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【開催報告】平成29年度 第二回海外フィールドワーク合同帰国報告会

【開催報告】平成29年度 第二回海外フィールドワーク合同帰国報告会

11月20日(月)14:30~15:30、金沢八景キャンパス YCUスクエア1Fピオニーホールにて、平成29年度前期に海外フィールドワーク(以下、海外FW)を実施したグループによる、合同帰国報告会を開催しました。今回プレゼンテーションを行ったグループは、前期渡航の10グループ中計3グループで、1グループ約10分間のプレゼンテーションと、5分程度の質疑応答がありました。当日の出席者数は、参加学生と教職員をあわせ56名でした。
始めに岡田副学長から開会の挨拶として、「この海外フィールドワークは大分回数を重ね、内容に深まりが出て来ている。現地で色々なことを感じ、関心を持ち、活動の幅を広げ、周りの仲間と協力し合いながら次のステップへと繋げて行って欲しい。」というお言葉をいただきました。
報告会後には窪田学長より、「フィールドワークの一番の目的は、とにかく『見て、聞いて、体験する』こと。事前準備をしっかりと行い、フィールドワークを実行し、その後が大切。自分でさらにフィールドワークの内容を高めるために勉強することも大切、このような発表の機会を通じ、振り返り、纏めることも大切。一人ひとりがこの体験を、是非自分のものとして、今後に活かしていっていただければと思う。」との激励のお言葉をいただきました。
続いて重田副学長から、「初めて参加したグループでも、非常に充実した内容のフィールドワークを実施されていると思う。現地に行き、そこで得たものをしっかりと咀嚼すること、そして何よりもフィールドワーク期間中、特に季節が夏という暑い中で体調管理を行い、皆が無事に行程を終了されたことを非常に嬉しく思う。」とのお言葉をいただきました。
 

左から岡田副学長、窪田学長、重田副学長 左から岡田副学長、窪田学長、重田副学長
尚、当日資料として配布した全グループの報告書を金沢八景キャンパス2か所(いちょうの館エントランスホール、学術情報センター1階)、福浦キャンパス3か所(基礎研究棟 渡り廊下掲示板、看護教育研究棟 掲示板、医学情報センター)の海外FW特設コーナー及び鶴見キャンパスキャリア支援室、舞岡キャンパス事務室に配架しています。ぜひご一読いただくとともに、教職員で必要な方は、金沢八景キャンパス教育推進課学術企画担当までご連絡ください。
発表グループは以下の通り(発表順)です。




学部・研究科
 
コース・学科・専攻 引率教員
(敬称略)
渡航先 渡航期間 参加
人数
国際総合科学部 人間科学 三上 真司
イタリア(ローマ)
 
H.29.8.24-8.20  15名
医学部 看護学科  佐藤 いずみ フィリピン(イロイロ) H.29.8.2-8.7 14名
国際総合科学部 まちづくり 国吉 直行
鈴木 伸治
台湾(台北)
H.29.8.21-8.24  29名

以下、発表の様子です。




国際総合科学部 人間科学コース 三上グループ

三上グループは、イタリアのローマにて、「カタコンベや初期の教会・洗礼堂見学を通じ、死とは何か、生とは何かを歴史的に、かつ具体的に考察すること」を目的に、フィールドワークを実施しました。ローマのバチカン市国では、博物館やサンピエトロ大聖堂を訪問し、実際にミサを見学する機会にも恵まれました。また、複数のカタコンベに足を運ぶという経験もできました。参加した学生からは、「カタコンベは現代の墓と同じように、家族ごとの単位に仕切られており、宗教の根源と家族の関係性について思いを馳せることが出来た。」「キリスト教とは関係もなく描かれる日常の風景から、死を土台として生が成り立っているのではないかと感じた」等、死生観や個々人の研究テーマをより深めることへと繋るフィールドワークとなりました。

医学部 看護学科 佐藤グループ

佐藤グループは、学年毎に目的を定め、2年生においては「開発途上国における母子保健の現状と課題を理解し、現地の学生や地域住民との交流・異文化体験をすること」、「行政やWHOの実際の活動等への学びを通し、国際看護の視点を養うこと」、4年生においては「周産期死亡率が高いフィリピンにおいて、産褥期の健康教育の現状について調査すること」をそれぞれ目的として、フィリピンのイロイロ市や、マニラ市でフィールドワークを実施しました。
地方自治区であるバランガイコミュニティのクリニックや保育園を訪問し、歌や劇を用いて手洗いや歯磨きについての健康教育を行いました。また、現地の看護学生と交流し、教室での授業風景や研修の様子を見学したり、ペアを組んで医療や学校生活について、意見交換をする機会にも恵まれました。最終日にはWHO西太平洋地域事務所を訪問し、世界での母子保健の現状や、途上国支援の実際について、理解を深めることが出来たとの報告がありました。

国際総合科学部 まちづくりコース 国吉・鈴木グループ

国吉・鈴木グループは、「都市デザイン・創造都市のアジアにおける先進事例を学ぶこと」を目的として、横浜と同じく創造都市である台湾の台北市でフィールドワークを実施しました。創造都市としての取り組みや都市計画の変化、歴史的建造物の保存・活用手法の違いなどに着目し、市民参加と町並み保全という視点から、台湾で一番古いとされている問屋街である「迪化街」を訪れました。かつては街路拡大計画により、町並みが取り壊されてしまう危機にさらされた時期がありましたが、市民による反対運動が初めて行われ、容積移転というかたちで町並みが保全されることになったエピソードを、実際に市民運動に携わった関係者の方から直接お伺いすることが出来ました。また、『千と千尋の神隠し』の舞台に似ていることで有名な九份を訪れる機会もありました。九份は、かつて鉱山で働く人々が住む町として栄えましたが、ゴールドラッシュが終了するとともに、空き家の増加が問題となっていました。そのような空き家をリノベーションし、活用することで、近年では観光地としても注目されるようになりました。今後、歴史的遺産の保存・活用、その場所での新たな産業の創造を含めた取り組みについて、日本においても何か活かす点があるのではないかと考える機会となりました。 

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