令和5年度 「革新的先端研究開発支援事業(AMED-PRIME)」に採択
横浜市立大学大学院医学研究科 分子生物学 高橋秀尚教授の研究課題が、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の令和5年度革新的先端研究開発支援事業(AMED-PRIME)「ストレスへの応答と疾病発症に至るメカニズムの解明」研究開発領域(ストレス 研究開発領域)において採択されました。
■研究課題名:「ストレス応答性液滴*の構成因子同定法による新たな細胞ストレス応答機構の解明」
■研究期間: 令和5年10月1日から令和9年3月31日
■研究期間: 令和5年10月1日から令和9年3月31日
研究グループでは、これまでにストレス応答の転写において必須な役割を果たす、メディエーター複合体の機能解析を行ってきました。メディエーター複合体は様々なストレス刺激において、その応答に必要な遺伝子の転写を促進する機能を果たします。また最近、メディエーター複合体はストレス刺激の際に、必要な遺伝子領域で液滴を形成し、迅速な転写誘導を促進する役割を果たすことを明らかとしました。本研究では、ストレス誘因性疾患の発症機構を解明することを目標として、さらに研究を進めます。
(用語説明)
*液滴:液—液相分離(Liquid-liquid phase separation: LLPS)によって形成される正常な非膜構造体で、様々な細胞機能において重要な役割を果たすことが明らかとなってきた。特に、多くの遺伝子の転写が液滴によって制御され、正常な液滴の形成が破綻することが、がんや神経変性疾患など多くの疾患を引き起こす要因となることが明らかとなってきた。
(用語説明)
*液滴:液—液相分離(Liquid-liquid phase separation: LLPS)によって形成される正常な非膜構造体で、様々な細胞機能において重要な役割を果たすことが明らかとなってきた。特に、多くの遺伝子の転写が液滴によって制御され、正常な液滴の形成が破綻することが、がんや神経変性疾患など多くの疾患を引き起こす要因となることが明らかとなってきた。
高橋秀尚 教授のコメント
申請数141件のうち、採択が10件と非常に倍率が高かったので、評価いただき大変ありがたく思っています。本研究では「in situビオチン化による網羅的同定法」という画期的な手法を開発し、メディエーター複合体を中心としたストレス応答性の液滴の転写制御における新たな役割を解明します。基礎研究からこれまでに得られた多くの知見を基に、ストレス誘因性疾患のメカニズムを解明していくことで、研究成果を革新的な医薬品、医療技術などの創出に向けた先端的研究につなげ、本学における研究の機運をさらに高めていければと思っております。