当科のご紹介
口腔がん、顎変形症、唾液腺疾患、口腔インプラント、顎骨や軟組織の良性腫瘍、顎顔面外傷、顎顔面領域の急性炎症、顎関節症、口腔粘膜疾患などの疾患の豊富な経験を有し、多岐にわたる口腔領域の疾患に対して、先進的な医療技術を駆使し、安全で高度な医療を提供することを目標として診療を行っています。
患者さんへ
口腔外科疾患に対し、手術を含めた治療を速やかに対応できる体制を完備しています。
対応疾患・診療内容の詳細
施設認定
- 日本口腔外科学会認定研修施設
- 日本口腔腫瘍学会口腔がん専門医制度指定研修施設
- 日本口腔科学会認定研修施設
- 日本顎変形症学会研修施設
- 日本顎顔面インプラント学会認定研修施設
- 日本口腔診断学会認定研修施設
診療実績
悪性腫瘍切除術 | 75 |
---|---|
動注カテーテル留置術 | 22 |
顎変形症手術 | 57 |
唾液腺疾患 | 354 |
悪性腫瘍切除術 | 65 |
---|---|
動注カテーテル留置術 | 8 |
顎変形症手術 | 61 |
唾液腺疾患 | 279 |
悪性腫瘍切除術 | 61 |
---|---|
動注カテーテル留置術 | 23 |
顎変形症手術 | 76 |
唾液腺疾患 | 443 |
術式 | 症例数 |
---|---|
悪性腫瘍切除(舌部分切除+SLNBを含む) | 27 |
悪性腫瘍切除術+頸部郭清術+再建術+気管切開術 | 10 |
悪性腫瘍切除術+頸部郭清術 | 1 |
頸部郭清術 | 6 |
動注カテーテル留置術(入れ替え術含む) | 29 |
顎変形症手術 | 122 |
顎骨内異物除去術(プレート除去術) | 57 |
顎下腺唾石摘出術(内視鏡支援下手術含む) | 328 |
内視鏡支援下耳下腺唾石摘出術 | 14 |
顎下腺摘出術 | 19 |
インプラント埋入術 | 1 |
下顎骨観血的整復固定術 | 6 |
良性腫瘍摘出術 | 8 |
埋伏智歯抜歯術 | 27 |
嚢胞摘出術(歯根端切除術を含む) | 27 |
その他 | 43 |
合計 | 725 |
外来患者数 | |||
---|---|---|---|
男 | 女 | 計 | |
新患 | 1329 | 1572 | 2901 |
周術期口腔機能管理 新患数 | 4823 | ||
総新患数 | 7744 |
表2 初診疾患別
初診疾患別 | |
---|---|
歯・歯周疾患 | 1512 |
感染・炎症性疾患 | 97 |
顎関節疾患 | 76 |
外傷 | 50 |
唾液腺疾患 | 595 |
口腔粘膜疾患 | 179 |
腫瘍・腫瘍類似疾患 | 163 |
嚢胞・嚢胞類似疾患 | 62 |
先天性・顔面変形 | 95 |
神経性疾患 | 6 |
インプラント | 6 |
その他 | 59 |
合計 | 2901 |
表3 初診疾患別の詳細
腫瘍・腫瘍類似疾患 | |||
---|---|---|---|
良性腫瘍 | 歯原性 | エナメル上皮腫 | 3 |
歯牙腫 | 1 | ||
歯原性角化囊胞 | 0 | ||
非歯原性 | 乳頭腫 | 1 | |
血管腫 | 8 | ||
脂肪腫 | 0 | ||
線維腫 | 3 | ||
その他良性腫瘍 | 47 | ||
小計 | 63 | ||
悪性腫瘍 | 上皮性 | 癌腫 | 96 |
非上皮性 | 肉腫 | 0 | |
悪性黒色腫 | 2 | ||
悪性リンパ腫 | 0 | ||
その他悪性腫瘍 | 2 | ||
小計 | 100 | ||
合計 | 163 |
癌腫(部位別) | 男 | 女 | 計 |
---|---|---|---|
舌 | 20 | 10 | 30 |
口底 | 4 | 2 | 6 |
頬粘膜 | 4 | 4 | 8 |
上顎歯肉 | 8 | 12 | 20 |
下顎歯肉 | 4 | 14 | 18 |
硬口蓋 | 0 | 1 | 1 |
口唇 | 0 | 0 | 0 |
唾液腺 | 2 | 0 | 2 |
中咽頭 | 2 | 1 | 3 |
上顎洞 | 0 | 0 | 0 |
上記以外 | 3 | 5 | 8 |
合計 | 43 | 53 | 96 |
歯・歯周疾患 | 感染・炎症疾患 | 顎関節疾患 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
歯周疾患 | 935 | 頬部膿瘍 | 0 | 顎関節症 | 63 | ||
う蝕 | 104 | 顎下膿瘍 | 2 | 顎関節脱臼 | 13 | ||
埋伏 | 203 | その他膿瘍 | 0 | 顎関節強直症 | 0 | ||
位置異常 | 3 | 顎骨骨膜炎 | 0 | 上記以外 | 0 | ||
上記以外 | 207 | 顎骨骨髄炎 | 46 | 合計 | 76 | ||
合計 | 1512 | 上顎洞炎 | 10 | ||||
上記以外 | 39 | ||||||
合計 | 97 |
外傷 | 唾液腺疾患 | 口腔粘膜疾患 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
歯槽骨骨折 | 2 | 顎下腺炎 | 19 | 白板症 | 23 | ||
上顎骨骨折 | 2 | 耳下腺炎 | 9 | 扁平苔癬 | 19 | ||
下顎骨骨折 | 13 | 唾石症 | 461 | 口腔乾燥症 | 4 | ||
上下顎骨折 | 2 | 顎下腺腫瘍 | 11 | 地図状舌 | 0 | ||
頬骨・頬骨弓骨折 | 0 | 耳下腺腫瘍 | 0 | 黒毛舌 | 2 | ||
歯牙脱臼 | 6 | Sjogren症候群 | 51 | 溝状舌 | 0 | ||
歯牙破折 | 0 | 上記以外 | 44 | 正中菱形舌炎 | 0 | ||
口腔外創傷 | 11 | 合計 | 595 | その他舌炎 | 2 | ||
口腔内創傷 | 7 | アフタ・口内炎 | 33 | ||||
上記以外 | 7 | ウイルス疾患 | 2 | ||||
合計 | 50 | 褥瘡性潰瘍 | 0 | ||||
カンジダ性疾患 | 17 | ||||||
天疱瘡 | 4 | ||||||
上記以外 | 73 | ||||||
合計 | 179 |
嚢胞・嚢胞類似疾患 | 先天性・顔面変形 | 神経性疾患 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
歯原性嚢胞 | 35 | 顎変形症 | 88 | 三叉神経痛 | 2 | ||
鼻口蓋管嚢胞 | 1 | 小帯異常 | 3 | 舌神経麻痺 | 1 | ||
上顎嚢胞 | 6 | 上記以外 | 5 | 非定型顔面痛 | 0 | ||
静止性骨空洞 | 0 | 合計 | 95 | 上記以外 | 3 | ||
粘液嚢胞・ガマ腫 | 12 | 合計 | 6 | ||||
上記以外 | 8 | ||||||
合計 | 37 |
その他の症例 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
睡眠時無呼吸症候群 | 9 | ||||||
舌痛症 | 24 | ||||||
口腔心身症 | 1 | ||||||
味覚障害 | 3 | ||||||
義歯関連 | 9 | ||||||
Quincke浮腫 | 1 | ||||||
嚥下障害 | 1 | ||||||
上記以外 | 11 | ||||||
合計 | 59 |
表4 入院患者数
入院患者数 | |||
---|---|---|---|
男 | 女 | 合計 | |
入院患者数 | 264 | 513 | 777 |
表5 手術症例
術式 | 症例数 |
---|---|
嚢胞摘出 | 17 |
(うち歯根端切除術を含む) | 4 |
上顎骨・頬骨観血的整復固定 | 0 |
下顎骨観血的整復固定 | 4 |
顎変形症手術 | 112 |
埋伏智歯抜歯 | 29 |
多数歯抜歯 | 4 |
良性腫瘍切除 | 6 |
悪性腫瘍切除 | 34 |
(うち舌部分切除+SLNBを含む) | 16 |
悪性腫瘍切除+頸部郭清 | 2 |
気管切開+悪性腫瘍切除+頸部郭清+再建 | 13 |
頸部郭清 | 4 |
動注カテーテル留置 | 20 |
(うち入れ替え) | 5 |
動注カテーテル抜去 | 13 |
インプラント埋入 | 1 |
骨隆起除去 | 1 |
顎下腺摘出 | 22 |
(うち内視鏡支援下) | 0 |
顎下腺唾石摘出 | 323 |
(うち内視鏡支援下) | 15 |
上顎洞根治術 | 0 |
耳下腺唾石摘出 | 9 |
(うち内視鏡支援下) | 9 |
気管切開 | 3 |
腐骨除去 | 4 |
上顎過剰歯抜歯 | 0 |
ガマ腫 | 20 |
プレート除去 | 99 |
その他 | 4 |
合計 | 793 |
主な対応疾患と診療内容
口腔がん
手術
口腔がんは、癌の発生部位、大きさ、病理組織型、転移の有無などにより治療法が決定されます。切除可能な口腔癌標準治療は手術です。早期癌であれば手術単独での治療となりますが、進行癌になると原発巣の切除に加えて頸部郭清術、患者さんの身体の一部(前腕、腹部、大腿部、腓骨)から採取した組織を欠損部に移植する手術(再建術)を形成外科と合同で行います。
根治的臓器温存療法
手術を希望しない進行口腔癌の患者さんに対して根治的臓器温存治療としてこの治療を行っています。この方法は浅側頭動脈あるいは後頭動脈から口腔癌の栄養動脈である舌動脈、顔面動脈、顎動脈にカテーテルを留置して抗がん剤を注入する動注化学療法と放射線治療を併用することによって原発である口腔癌の治癒を目指す方法です。
センチネルリンパ節生検
頸部リンパ節転移を伴わない口腔癌では、舌などの原発巣の切除のみが行われ,その後経過観察されることが多いですが,20~30%程度の確率で頸部リンパ節への転移が生じるとされています。センチネルリンパ節とは悪性腫瘍から最初に流れるリンパ節であり,このリンパ節を同定し、生検することでリンパ節転移の有無が診断できます。
温熱療法(ハイパーサーミア)
頸部の多発リンパ節転移、節外浸潤を伴う場合には、放射線治療/化学放射線療法に温熱療法(ハイパーサーミア)を併用することがあります。
顎変形症
顎変形症手術(Le Fort I型骨切りや下顎枝矢状分割術など)
顎の変形(受け口、出っ歯、顎の曲がり)に対する外科的矯正治療を行っています。術前に撮影したCTから3Dでシミュレーションすることで最適な骨の移動や良好な顔貌の予測が可能となり、患者さんの満足度の高い手術を行っています。また、術後は顎間固定を行わずゴム牽引のみのため、早期から食事の摂取が可能で入院期間も1週間程度です。
唾液腺疾患
低侵襲手術(唾石摘出術や顎下腺摘出術など)
最先端の医療技術である内視鏡(支援)下手術の導入により、患者さんの多様なニーズ(外来手術、短期入院、皮膚を切らない、皮膚の切開を最小にするなど)に応える低侵襲の手術を行っています。日本全国、さらには海外からも低侵襲術を受けるために受診されています。
口腔インプラント
歯を失った場所を補うためには、入れ歯(義歯)、ブリッジ、インプラントという3種類の方法があります。入れ歯は着脱が必要です。ブリッジは両隣の歯を削る必要があります。インプラントは着脱が不要で、両隣の歯を削る必要もありません。ネジのような形をした人工歯根(インプラント)を骨に埋め込み、その上に人工歯を装着して歯を補う治療がインプラント治療です。
矯正歯科治療
機能的な問題が生じて咬めない、もしくは歯並びが悪い(出っ歯、受け口、開咬、歯のでこぼこなど)ことにより審美的な改善を希望される患者さんに対して自費診療での矯正治療を行っています。治療を行う上で、補助的に固定用インプラントを用いた治療や、軽度な症例では目立たないマウスピースを用いた矯正治療なども行っており、また抜歯の必要性の有無や治療期間などを可能な限り患者さんの希望に応え満足のいく治療を提供しています。
周術期口腔機能管理
当科では、全身麻酔を受ける患者さんに対して口腔内チェック(スクリーニング)を行い、入院中の口腔機能管理を行っています。また放射線治療や化学療法などのがん治療に際しても口腔機能管理を実施しています。