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第8回教育研究審議会

第8回教育研究審議会

議事録

日時:令和5年12月5日(火)16:10~17:30
開催形式:Zoom開催
中継拠点:金沢八景キャンパス 第一会議室
委員:相原学長、中條副学長、遠藤副学長(議長)、鈴木国際教養学部長、大澤国際商学部長、横山理学部長、山崎データサイエンス学部長、寺内医学部長、赤瀬医学部看護学科長、本多共通教養長、松本都市社会文化研究科長、白石国際マネジメント研究科長、佐藤生命ナノシステム科学研究科長、朴生命医科学研究科長、土屋データサイエンス研究科長、小川医学研究科長、榊原附属市民総合医療センター病院長、石川学術情報センター長 兼 研究・産学連携推進センター長、木下木原生物学研究所長、吉泉事務局長、小林学務・教務部長、渡邉研究推進部長、梶原東京工業大学生命理工学院長・教授、清水聖徳大学学長特別補佐・教授
欠席: 橘国際総合科学群長、中島医学群長 兼 先端医科学研究センター長、後藤附属病院長
オブザーバー:太田学長補佐(グローバル教育担当)

1前回議事録について
令和5年度第7回教育研究審議会の議事録について確認し、了承された。学術企画担当係長より、審議事項(1)「埼玉医科大学大学院医学研究科と横浜市立大学大学院医学研究科との間における特別研究学生交流協定書の締結」について、派遣される学生が学位取得見込みであること、その他(1)「学生の国際交流推進における課題についての意見交換」について、9月卒業の仕組みおよびファンクショナルGPAの導入について学内で検討していくことが補足された。

2審議事項
(1) 国際医療福祉大学との包括連携協定の締結について
企画財務担当係長より説明があり、審議の結果、承認された。以前より、三田や熱海の病院へ市大から医師を派遣するなどの協力関係があったため、今回改めて包括協定を締結することが補足された。

3報告事項
(1)2025(令和7)年度入試 医学部看護学科の入学者選抜方式追加について
アドミッション担当係長より、医学部看護学科一般選抜にB方式を導入することが報告された。本学ではA方式(5教科型)の受験生も、B方式(3教科型)に自動エントリーする方式を導入しており、B方式は「5教科型」の受験生と「難関私立大学の併願者」との選抜によって、共通テスト合格者平均点は上昇する見込みであり、他学部での実績を参考にすると、得点率は70~75%以上になると予想されると報告があった。(参考:国際教養学部A方式71.4%、B方式80.7%/国際商学部A方式70.3%、B方式79.1%)
本資料の「募集定員」の表記が、「募集人員」の誤りであることが、補足された。

(2)次世代研究者挑戦的研究プログラム(SPRING)事業の申請について
学術企画担当係長より、当事業に申請することが報告された。現在、1学年最大8人で1人当たり年間200万円の支援をしているが、新制度では1学年最大20人で1人当たり事務費を含めて290万円が支給されるとの補足説明があった。290万円の内訳は、250万円(研究奨励費220万円、研究費30万円)を学生への支援とし、残りの40万円をキャリアコンテンツ費に充てることを検討している旨、共有があった。現在、大学フェローシップ事業にて支援している学生の所属は、理系が特に多いが、全ての研究科に広がっていることが共有された。

(3)海外大学とのエラスムスプラス交流協定の更新について
国際交流担当係長より、スペインのマドリード・コンプルテンセ大学との交流協定の更新について、報告された。

4その他
(1)(継続案件)学生の国際交流推進における課題についての意見交換
今回は「1財政・推進基盤」「3留学生受け入れ」について意見交換を行った。グローバル推進課長より、本学の留学生受入概況について、報告された。

<本学の状況説明>
【太田学長補佐(グローバル教育担当)】
・英語科目を拡充したことにより、市大への留学生数は増加し、留学生の国籍も11か国から21か国に増え、バラエティーに富んできている。今後も、様々なテーマの英語科目の充実が重要であると考えている。また、市大生と留学生が交流を深められる環境を整備していく必要がある。

【国際教養学部 鈴木学部長】
・英語科目を増やす努力をしているが、日本人が学びたい科目と留学生が学びたい科目のニーズのバランスが取れているかが課題の一つである。
・領域横断型プログラム「YCUグローバル・スタディーズ・プログラム」は、英語で一定数の科目を学修すると修了認定されるプログラムであるが、国際教養学部では 認定数が減少傾向にある。現在、ワーキンググループを設置し、修了認定のあり方を含めて改善を図るよう検討している。
・教員が英語で提供できる科目と、留学生が学びたいニーズと異なる部分がある。留学生の学びたい科目のニーズを把握するため、グローバル推進課で情報があれば共有してほしい。
・日本人学生と留学生を交流させるための環境整備も必要である。

【国際商学部 大澤学部長】
・国際商学部が設置された当初から、英語で行う授業1科目の選択を必修、卒業要件として運用してきた。現在では、英語科目は31科目開講している。科目名の頭に「Japanese…」とついているものは、留学生向けの科目として開講している。特に、6月中旬に1週間開講している前期集中科目「サマープログラム(国際商)」は、海外からの留学生を積極的に受け入れるプログラムとし、在学生20名を選抜しソーシャルイノベーションのビジネスモデルについて留学生とグループディスカッションをするアクティブラーニング科目となっている。担当教員やグローバル推進室の職員の事前準備等の負担部分も考慮しつつ、効率的にニーズの高い短期的な受け入れ科目を増やしていくことを検討している。
・以前は、非常勤教員が英語科目を担当していたが、昨年度より新採用の専任教員が英語科目を担当するよう整備できている。
・今後も、今まで行っていることを地道に、グローバル推進室や他学部とも協力しながら進めていきたい。

<他大学の状況>
【梶原委員】
・市大の留学生の割合について教えてほしい
→在留資格「留学」以外の外国人学生も含めて4.3%(令和4年度)である。
・東京工業大学では、大学院生を含めた留学生の比率は18%である。学部では日本語の授業が中心であるが、大学院の授業の9割は、全部英語で行っているため、海外の学生が留学しやすい仕組みである。日本語や日本史を学ぶ留学生科目としている科目以外は、日本語と英語で科目を分けておらず、同じコンテンツで授業を実施している。大学卒業後にグローバルに活躍できる日本人学生を育成することが大学教育の一つであり、専門用語も日本語のみならず英語でも理解することが必要である。そのためには、同じコンテンツについて英語で授業をするのが良いと考えている。
・また、理工系の大学であるため、4年次より研究室に所属するが、日本人学生と留学生が同じ部屋で毎日過ごす等、強制的に交わる環境が整っている。授業を受講するだけでは、交流はあまり生まれない。市大も、日本人学生と留学生一緒に英語でゼミを頻繁に行う等、交流を深める機会をつくるとよいのではないか。
・東京工業大学の教員と留学生の比率について計算してみると、教員1人当たりおおよそ最低2名の留学生を受け持っている。
・どのくらいの期間で、留学生の比率を10%まで上げる予定で考えているか
→10年ほどかかると考えている。
・ある一定の人を集める際、大きな目標を設定してグラフ化すると、毎年数人増やすだけでは、目標達成できないということを経験から理解した。市大の留学生の比率4.3%を10%まで上げるには、大きな改革が必要であると感じる。
・教員人事について、応募者に必ず英語で授業をさせ、英語で授業ができない場合は採用していない。
→金沢八景キャンパスの多くの公募も、英語で授業ができることを必須としている。

【清水委員】
・山梨大学では、英語で授業をしている教員に、教員業績評価のポイントを付与している。
・ウクライナが侵攻された際、山梨大学のウクライナ出身の職員を通じて依頼があり、ウクライナの複数大学の理系学部中心の学生へ15回ほどの英語でのオンライン授業の動画を配信した。戦禍の中、500人のウクライナの学生が履修し、22人が単位を取って修了することができた。このように、オンデマンドも、英語での授業実施に活用できる。
・筑波大学では、バカロレア入試を導入し英語力を持った学生を入学させたこと、日本人学生と留学生の混住シェアハウスタイプの寮である「グローバルヴィレッジ」をキャンパス内に建て日常的に海外体験ができるようにしたこと、Campus-in-Campus(CiC)に取組むことにより、国際化を進めている。Campus-in-Campus(CIC)とは、協定を締結した海外のパートナー大学との間で相互にキャンパス機能を有し、学生や教職員が教育研究交流を行うことができる、例えば、CiC協定校との間で授業科目を共有できる「科目ジュークボックス」を開発・運用している取り組みである。また、ジョイントディグリーやダブルディグリーを組入れたプログラムを実施している。現在、筑波大学では、12校と協定を締結している。英語での授業実施や留学生が住む場所の提供は、国際化を進める上で、重要な要素になる。
・きめ細かい教育・研究が可能な少人数のゼミや卒業論文執筆は、日本が世界に誇れる高等教育の特長であり、留学生へのアピールにするとよい。
・昨年度の大学設置基準等の改正により、4年未満での卒業が可能となったため、対応した新たなプログラムを作ることを考えてもよいのではないか。
・世界ランキングの国際化の指標では、留学生の割合が学生数の2割を超えると一流大学と位置付けられる。また、タイでは、インターナショナルカレッジを大学内に設置する等国際化を進めており、国際力において日本を超えた。日本がますます世界から取り残されると、世界ランキングがさらに下がってしまう。市大には、留学生数の目標値を決めて、段階的に達成する取組を頑張ってほしい。
・今後、大学が生き残るためには、企画、広報、国際の部署の役割が非常に重要となる。特に、広報は、入試について中心に力を入れていたが、今後は、研究広報を充実させて取り組む必要がある。筑波大学では、URAを本部だけではなく各部局に設置し、研究力を高める役割を担って研究情報を活発化させている。それにより、海外との研究交流が深まり、学生の海外交流が活発になる。

<意見交換>
【理学部 横山学部長】
・東京工業大学と筑波大学は、留学生の支援センターが設置されており、留学生を受け入れる仕組みが整備されている。本学の理系の場合、研究室にメールで留学希望の問合せが送られてくるが、受け取った教員が留学生の住まい等の準備をする必要があると感じてしまい、負担が大きいため対応できず受け入れを断る場合もある。
・英語科目の拡充について、現状では、中国からの留学生も多く、日本語の学修を希望している。そこの受入をさらに確保することを考えてもよいのではないか。

【医学研究科 小川研究科長】
・国際商学部で行われている英語科目を担当している教員は、ネイティブ並みの英語力をもっているのか
→英語で授業ができる方に依頼しているが、ネイティブ並みというわけではない。自身の専門領域に関しては学会でも発表しているため、英語での授業を行うことに特に支障は無い。
・留学生を増やすための英語科目の環境整備について、専門分野においては英語で授業をすることは可能であり、今後増やすことができると考えている。

【遠藤副学長】
・留学生の支援センター設置について、学内で方向性を検討するのもよいのではないか。理学部長の意見のとおり、留学希望の海外学生からメールが送られてくるが、調査・面談等の対応を教員1人でできないこともあるのが実情である。

◆学長より以下のコメントがあった
皆様の活発な意見交換や、外部委員の先生方の貴重なご意見に感謝申し上げる。清水先生のお話にあった研究広報について、本学も研究の広報を多く出しているが、日本語中心である。タイトルだけでも英語で掲載すると、海外にアピールできるのではと以前より考えていた。また、海外の留学生や教員の受入について、学内の教職員が疲弊しない仕組みを作っていく必要がある。その議論をする場として、高等教育推進センターの教育開発部門のグローバル教育班を活用して進めていきたい。皆様の協力をお願いしたい。

以上
次回開催予定:令和6年2月6日(火)16:10~ Zoom開催(中継拠点:金沢八景ャンパス 第一会議室)

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