かもめプロジェクト(遺贈を活用した研究プロジェクト)
「かもめプロジェクト」は附属病院の患者様からいただいた遺贈をもとに平成30年4月にスタートしました。「かもめプロジェクト」という名は、空に大きく羽ばたき、のびやかに飛翔する「かもめ」のように、本学の医学研究が発展することをイメージし、いつまでも記憶に残る愛称として名付けたものです。
本プロジェクトは「医療の研究・発展に寄与するために」というご遺志を踏まえ、難治性がんの代表である膵がんや脳腫瘍など、6つの研究プロジェクトを立ち上げ、疾患原因の解明、実際の治療法確立を目指しています。
本プロジェクトは「医療の研究・発展に寄与するために」というご遺志を踏まえ、難治性がんの代表である膵がんや脳腫瘍など、6つの研究プロジェクトを立ち上げ、疾患原因の解明、実際の治療法確立を目指しています。
研究成果のご報告
糖尿病に挑む! 糖尿病根本治療へ向けたヒト膵島を用いたトランスレーショナルリサーチ
白川 純
横浜市立大学医学部 内分泌・糖尿病内科学 助教(採択当時の役職)
群馬大学生体調節研究所 代謝疾患医科学分野 教授(令和4年3月時点)
横浜市立大学医学部 内分泌・糖尿病内科学 客員教授(令和4年3月時点)
難治性脳腫瘍に挑む! NF-kB経路を標的とした中枢神経原発悪性リンパ腫治療法開発に向けたトランスレーショナル研究
立石 健祐
横浜市立大学 医学部 脳神経外科学 助教(採択当時の役職)
横浜市立大学 医学部 脳神経外科学 診療講師(令和4年3月時点)
難治性下痢に挑む! 胆汁酸性下痢性/便秘症の新規診断法の開発および革新的治療法の開発
日暮 琢磨
横浜市立大学附属病院 内視鏡センター 助教(採択当時の役職)
横浜市立大学 医学部 肝胆膵消化器病学 講師(令和4年3月時点)
研究プロジェクト一覧
膵癌に挑む! 難治性がんの代表である膵癌の包括的理解と革新的治療法開発への挑戦 |
膵癌は極めて難治性で予後不良ながんの代表です。 膵癌細胞における遺伝子の変異・発現解析や3次元オルガノイド培養パネルを構築するとともに、癌病巣に集簇する免疫細胞の単一細胞トランスクリプトーム解析とエピゲノム解析を行い、癌細胞側の性状や宿主側の反応さらには臨床経過との関連性を理解し、膵癌病態の新たな仮説を構築し、治療に結び付けます。 |
脳心血管病克服による健康長寿向上に挑む! 高血圧-脳心血管病-腎臓病の病態連関の機序解明と新規治療開発を目指した研究 |
日本では健康長寿の延伸が大きな課題であり、中でも脳心血管病の抑制が重要と言われています。 受容体結合蛋白(ATRAP) について、 ① 受容体結合性機能選択的制御作用 ② 受容体結合に依存しない新規作用(腎臓線維化抑制作用、抗加齢制御作用) の2つの独自作用に着目しすることによって (1) 受容体結合因子 ATRAP の有する2つの独自作用による、高血圧-脳心血管病-腎臓病の病態連関基盤に対する改善作用の実証とまつわる分子機序の解明 (2)高血圧-脳心血管病-腎臓病の病態連関基盤に対する受容体結合因子 ATRAP 起点の新規制御戦略のための ATRAP 活性化因子の同定と ATRAP 活性化因子の有効性の検討 を行い、脳心血管病をもたらす病態連関の制御による健康長寿向上の実現をめざします。 |
血管の癌に挑む! 造血器腫瘍幹細胞のクローン進展・維持を支えるエピゲノム・代謝特性と周辺環境ネットワークの解明 |
造血器腫瘍は造血幹細胞(HSC)の遺伝子変異により発症する難治性悪性腫瘍です。 クローン造血から造血器腫瘍発症に至る分子メカニズムを ①DNA メチル化制御因子によるHSC機能制御 ②クローン増幅を支える環境因子 ③造血器腫瘍幹細胞の代謝制御 の3つの視点から明らかにし、造血器腫瘍発症に関わる代謝制御や環境制御の全容を解明し、新たな治療標的同定から画期的治療薬開発につなげることを目指します。 |
糖尿病に挑む! 糖尿病根本治療へ向けたヒト膵島を用いたトランスレーショナルリサーチ |
2型糖尿病患者では、膵β細胞の量が減少しており膵β細胞量の増加法開発が求められています。 動物モデル膵島、ヒト膵島、ヒト化動物モデルを用いて日本人の膵β細胞量調節機構に関する分子を同定し、その機序を明らかにすることによって、臨床に還元できる膵β細胞量に着目した糖尿病治療法開発を目指します。 |
難治性脳腫瘍に挑む! NF-kB経路を標的とした中枢神経原発悪性リンパ腫治療法開発に向けたトランスレーショナル研究 |
遺伝子異常に基づく標的治療法の確立と臨床応用を目指します。 中枢神経原発悪性リンパ腫 (PCNSL)に対し, 高頻度に認められるNF-kBの恒常的な活性化を誘導する分子を標的とした治療法の開発を目指します。 |
難治性下痢に挑む! 胆汁酸性下痢症の新規診断法の開発および陰イオン交換樹脂による革新的治療法の開発 |
種々の治療に対して抵抗性の難治性下痢と診断される患者さんのなかに胆汁酸性下痢という病態が多くいるのではと推測されていますが、診断法や治療がなく多くの患者さんが困っています。 そこで、これまで診断が難しかった本疾患を血液検査で簡便に診断する方法を確立させるとともに、本疾患患者に対し陰イオン交換樹脂を用いた臨床研究を実施し、治療法として確立させることを目指します。 |