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令和4年度学術院全体会開催報告

令和4年度学術院全体会開催報告

開催日

令和4年4月4日(月) 9:30~10:25

出席者数 

合計179名
※内訳
国際総合科学群:134名
医学群:45名

内容

1. 学長挨拶
2. 副学長挨拶
3. 学群長挨拶
4. 事務局長挨拶

本学の方向性や学術院の設置理念等への理解を深め、学術院への所属意識を高めるとともに円滑な運営に協力いただくため、4月4日(月)に令和4年度学術院全体会を開催いたしました。


令和4年度は、このような抱負のもと、学術院は活動してまいります。学術院の構成員である専任教員の皆さまのご理解、ご協力をいただけますよう、よろしくお願いいたします。

相原学長

相原学長挨拶

 学術院は全教員が所属する組織です。その大きな役割は、教員人事の有効活用、大学全体の将来構想策定、各学部・研究科の調整の3つです。すべての教員は国際総合科学群、医学群のいずれかに所属し、学群横断的な活動も含め多様な活動を行うことが基本スタンスとなっています。
 
 本学の運営における今年度の位置付けとして、中期計画では、第4期中期計画の策定年度にあたり、新しい社会ニーズにそった本学の発展について検討します。 学部では、国際総合科学系の3学部(国際教養学部、国際商学部、理学部)再編後の4年目となり、初めて卒業生を送り出す年であるため、令和5年度から始まる新しいカリキュラムに向けて準備を行います。研究科では、データサイエンス研究科データサイエンス専攻博士後期課程発足3年目となり、カリキュラムの再構築を実施します。医学部・附属病院では、再整備の基本計画の検討が本格化します。
 
 本学の目指す姿は、新たな社会の創造をリードし、社会に貢献する大学です。 横浜市立大学としての独自性と先進性を備えた教育・研究・地域貢献を推進していきます。
大学の基本方針は横浜から世界へ羽ばたく人材育成、知の創生・発信、知的・医療資源の還元です。国際性、創造性、倫理観を有する人材を育成し、世界水準の研究開発を行い、その成果の社会への還元を通して、地域や世界に貢献し、市民の誇りとなる存在価値の高い大学を目指します。
 
 教育においては、学生の多様性を尊重し、豊かな教養、高度の専門性およびデータサイエンス的素養を身につけさせ、学生が社会課題の解決にチャレンジする姿勢を応援します。教育の更なる質の向上のため、今年度より、将来的視野に立った新しい教育を推進する組織である高等教育推進センターを設置します。
 
 高い研究力は本学を支える力となり、本学の存在価値を高めます。既に強みとなっている分野の強化だけでなく、発展の見込める新たな分野の育成も重要です。若い教員の研究を応援し、持続可能な研究体制を積極的に構築していきます。
 
 大学の発展は、地域社会への貢献につながります。優秀な人材の集中と輩出、研究成果の還元に加え、大学が保持する教育・研究のネットワークによる行政や地域産業のグローバル化の推進が地域を活性化します。
 
 医療においては、横浜市内に複数ある中核病院の中で、唯一基礎研究を行う大学の附属病院としての価値は高く、基礎と臨床をむすびつけた最先端の医療を提供できる優位性を充分に活かすべきと考えます。
 
 本学は教育力と研究力を強化し、地域、さらには世界で活躍する学生や教員を育成し、産学官連携による地域プラットフォームの中心となる大学を目指しますので、ご協力よろしくお願いいたします。
中條副学長

中條副学長挨拶

相原学長体制での3年目を迎えた今年度の重点事項は3点です。いずれも過去2年間で培っていただいたスキルを深化・拡張するものと考えています。①教育分野ではLMSの習熟と効果的な運用、②研究では研究活動の成果の見える化、③学内業務では各種委員会の情報の教授会での共有です。以上3点を念頭におきながら、新たな社会の創造をリードする大学を目指しましょう。以下、それぞれについて説明を補足させていただきます。
 
1点目の「教育」については、「伝えるスキル、つなげるスキルの向上」をテーマに掲げ、令和2年度は遠隔授業のスキル獲得、令和3年度は遠隔でも学生同士や学生と地域・社会を繋げるスキルの獲得をお願いしました。令和4年度は、いよいよ運用が開始されるLMSの効果的活用についてのスキルを身につけていただきたいと思います。LMSを活用し、いかに学生とのつながりの質を高められるのかが課題です。 
効果的な活用方法については、高等教育推進センターにおいても研究を進めてまいります。また、みなさんからのご提案や情報共有もお待ちしていますので、ご協力お願いします。
 
2点目の「研究」では、「自己規律と国際社会への還元・実装」をテーマに掲げ、令和2年度は大学院生も含めた研究不正撲滅や業績の見える化、令和3年度は国際社会に還元・実装する意識と、自身の研究成果を学生教育に還元することを依頼しました。令和4年度は、これまでの取り組みに加え、研究活動や成果の公表を通じて、社会の目に耐えうる業績の発信をお願いします。
 
3点目の「学内業務」では、「DXによる組織力強化と全体最適」をテーマに掲げ、令和2年度は学部・研究科の企画力を高め、各学部・研究科長を中心とした規律ある組織の体制構築、令和3年度はDXの活用による業務の質改善・効率化を依頼しました。令和4年度は各種委員会での情報を確実に教授会で共有するとともに、ダイバーシティやインクルージョンの推進を意識して下さい。
 
さて、もう一つの重要な課題として、「アカハラ・パワハラ」があります。学生は教育すべき対象であることを忘れず、育てる意識を持って接してください。令和3年度のハラスメント相談の受付状況は、全キャンパスで30件余の相談がありました。教員が申立ての対象となっている件数が一番多いので、自分事と考えて行動して下さい。風通しの良い働きやすい職場環境や学びやすい学修環境を作っていきましょう。
 
それでは、今年度も本学のYCUミッションを基盤に据えて新たな社会の創造をリードする大学を目指しましょう。
橘国際総合科学群長

橘国際総合科学群長挨拶

国際総合科学群では、専門分野、年齢、経験を活かし効果的な人材配置を行い、リサーチマップを活用して研究教育の見える化を推進し、全体像が分かる形で組織を運営していきます。
 大学とは、研究をベースに教育、地域貢献、国際化、マネジメントが成り立つと考えています。
本学の科研費の採択率は、全国平均より若干良い結果であり、教員の皆様には頑張っていただきました。教員の年齢が若いほど採択率が非常に高いため、 若い教員の皆様は必ず科研費の応募を行い、採択を目指して研究基盤を作っていただきたいです。
 
教育では、今年度より開設された高等教育推進センターについて、いい形でスタートしたいと考えています。この教育センターが中心となり、データ思考・グローバルといった教育手法開発を実施します。「テーラーメード型学修支援プラットフォーム」であるYCU-Board(LMS)が、本格的に運用開始となり、効果的な運用を期待します。また、博士後期課程を対象とした大学院教育の強化となる「データ思考イノベーティブ人材フェローシップ事業」は、2027年まで継続します。博士後期課程は、学生数は少ないものの、大学の研究力として一番重要な部分であるため、博士後期課程までの教育システムの充実を図ります。
データサイエンス研究科ヘルスデータサイエンス専攻博士後期課程は、令和5年度から開設しますので準備をお願いします。
 
研究では、昨年度に引き続き、強みとなる研究分野の明確化と支援を行い、学長裁量費でもサポートします。多様な研究とは、基礎研究も含まれ、それを軽視することなく次の時代に対応できるよう充実させていきます。また、学内外連携研究を通して新しい芽が生まれることがよくあります。領域横断的研究においては、本学の大学規模が非常に有利に働くため推進していきます。
 
研究倫理教育は、非常に重要です。研究不正は過度な競争で周りが見えなくなることや、パワーハラスメントやアカデミックハラスメント等が原因となる場合も多くあります。風通しの良い研究室運営が一番重要です。各学部・研究科長のリーダーシップを発揮し対応してください。
e-APRINやJSTの研究公正ポータルサイトや昨年度も勧めた米国保健福祉省研究公正局作成の映像教材「THE LAB」を是非視聴してください。
 
地域貢献は、意識的に行うのではなく、大学の発展が地域社会の発展につながるとの認識で研究・教育を推進します。カーボンニュートラルコアリションへの参加、SDGsへの取り組み、リカレント教育、産官学連携等は非常に重要な貢献となります。
 
学内業務は、各学部・研究科長のリーダーシップによる組織運営体制の構築が重要です。各学部・研究科長に業務が一点集中することなく、効率的に分業体制を整えていくべきです。大学の方針をしっかりと教授会メンバーに正確に伝え、教授会のメンバーの意見を抽出するという体制を構築してください。
全教員による大学運営とは、多様な意見を取り入れ、より良い形で融和させ、大学の発展につなげることだと考えています。今年度もよろしくお願いします。
寺内医学群長

寺内医学群長挨拶

新型コロナウィルス感染症の世界的な感染拡大から2年余りが経ち、医学部は新型コロナウィルス感染症の拡大防止の最後の砦として附属2病院のみならず、横浜市内のワクチン接種対応や、コロナ専門病院への専門職の派遣等、社会環境の変化に対応してきました。また、新型コロナウィルス感染症関連の研究に関する継続的な発信、健康不安・経済的な困窮を抱える学生・教職員のケアも行ってきました。学生や教員の海外派遣は、令和4年2月より再開するなど、コロナに恐れるだけではなく、前向きに取り組んでいます。
 
その一方で、医師の働き方改革が求められおり、残業を抑えて効率的に業務を行う必要があります。国が主導する地域医療構想の中で、本学の役割を踏まえつつ、附属2病院で働く医師と様々な議論をしていくべきだと考えています。
 
学長より説明がありましたように、横浜市立大学として、独自性と先進性を備えた教育研究、地域貢献をしていく必要があります。
 
令和4年度の医学部の取組について、学生教育においては、国際的な視野を持ちデータ思考と豊かな教育を身に付け、社会課題の解決に貢献できる人材の育成が求められます。また、医学部医学科は令和5年度に医学教育分野別評価を受審するため、令和4年度から十分な準備を進めていきます。
 
基礎系教室の再編については、トランスレーショナルリサーチを推進し、基礎研究を次の段階に進める方法を考えていきます。
 
臨床系教室では、教室・診療部門の臓器別・機能別への再編成を推進します。従来の教室は、外から見える化が十分に出来ない教室内での運営に留まることが多かったように思いますが、実績を外から見える化することにより、教室活動を活性化していきます。
 
看護学科では、グローバル化に向けて、領域の再編・統合、研究活動の発展とブランド化、教育システム・カリキュラムの策定を行います。
 
先端医科学研究センターは、基礎研究と臨床を繋ぐ重要な役割を担っています。若手研究者の発展、学際的・先導的な研究の強化、異分野融合研究による多様な価値の統合的発展が可能な場として有効活用します。
 
次世代臨床研究センター(Y-NEXT)は、附属2病院が臨床研究をするための重要な役割を担っています。附属病院が臨床研究中核病院の申請に伴う実地調査を受けるため、その準備を確実に行い、全国で15番目の認定施設となることを目指しています。臨床研究中核病院には、適正な臨床研究支援が附属病院のみに留まらず、センター病院、さらには連携する地域の病院へも実施されることが求められます。その実現に向けて組織・人員体制を整えます。
 
若手研究者のリサーチマインド向上のため、関連病院を含めた博士学位取得率の講座間格差を是正し、埋もれている能力を発掘し、取得率を全体的に引き上げます。一つの方策として医学群研究奨励賞を設置する等、やる気のある若い教員たちのモチベーションを高めます。
 
現在、理事長及び学長主導の元、「医学部・病院等再整備(将来計画)『基本計画』に係る全体方針」が決定されました。さらに、将来計画の検討本部会議のもとに教育領域検討委員会、研究領域検討委員会、診療領域検討委員会が立ち上がり、月に1回以上のペースで定期的に議論しています。検討委員会の重要なポイントは、中堅や若手の教員が新しい場所でも活躍できるよう、自由に意見を述べ、大学医学部と附属病院のあるべき姿を熟考していただくことだと考えています。
 
医学部にとって医療人材が最も重要です。今までの常識が通用しない医療のパラダイムシフトが進み、さらには危機的な状況に対して迅速かつ適切に対応できる人材を育てるため、様々な大学入試の選抜方法から検討する必要があるでしょう。また、医師のみならず、多職種、学際連携ができる医療従事者の育成も重要です。
 
最後に、国際化を意識した大学づくりは、世界医学教育連盟の認証維持、双方向性の国際交流の確立、アジアのリーダーとしての役割について、私達が強く認識する必要があります。国際化は、学生時代から始まっています。学生時代から危機を意識しながら、国際感覚を有する人材の育成を今年も進めていきたいと考えています。
吉泉事務局長

吉泉事務局長挨拶

本学における令和4年度の重点取組みは、コンプライアンスガバナンスの強化、新型コロナウイルス感染症への対応、SDGs、ダイバーシティの一層の推進、様々な場面でのDX推進です。これらを重要共通の横断的な課題として位置づけています。
 
教育・研究では、ラーニングマネジメントシステム活用による「学修者本位の教育」の高度化及びDXの推進を図っていきます。 また、大学フェローシップ創設事業を通じたデータ思考について、イノベーティブな人材の育成及び博士後期課程学生の支援強化、学長裁量事業による強みの研究および学際的・融合的研究の積極的な推進を行います。
 
地域貢献分野では、みなとみらいサテライトキャンパスの一層の活用による社会人教育拠点及びイノベーション・スタートアップ支援事業を推進します。 
 
国際化では、可能な限り留学生の学修機会、学内交流確保に努めつつ、新型コロナ対応のノウハウを活かした様々な国際交流機会の確保を図ります。 
 
附属2病院では、遠隔医療体制支援センターの24時間365日稼働を実施し、「医師事務作業補助体制加算」の取得や、これらの取り組みを通じたタスクシフト、医師の負担軽減等による働き方改革を一層進めていくと共に産官学連携担当職員を配置していく等、臨床研究中核病院承認要件を満たす体制の維持・強化を図ります。 一方で、効率的な病床利用を進めると共に患者ニーズを踏まえた4床室の個室化、半個室化等を進め収益の向上にも力を入れます。 
 
法人経営では、 情報漏洩事案を風化させない個人情報保護の取組及び内部統制システム確立を図り、市と法人の一体的な検討による「医学部・附属2病院再整備基本計画(原案)」を作成します。今年の10月に市大病院150周年記念式典を開催予定で、多くの皆様にご参加いただける内容にしたいと考えています。
 
令和4年度は、第3期中期計画の最終年度であり、第4期中期計画を策定する年度です。現計画の総仕上げと共にそれを次期計画に発展的に移行させる大切な年となります。 令和4年度の年度計画・予算では、教育・研究・医療など、それぞれの計画に掲げた目標を確実に達成すると共にDXの推進や高等教育推進センターの設置など、中期計画に向けた取り組みも新しく盛り込んでいます。 第4期中期計画、そして大学創設100周年とその先を見据えて、大学・病院の特長をより一層伸ばし、地域に信頼される、地域の方々の誇りとなる大学として、更なる発展をみなさまと共に目指していきますので、ご協力をお願いします。

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