YCU Research Portal

YCU Research Portal

JST 2023年度「創発的研究支援事業」採択について
(生命医科学研究科 寺山 慧 准教授)

横浜市立大学 大学院 生命医科学研究科の寺山 慧 准教授の研究が、科学技術振興機構(JST)2023年度「創発的研究支援事業」新規研究課題に採択されました。

本事業は、既存の枠組みにとらわれない自由で挑戦的・融合的な多様な研究を、多様性と融合によって破壊的イノベーションにつなげることを目的として、大学等の研究機関において独立が見込まれる若手を中心とする研究者からの挑戦的で多様な研究構想を、研究者が研究に専念できる環境を確保しつつ原則7年間(最大10年間)にわたり長期的に支援します。全2,644件もの応募総数の中から、本学からは2件の研究課題が採択されました。
 

研究課題名

「分子の未来を創る: 汎用型機能分子設計AIシステムの開発」

研究概要

新規な機能性分子の設計は非常に困難で、長い時間と高いコストが伴います。本研究では、分子生成AIと量子化学シミュレーションの精緻な融合により、専門家でも難しかった電子状態の制御に挑戦し、望みの機能をもった分子を効率的に設計する手法開発に取り組みます。研究期間中に、創発内外の実験研究者と連携して新規機能性分子を創出するとともに、多くの方が利用可能な分子設計システムの開発を実施します。 

寺山 慧 准教授 プロフィール


<経歴>

2011年 京都大学総合人間学部卒業
2013年 京都大学大学院人間・環境学研究科共生人間学専攻修士課程修了
2016年 京都大学大学院人間・環境学研究科共生人間学専攻博士後期課程修了(博士(人間・環境学))
2016年〜2018年 東京大学大学院新領域創成科学研究科 特任研究員
2018年〜2020年 理化学研究所革新知能統合研究センター 特別研究員
2018年〜2020年 京都大学大学院医学研究科 特任助教
2020年〜 横浜市立大学理学部/大学院生命医科学研究科 准教授
2022年〜 東京工業大学元素戦略MDX研究センター 特定准教授

寺山 慧 准教授 コメント

採択率が10%を切る狭き門だったので、提案を評価していただき大変ありがたく思っております。採択されたのは、日頃から共同研究を行っている有機合成や計算化学分野の先生方のサポートのおかげです。ここで改めて感謝申し上げます。

本課題は、分子を設計可能な生成AIと量子力学に基づくシミュレーションにより、未知の機能性分子を自在に設計することを目指しています。これまでも学内外の多くの共同研究者と連携して、分子生成AIの開発とその実証に取り組んできました(プレスリリース参照)。今後、より複雑な量子化学シミュレーションと分子生成AIの連携により、専門家の想像を超えるような面白くて価値のある分子の設計を目指しています。本事業の長い支援期間を活かし、様々な研究者と有機的に連携しながら創発的な成果を出していきたいと思います。