り(発表順)です。

学部・研究科
コース・学科・専攻
引率教員
(敬称略)
渡航先 渡航期間 参加
人数
国際総合科学部
グローバル協力
瀬田 真 カンボジア
(プノンペン、シェムリアップ)
2019/2/10~2/18 22名
国際総合科学部
国際文化
平松 尚子 フランス
(パリ、リヨン、シャルトル)
2019/2/10~2/18 15名

以下、発表の様子です。

国際総合科学部 瀬田グループ

国際総合科学部 瀬田グループ
瀬田グループでは、カンボジアに対する日本の支援について、現地での実習を通して学びました。カンボジアでは、さきの冷戦以来、国際社会の注目を集める問題が複数発生しており、日本は、国際社会と協働してその問題解決にあたっています。カンボジアの日本大使館ではグループのテーマに応じてグループを形成し、各班がテーマに精通した職員の方とお話することができました。
その後の日程でも3グループに分かれて行動しました。
≪混合刑事法廷班≫
カンボジア特別法廷(ECCC)関連機関を訪問しました。1975~1979年 民主カンプチア時代にクメール・ルージュ政権によって行われた虐殺等の重大な犯罪についてのECCC関連の情報を様々な媒体で残す施設です。
The ECCC カンボジア特別法廷では、実際の裁判が行われている施設で、裁判の雰囲気を味わうとともに、裁判の主な概要を拝聴しました。
≪廃棄物処理班≫
日本の一般社団法人クマエに訪れました。クマエでは集積所でプラスチックや金物を拾って生計を立てている人たちのためにバナナペーパー・モノづくりを軸に置いた雇用事業、語学などの教育事業を展開しています。今回は半日ツアーに参加し、バナナの皮からできる、バナナペーパーが出来る工程を見学し、実際にゴミ山を見に行くことができました。ゴミ山ではいまだに働いている人達も見受けられました。現地の調査の学びから、行政からゴミ山等の存在が隠されている状態であると知り、まずは行政からアプローチをし、ゴミの分別の教育を徹底的に教え、次の世代につなげていくということが必要であると考えました。
≪対人地雷班≫
地雷博物館(カンボジア内戦、対人地雷のことについて学べるCMAC(カンボジア地雷対策センター)の地雷除去平和博物館)に行き、実際の地雷の除去手順などについて、職員の方から詳しくお話を頂いて、実際の地雷除去がどれだけの時間を要するのかなどを学びました。また対人地雷、不発弾に関しての展示品を見学、CMACの活動について拝聴しました。

 今回の調査実習では、カンボジアでもっとも有名とされる世界遺産、アンコールワット遺跡群へも訪れました。最近では観光客が大幅に増加したことによって、観光客が捨てていく廃棄物についても問題となっており、実際にアンコールワット遺跡周辺でもポイ捨てなどの問題があったそうです。
実際に訪れてみると、ペットボトルと一般のごみが分別されて設置されているゴミ箱や、遺跡周辺の雰囲気を乱さないようなゴミ箱が設置されていました。しかし、オープンダンプというゴミの集積場にすべてゴミが集められて、リサイクルできるペットボトルなど、政府が積極的ではなく、個人業者がビジネス目的でしか行なっていないのが現状ということがわかりました。

 事後学習では、班で活動することにより、集団活動における連携の重要性や、論文執筆における妥当な構成・テーマ国外の文化・環境・人との接触、今後の諸調査・論文執筆において調査手法・知識の応用が可能だと考えました。実生活・キャリア選択においても、多文化や知らない地への関心醸成、訪問地職員との対話を通して大学での専門領域に関する仕事選びの幅が広がったと感じました。

国際総合科学部 平松グループ

国際総合科学部  平松グループ

フランス文化論ゼミでは、リヨン第3大学の授業に参加しました。横浜とリヨンは、姉妹都市でリヨン第3大学は本学の交換留学提携校にあたります。日本語を学ぶ3年生の授業に参加し、「困っている人を助ける」というテーマで、日本語・英語・フランス語で話ました。一緒に台詞を考える際に、日本語の難しさを改めて実感しました。また、フランス人学生が流暢な日本語を話している印象を受けました。
最後の作文ゲームでの日本人とは違った視点・発想力に驚き、異なる感性を持つフランス人学生が日本という国を見たときにどのように感じるのか、非常に気になりました。
      
 パリ第7大学での交流授業では、日本語を学んでいる2年生と交流授業を行いました。訪問した日が2月14日だったので、バレンタインデーをテーマにして双方から質問を投げかけることで、双方の文化への理解を深めました。更にテーマは、「どんなジャンルの日本の本を読むの。」「なぜ日本語を学ぼうと思ったの。」「どんな音楽を聴くの。」など 多岐に渡り、フランス語の勉強やフランスへの関心が更に深まりました。
 帰国後も交流をした生徒たちと親交を続けています。例としては、卒業論文の為のアンケートを実施しました。テーマは「日本とフランスの男性の育児参加支援」で、学生が「フランスでは父親が育児に協力的だと思いますか」などといった、実態に迫るようなアンケートをし、とても有意義な経験と今後につながる学習になりました。

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