YCU 横浜市立大学
search

【開催報告】平成26年度 第1回海外フィールドワーク合同帰国報告会

【開催報告】平成26年度 第1回海外フィールドワーク合同帰国報告会

6月9日(月)16:30~18:50、金沢八景キャンパス、いちょうの館多目的ホールにて、平成25年度後期に海外フィールドワークに参加したグループによる合同帰国報告会を開催しました。1グループ約20分間のプレゼンテーションで、計6グループが発表し、学生が真剣に取り組んだ姿がよく伝わる報告会には62名もの参加があり、大盛況に終わりました。
総括として窪田学長からは、「学生は、海外フィールドワーク支援プログラムの趣旨を良く理解しており、将来像、ものの見方、英語力をどう伸ばすかまで考えながら取り組んだことを嬉しく思った。タイトなスケジュールにもかかわらず、政策への提言、論文の英語の構築もしっかりとしており、一生懸命にやっていることがわかる報告だった。百聞は一見に如かずという通り、このようなプログラムへの参加は大事であり、この体験を生かして、それぞれの分野で頑張ってもらいたい」という講評がありました。
また、重田副学長からは、「今回は大学院生のグループ発表もあり、フィールドワークに参加する領域も広がりつつある。グローバル化が進んでいるので、自分が思っていることと、現場を訪れて現実を知ることを若いうちから経験することは大切なので、学生には、海外フィールドワーク支援プログラムにどんどん応募してもらいたい。そして、次はもう少し、という気持ちで更なる高みを目指して良い報告をしてもらいたい。当プログラムは、本学の目玉となっているプログラムなので、今後も充実した海外フィールドワーク支援プログラムにしていきたい」という説明がありました。
当日、資料として配布した全グループの合同報告書を金沢八景キャンパス4か所(いちょうの館エントランスホール、学生交流ラウンジ、シーガルセンターエントランスホール、学術情報センター1階)、福浦キャンパス3か所(基礎研究棟 渡り廊下掲示板、看護教育研究棟 掲示板、医学情報センター)の海外フィールドワーク特設コーナーに設置します。ぜひご一読いただくとともに、教職員で必要な方は、金沢八景キャンパス教務支援担当までご連絡ください。
発表グループは以下の通り(発表順)です。

学部・研究科 引率教員
(敬称略)
渡航先 参加
人数
コース・学科・専攻
国際総合科学部 高橋 隆幸 タイ
(プーケット)
39
会計学
国際総合科学部 平松 尚子 フランス
(パリ、シャルトル)
8
共通教養
フランス文化論演習II
フランス語教養基礎II
国際総合科学部 松永 龍児 マレーシア
(サバ州、コタキナバル)
6
グローバル協力コース
海外調査実習(国際協力)
生命ナノシステム科学研究科 荻原 保成 アメリカ
(サンディエゴ)
4
生命環境システム科学特別演習
国際総合科学部 上村 雄彦 アメリカ
(ニューヨーク)
16
グローバル協力コース
海外調査実習B(国連)
国際総合科学部 靑 正澄 スウェーデン(ウプサラ)、
フィンランド(トゥルク)
9
地域政策コース
まちづくりII、IV、
卒論演習II

以下、発表の様子です。

国際総合科学部 会計学コース 高橋先生のグループ

ラチャバット大学を訪れ、会計学の講義に参加し、プレゼンテーションを行いました。プレゼンテーションの内容は、日本の税制、日本とタイのビジネス関係および、横浜市及び横浜市立大学の紹介です。プレゼンテーションでは、Noppadal Chanrawang経営科学部学部長に立ち会っていただき、タイの税制と比較しながら解説していただきました。今回、ゼミで海外フィールドワークに行くにあたり、フィールドワークを準備する段階での企画および訪問先のラチャバット大学との事前打ち合わせを学生全員で行うことができました。このことにより、学生に企画力を身に付ける機会となり、あわせて英語でのプレゼンテーションは、学生にとって良い刺激となったため、今後の英語学習へのモチベーションを向上させるきっかけとすることができました。

国際総合科学部 共通教養 フランス語コース 平松先生のグループ

パリ・ディドロ第7大学東洋言語文化学部の授業に参加し、現地で日本語を学ぶフランス人学生と討論をしたことが、学生たちにとっては貴重な体験となりました。学んでいるフランス語を実際に使う機会を得たこと、そしてフランス人学生たちとの意見や文化の相違を肌で感じられたことは代えがたい経験になりました。出発前には、参加者全員による事前研修を計8回行いました。主に昼休みを使っての研修であり、勉強会を兼ねたものでしたが、旅行参加のための基礎的な知識の共有と準備、危機管理研修、訪問地についての事前学習、大学の授業参加についての事前準備など、このような事前研修を十分に重ねたことで、今回のフィールドワークがより有意義なものになったと考えています。

国際総合科学部 グローバル協力コース 松永先生のグループ

今回は、学生自身が考え、自分達が実際に行いたい海外調査実習の構築を目指しました。自分達で事前準備もきちんと行い、発表原稿も準備してきていました。現地では、パームオイル生産による環境破壊について考察する一方、マングローブの植林も行い、環境保全の課題について学びました。実際の国際協力の現場や生物多様性・生態系保全協力の実態を目のあたりし、その難しさや可能性を学生達の視点で十分にとらえることができました。全員が出発前よりもたくましくなり、海外に興味を持つことができました。全員が体調管理に気をつけ、病気やけがをすることなく無事帰国できたことは幸いでした。さらに、学生が自主的に毎晩遅くまで討論を繰り返し、サバ大学における最終発表原稿を作成し、英語で素晴らしいプレゼンテーションを行うことができました。

大学院 生命ナノシステム科学研究科 生命環境システム科学専攻 荻原先生のグループ

横浜市と姉妹都市であるサンディエゴにあるカリフォルニア大学サンディエゴ分校(UCSD)の3研究機関を学生と訪問し、研究成果を発表すると共に、意見交換を行いました。UCSDは、世界でもトップクラスにランクされる総合大学であり、ノーベル賞受賞者も数多く出ています。医学研究で有名なサンフォードバーナム医学研究所、世界をリードするUCSD生物学部、スクリプス海洋研究所の教員、若手の研究者、大学院生に研究成果を英語で発表し、討論をしました。また、現地で展開する日系企業の2社の研究施設を訪問し、日本の研究施設との違いを学ぶとともに、現地での活動について意見交換を行いました。日系企業との面談では、責任者の方と直に意見交換することができ、現地での企業活動のやりがいと難しさについて生で話しを伺うことができ、貴重な体験となりました。UCSDの3研究機関とも今後、この活動を継続することが確認されました。毎年、大学院生を中心に活動を継続することが可能となったことは、今回のフィールドワークの大きな成果です。

国際総合科学部 グローバル協力コース 上村先生のグループ

海外調査実習B(国連)は、まず前年9月に地球規模課題解決と国連の役割に関する講義(英語)を受講することから始まりました。受講後、テーマごとに4つの班を作り、各班はそれぞれ決めたテーマの論文を英語で執筆。そのインタビューを行うために国連に赴きました。まず2日間かけて国連、国連日本政府代表部(山崎国連大使)のブリーフィングを受けて、国連や国際社会の動向の全体像をつかみつつ、3日目、4日目はグループごとに国連や政府の高官(アフガニスタン大使など)の方にインタビューを行いました(写真は安全保障理事会の班です)。5日目はフェアリーディキンソン大学において英語で研究発表を行いましたが、先方の大学関係者が感銘を受けられ、本学との提携の申し出がありました。さらに、同大学の教授が、後に潘基文・国連事務総長と面談する機会を得た際に、今回の交流プログラムの話をして下さり、学生たちの英語論文を手渡され、それに目を通された事務総長が嬉しそうに褒めたたえていたそうです。学生たちは「ハードだったけれども、国連で実際に働いている方々が自分たちの論文にコメントを下さったり、彼らの熱い情熱に触れることができ、とても刺激を受けモチベーションも向上した。本当に参加してよかった」との感想を話していました。

国際総合科学部 地域政策コース 靑先生のグループ

研究グループごとに、4月より英語によるプレゼンテーション準備と訪問先の事前学習を行いました。現地では、教育機関、行政機関、バイオガスプラントなどの施設を訪問し、環境先進国である北欧諸国の未利用エネルギー利用などの環境取組を学び、日本における廃棄物政策とバイオマス発電の将来性、環境教育の必要性について考察しました。4年間交流を続けているスウェーデンのウプサラ大学では、大学院のCEMUS(Center for Environment and Development Studies)を訪問し、研究発表や意見交換を行いました。フィンランドのオーボ大学では、大学と行政の連携について学び、各自の研究を再考する良い機会になりました。今回の研修では、数年間継続して実施してきたグループ研究(横浜グリーンバレー調査・日本の学校教育におけるESD調査)による研究成果を蓄積してきたことで、発表内容を充実させることができました。さらに、英語によるプレゼンテーション能力および学生とのディスカッション対応力を向上されることができました。9月にベトナムで行われるIACSC(International Academic Consortium for Sustainable City)に向けて、更に研究を進めていきます。

国際交流・留学