医学部泌尿器科学 蓮見 壽史 准教授と 生命ナノシステム科学研究科 鈴木 凌 助教がGTIE GAPファンド エントリーコース第4回に採択されました
医学部泌尿器科学蓮見壽史准教授の研究テーマ「腎癌の層別化を補助するAI診断ソフト(SaMD)の開発と実用化」と生命ナノシステム科学研究科鈴木凌助教の研究テーマ「天然素材由来高性能炭素量子ドットの創製と実用化」が、科学技術振興機構(JST)「大学発新産業創出基金スタートアップ・エコシステム共創プログラム」採択プログラムの Greater Tokyo Innovation Ecosystem(GTIE)「GTIE GAPファンドエントリーコース第4回(2026年1期)」に採択されました。エントリーコースは、起業を目指すGTIEに参画する大学に所属する研究者等を支援する、初めのステップとなるGAPファンドです。
採択された研究テーマと研究代表者
腎癌の層別化を補助するAI診断ソフト(SaMD)の開発と実用化
医学部泌尿器科学 蓮見 壽史 准教授
腎癌は最新のWHO分類で21種類以上の組織型が定義される極めて多様な疾患であり、サブタイプ診断や治療方針の決定が難しい。既存のがんゲノムパネル検査では遺伝子変異が全く検出されない症例が多く、従来とは異なる診断支援法の開発が求められている。私達は最近、希少サブタイプを含む多数症例を、全ての遺伝子の発現パターンに基づいて再配置し、これに新規症例を加えると、発現が類似する過去症例の臨床情報を直接参照可能となることを見出した(Nat. Commun. 2025 Nov 24;16(1): 10340.)。本課題では、全国の泌尿器科医、腫瘍内科医、病理医、ゲノム研究者、AI医療の専門家らの力を結集させ、この技術をAI診断ソフトウエア(SaMD)として臨床実装し、薬物療法や外科治療の最適化を図るとともに、新薬を適切な患者に届けるコンパニオン診断(CDx)として広く提供する。さらに本技術は、腎癌以外の多くの癌種へ展開可能で、がん診療全体において、患者の身体的・経済的負担の軽減、治験成功率の向上、増大する医療費の抑制に寄与する。
天然素材由来高性能炭素量子ドットの創製と実用化
生命ナノシステム科学研究科 鈴木 凌 助教
近年、量子ドットは幅広い発光用途で利用が拡大している一方、重金属を含む従来材料は安全性や環境規制、廃棄コストなど多くの課題を抱えている。また、有機蛍光色素は光退色が早く、長期利用には適さない。このように、高効率・高安定性と環境調和性を兼ね備えた新規発光材料が求められている。本課題では、植物種子を代表とする天然素材を原料とした単一熱分解プロセスにより、低コストかつ環境負荷の小さい高性能炭素量子ドットを創製し、その実用化に向けた研究開発を行う。作製条件の最適化や光特性向上、スケールアップ検証を進め、産業応用に耐える性能と生産性を確立する。また、研究用試薬、蛍光インク・センサー材料、光学デバイス向け共同開発など複数の事業モデルを構築し、社会実装への道筋を明確にする。これらを通じて、天然素材由来の高性能炭素量子ドットを社会に供給し、持続可能な次世代発光材料市場の創出を目指す。