地域がん診療連携拠点病院 (高度型)
横浜市立大学附属病院は、令和2年3月27日付けで厚生労働省より「地域がん診療連携拠点病院(高度型)」に指定されました。
がん診療連携拠点病院は、全国どこでも質の高いがん医療を提供できるよう、都道府県知事からの推薦に基づき、厚生労働大臣が指定した病院です。そのうち、地域がん診療連携拠点病院(高度型)は、診療機能等が高い医療機関として厚生労働大臣が適当と認めた病院で、がんの医療圏(神奈川県では2次医療圏と同一)毎に1カ所のみ指定されるものです。令和4年4月1日時点で、全国で55病院が指定されています。
【「地域がん診療連携拠点病院(高度型)」の指定要件(抜粋)】
・診療実績が当該医療圏において最も優れていること
・強度変調放射線療法や核医学治療等の高度な放射線治療を提供できること
・緩和ケアセンターに準じた緩和ケアの提供体制を整備していること
・医療に係る安全管理体制について第三者による評価を受けているか 等
地域がん診療連携拠点病院の役割
「地域がん診療連携拠点病院」に指定された病院の役割は、以下のとおりとなっています。
1 診療体制
(1)日本に多いがん(肺がん・胃がん・肝がん・大腸がん・乳がん)の治療
日本に多いがんについて、専門的な医療を行う医師や看護師が配置され、地域医療機関と連携して質の高いがん医療を提供します。
(2)セカンドオピニオン機能
※セカンドオピニオン:診断や治療方法について、主治医以外の第三者の医師が示す医療上の意見のこと
(3)緩和ケアの提供
(4)診療支援や他の医療機関との連携
(5)集学的治療の提供
手術・放射線治療および薬物療法を効果的に組み合わせた医療を提供します。
(6)専門的多職種による支援
各種専門チームと協力し、診療を行います。
2 相談支援体制
がん患者さんやご家族が治療を受ける上での不安や悩み、治療に伴う生活上の心配事などについてご相談をお受けするとともに、様々なサポート体制を整えています。
3 研修体制
医療水準向上のため、病院内や地域のかかりつけ医、医療従事者等に対する研修を実施します。
4 情報提供体制
がん患者やその家族、また地域の医療機関からのがん診療等に関する相談に対応するとともに、院内がん登録の実施、神奈川県が実施している「地域がん登録事業」に協力します。
5 院内がん登録
院内がん登録とは、院内で診断や治療を行った患者さんの、がんに関する情報を集めて、がん診療の内容を把握することです。これにより、当病院の特徴や問題点を明らかにすることができ、患者さんへの的確な情報の提供と治療の意思決定の支援ができると期待されています。
また、医療従事者にとっては、診療行為の科学的評価と、最善の診療方法の選択が可能になります。そして、その他の地域医療機関で情報が共有され、将来的には地域や医療機関に関係なく、誰もが最善のがん治療を受けられるようになります。
※収集した個人情報は、院内で適正に処理を行います。取扱いには最大限の注意を払い、がん登録の目的以外では利用しませんので、皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
6 PDCAサイクルの確保
自施設の診療機能や診療実績、地域連携に関する実績や活動状況の他、がん患者の療養生活の質について把握・評価し、課題認識を院内の関係者で共有した上で、組織的な改善策を講じています。