先端医科学研究センター先端医科学研究センター
search

第1期 平成20年度追加採択 研究開発プロジェクト

第1期 平成20年度追加採択 研究開発プロジェクト

戦略的中核プログラム「がんの制圧に向けた開発型研究」(がんの予防)

磁性体抗がん剤の開発

医学研究科 教授(循環制御医学)石川 義弘

tel045-787-2575

高齢者社会の到達を受けて、がん患者数の増加が社会問題となっています。がん治療の基本は外科的な切除ですが、手術不能例に対しては放射線療法や抗がん剤治療が選択となります。抗がん剤による治療では副作用が必発ですが、これは抗がん剤が正常組織にまで分布してしまうことに原因する場合が大半です。がん組織だけに抗がん剤が移行して、正常組織には行かないようにすれば、副作用が予防できます。
我々は磁性を用いて、磁性化させた抗がん剤を、体の外部からがん局所だけに行くように誘導して、副作用のない治療薬を開発しています。これは、株式会社IHIの物理学者と本学の医学研究者との異分野間共同研究事業の結果から生まれたプロジェクトです。

創造的プログラム「生活習慣病や免疫・アレルギー疾患等の克服に向けた開発型研究」(免疫アレルギー疾患の克服に向けて)

セマフォリンを用いたアレルギー疾患の有効な治療法の開発

医学研究科 教授(薬理学)五嶋 良郎

tel045-787-2595

ヒトは痒みを感じると掻破します。掻破という刺激は皮膚に分布する痒み神経の成長を促すので、皮膚内の神経量が増加します。すると、痒みに対して非常に敏感な状態になります。この「痒み過敏状態」は更なる掻破を引き起こすため、また皮膚の神経線維量が増える、という悪循環に陥ってしまいます。
そこで本グループは、神経の成長を阻害する働きを持つセマフォリン3A(Sema3A)とよばれる物質に注目しました。そしてこの物質をアトピー性皮膚炎マウスの皮膚へ投与することにより、皮膚炎が改善し掻破回数も低下するという画期的な発見をしました。
セマフォリン3Aの適用はアトピー性皮膚炎にとどまらず、その作用メカニズムからより広い免疫アレルギー疾患への適用の可能性が期待できると考えます。

施設および機能