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令和3年度学術院全体会開催報告

令和3年度学術院全体会開催報告

開催日

令和3年4月2日(金) 9:30~10:20

出席者数 

合計187名
※内訳
国際総合科学群:122名
医学群:65名

内容

1. 学長挨拶
2. 副学長挨拶
3. 学群長挨拶
4. 事務局長挨拶

本学の方向性や学術院の設置理念等への理解を深め、学術院への所属意識を高めるとともに円滑な運営に協力いただくため、4月2日(金)に令和3年度学術院全体会を開催いたしました。


令和3年度は、このような抱負のもと、学術院は活動してまいります。学術院の構成員である専任教員の皆さまのご理解、ご協力をいただけますよう、よろしくお願いいたします。

相原学長挨拶

学術院は全教員が所属する組織です。その大きな役割は、教員人事の有効活用、大学全体の将来構想策定、各学部・研究科の調整の3つです。すべての教員は国際総合科学群、医学群のいずれかに所属し、各部署にて多様な働きを行うことが基本スタンスとなっています。

今年度のYCUは、激変するWith/Afterコロナ社会において、新たな社会の創造をリードする大学を目指し、教育・研究・医療分野をリードする役割を果たすことを使命とします。これまでとは異なる革新的な社会が到来し、激変する社会の中で選ばれる大学として存続するには社会潮流を読み、変化をチャンスと捉えて独自性と先進性を備えた教育や研究を発展させることが必要だと考えています。

大学運営における基本的な考え方は、個々の学生の個性を尊重し、持てる能力を最大限に引き出し、異なる価値観や多様性を理解できる教養と国際性を身につけた社会人として世に送り出すこと、また、大学を支える力である研究力を強化することです。研究力は教育力に繋がり、優秀な人材が集まることで大学は発展し、研究成果を社会に還元することで地域社会の発展に繋がります。これらはすべて地域貢献に繋がります。

教育については、ICT部門と協働によるDX(デジタルトランスフォーメーション、以下DX)・教学IRなどの教学マネジメントの推進や博士後期課程の学生を支援し、ヘルスデータサイエンス専攻博士後期課程設置にむけた準備に取り組みます。

研究においては、学術情報センター、ICT部門と協働し、研究・産学連携推進センターの機能を強化していきます。
また、7年後には大学創立100周年となるため、周年事業を加速していきます。本学が、「新たな社会の創造をリード」し、ブランドとなる時代を共に創るべく、ご協力をよろしくお願いいたします。

中條副学長挨拶

YCUミッションを基盤に、今年度も引き続き教育・研究、・組織力の向上を目指した取り組みを実行し、さらに深化させていただきたいと考えています。教育、研究、地域・社会貢献、学内業務を柱にしつつ、その先にあるものは、新たな社会の創造をリードする大学です。

教育では、昨年度の目標であった「伝えるスキル」の獲得から「つなげるスキル」の獲得にも注力いただきたいと思います。たとえ遠隔であっても、学生と学生、学生と社会等、様々な形で人と人を繋げていくことは、結果的に本学の成長となります。

研究では、更なる成長の余地がある国際社会への還元について考えてほしいと思います。国際的に研究発表を行うことに加え、最新の研究成果を学生の教育に還元して下さい。また、研究不正防止については昨年同様に着実に取り組み、社会の目に堪えられる「業績」の発信をお願いします。

学内業務では、学部長、研究科長を中心に、職員とも協働して業務の質改善・効率化を図って下さい。特に、業務フローを分析し、DX化の可能性を探索していくべきと思います。文部科学省事業でLMS導入のための資金助成を得ましたので、学生の主体的な学びを実現できるDXを推進し、先進的な取り組みを行う大学にしていきましょう。

また、アカハラ・パワハラと指導は異なり、学生は研究補助者ではなく、教育すべき対象者であり学修者ですので、愛情をもって教育してほしいと思います。令和2年度のハラスメント相談件数は22件で、前年度と比較して横ばいでしたが、ハラスメントの撲滅に向け、先生方も細心の注意を払ってください。

遠藤副学長挨拶

これからは、コロナと一緒に生きていく時代であり、医学群もそれを踏まえて今年度の取り組みを実行していかなければなりません。以下に課題ごとに述べさせていただきます。

医学部・病院等の再整備は、この2年で2病院の融合方法を検討するため、今年、医学部・附属2病院等再整備検討本部を立ち上げて方針を策定します。その下位組織に診療、教育、研究に関する各10名程度の3つの領域検討委員会を作る予定です。また、委員会のメンバーを年度前半に選定し、9月から全体のビジョン、本学の強み・今後力を入れる分野、ガバナンス強化策、組織・機構の在り方、学部・学科再編の方針というテーマに沿って本格的に討論を開始します。

附属2病院の経営基盤の強化については、Covid-19関連の補助金による『焼け太り』と言われない経営をしなければいけないと考えます。令和2年度は両病院とも同等金額の補助金があったにも関わらず、福浦病院では6.9億円の黒字、センター病院では0.5億円の黒字と大きな差がありました。この差の原因を分析し明らかにするために、2病院間でのZoom会議を頻繁に実施し、両病院の連携・機能分担を深めていきます。

100周年・附属病院150周年事業は、11月13日に記念式典を行う予定で、本学100周年に向けた一つのキックオフにしたいと考えています。寄付対象となる施設の案等は、倶進会と連携し検討します。昨年度の寄付実績は、1.8億円程度となる見込みです。

臨床研究中核病院申請は、承認された場合、維持の方策が重要になります。特に、教員のマンパワーが非常に重要ですが、案として、平成24年に開始した医学教育センター所属の教育ユニット教員を競争的、遊軍的ポストへの変更を考えています。また、基礎研究が得意な主任教授と臨床研究が得意な教授のマッチングを推進するという案もあります。

研究倫理の遵守は、学生にアンケートの結果、9割の学生は学修の重要性を認識していましたが、1割の学生は記憶にもないと回答しました。そのため、毎年倫理教育を実施する等、繰り返しが重要だと強調します。また、学域連携の推進に関連して、医学部等のスペース狭小問題も踏まえつつ、今後、新講座の開設も検討したいと考えます。

橘国際総合科学群長挨拶

研究あっての教育だと考え、With/Afterコロナに対応した新たな教育・研究の環境整備を効率的に実施します。

全体像としては、本学には様々な専門分野の教員がいる強みを活かし、地域貢献、研究力、教育力、グローバル化はResearchmapを活用し、適材適所の人材配置を実施していきたいと考えています。併せて、教育・研究はIRのデータに基づき、教員の皆様には様々な領域で活躍されることを期待しています。
また、DX推進の一環として「テーラーメード型学修支援プラットフォーム」という、学生主体の学修が可能なツールを導入しますので、コロナ禍においてますますデジタルの活用が加速することも鑑み、積極的に取り組みます。

本学は、暫く学部に焦点を置いた時代が続きましたが、文部科学省GPを契機とし、大学院の重点化にも力を入れていきます。全国的な問題として大学院の博士後期課程の入学者数が減っていますが、今後は〇合(まるごう)教員であれば少なくとも3年に1人位は博士課程学生の獲得指導する責務を負うような評価体制の整備も検討していきます。共通教養・学部専門教育では、国際総合科学部再編後3年目、データサイエンス学部の発足4年目、データサイエンス研究科の発足2年目となり、顕在化した課題については解決に向けて検討してください。

国際化に関しては、海外ネットワークの拡充は継続的に実施し、COILプログラム(オンラインを活用した国際教育)をさらに充実させていきます。オンラインでの国際交流は人数が制限されず、多くの学生が参加できる良い面があり、今後も積極的に推進してください。

研究に関しては、研究力の強化と新たな研究分野の創出に重点を置き、本学の強みとなる研究分野の明確化と支援、多様な基礎研究の推進と強化が必要です。これまで「選択と集中」の戦略で取り組みましたが、多様性とのバランスも重視します。加えて、データサイエンスは文系理系問わず今後も非常に重要な分野なので、全学的に推進していきます。
研究倫理は、責任ある研究活動の重要事項であり、研究不正の原因も概ね明らかになっています。対策として大学運営同様、風通しの良い研究室運営をすることが肝要だと思います。参考に米国保健福祉省研究公正局作成の映像教材「THE LAB」 を是非視聴してみてください。

大学の発展が地域社会の発展につながり、大学自身が地域に開かれたプラットフォーム的存在になるのが最善と考えます。学内業務に関しては、学部長や研究科長のリーダーシップのもと、迅速性と透明性を確保して、全教員が積極的に参加できる大学運営を目指してください。いい教育、いい研究のできる大学が全教員共通の目標と思います。多様な教員の考えを融合させ、大学を発展させていきましょう。

寺内医学群長挨拶

社会環境の変化は誰もが認めるところで、医療の立場からは新型コロナ感染症が拡大する中、病院が「最後の砦」としてどう機能するかを考える必要があります。本学の教授がコロナ関連でニュースに取り上げられ、市民・日本・世界のために活動しており、医学群としても支援する所存です。

同時に、医師の働き方改革と質の高い医療提供の両立も喫緊の課題であり、今後の大学附属病院の在り方が問われています。また、神奈川県内には、日本の過疎地域と同様、医師不足問題に直面している地域があります。神奈川県に立地する公立大学病院としてこの課題にも取り組んでいかねばなりません。併せて、健康不安や経済的困窮を抱える教職員・学生を見逃さずに対応する必要があります。

附属2病院統合の将来構想は、「基本計画」の策定は令和3年から5年にかけて行い、今年度は初年度です。現在、附属2病院合わせて1400床規模ですが、少しスケールダウンした上で効率的に診療を実施し、質は落とさないフラッグシップホスピタルを目指す構想があります。統合に向けて人材を強化する方策をはじめ、将来に向けた連携が極めて重要な課題です。

現在、臨床研究中核病院の申請を終え、今後の取り組みの準備・検討をしています。安心・安全の医療を提供でき、また、海外では使用可能な薬を日本でも使用可能にする先駆的な取り組みができる病院にしたいと考えています。その先にはゲノム医療を展開できるメディカルゲノムセンターの設立も視野に入れています。

研究面では、若手研究者が目の前の患者さんだけでなく、将来の患者さんを救う目的をもって研究を行うリサーチマインドを涵養し、まずは博士号を取得していただきたいと思います。講座間の格差をなくし、大学全体のレベルアップを図るとともに、研究者のポストをつくることも大事だと考えます。

With/Afterコロナ社会では、新たな社会をリードする大学にしていきます。教育・研究・医療分野でリードすることが、社会の発展に寄与し、大学のブランド化につながります。
市民の最後の砦として安心・安全な医療提供、医療のパラダイムシフト・危機的状況に対応できる医療人材の育成、男女平等、国際化を意識した大学づくりを目指していきます。

相原事務局長挨拶

横浜市立大学のさらなる発展に向けた本年度の重点取組の3本柱は、①継続的な大学改革への対応、②創立100周年に向けた取組、③コンプライアンス・働き方改革です。

①の継続的な大学改革への対応では、国際教養学部・国際商学部・理学部それぞれの学部について特長出しに向けた支援、データサイエンス研究科設置届け出について、横浜市会の議案や中期計画の議案として承認いただきたけるよう、取り組んでいきます。

また、高等教育無償化や、入試改革など、2020年度に予定されている国の制度変更への対応を進めます。

②創立100周年に向けた取り組みでは、創立100周年担当、基金担当と連携し、YCUビジョン100の重点事業や、記念事業の推進、寄付活動、募集活動を着実に行っていくことが大切だと考えています。特に寄付活動では外部アドバイザーを招聘して充実させます。 

③コンプライアンスや働き方改革の推進では、ハラスメント防止、個人情報保護、研究倫理・研究費不正防止、教職員の健康管理、超過勤務時間の縮減、計画的な有給取得などについても事務局一丸となって取り組んで行きますので、皆様のご協力の程、よろしくお願いいたします。
令和3年度は、このような抱負のもと、学術院は活動してまいります。学術院の構成員である専任教員の皆さまのご理解、ご協力をいただけますよう、よろしくお願いいたします。

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