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診療科・部門案内

呼吸器外科

当科のご紹介

当院呼吸器外科は呼吸器内科と密接に連携し、様々な胸部疾患に対して最適な診断と治療を提供しております。経験豊富で高い技術を有する呼吸器外科専門医が複数在籍し、質の高い手術および術後管理を行っており、術後合併症も低率です。根治性と肺機能温存を両立させる区域切除や、局所進行癌に対する気管支形成・肺動脈形成術などの高い技術を要する手術も日常的に行っております。また、総合病院のメリットを活かし、高齢者とくに80歳以上の肺癌患者さんに対する手術も安全に行っています。当院での肺癌に対する肺葉切除の最高齢は89歳、肺区域切除の最高齢は93歳で、どちらも術後経過は良好でした。さらに、肺癌など悪性疾患では、手術待機時間を短くするよう努力しており、目安は当科初診から手術まで約3週間~1ヶ月半です。

患者さんへ

当院呼吸器外科は呼吸器内科と密接に連携し、様々な胸部疾患に対して最適な診断と治療を提供しております。経験豊富で高い技術を有する呼吸器外科専門医が複数在籍し、質の高い手術および術後管理を行っており、術後合併症も低率です。早期肺癌に対する低侵襲手術(胸腔鏡下手術、ロボット支援下手術)以外にも局所進行肺癌に対する手術、いわゆる「拡大手術」を得意としており他院では肺全摘(右または左の肺をすべて切除する手術)が必要と言われた症例でも高度な技術を生かして腫瘍に巻き込まれていない部分の肺を温存する手術(気管支形成術、肺動脈形成術)を行っております。加えて、心臓血管外科や整形外科などとも連携し心臓の一部に浸潤した肺癌や脊椎・肋骨に浸潤した肺癌などに対しても根治を目指した手術(周囲臓器合併切除)を積極的に行っております。
他院で手術困難と言われた方、また肺全摘が必要と言われた方も大学病院の高度な技術を生かすことで肺を極力温存した根治手術が可能かもしれませんのでご相談ください。

対応疾患・診療内容の詳細

重症筋無力症とは、神経筋接合部という神経と筋肉のつなぎ目が自分の免疫で破壊されてしまうことで起こる病気で、筋力の低下(特に夕方)や疲れやすさなどの症状が現れます。特徴的な症状は眼瞼下垂(どうしてもまぶたが下がってしまう症状)や複視(ものが二重に見える症状)、手足の筋力低下などがありこれらが朝に比べて夕方にひどくなることが特徴です。主に脳神経内科で治療する疾患ですが、病型と胸腺腫の程度により手術(胸腺摘除)が必要となることがあります。
当科では脳神経内科と連携して最適な治療を提供します。他院では胸骨正中切開により拡大胸腺全摘が行われることが多いですが、当院では極力、胸骨を切らずに傷の小さい胸腔鏡手術あるいはロボット支援下手術で行っております。
通常は手術前日に入院、術後は脳神経内科での治療継続の有無により退院日が決まります。

悪性胸膜中皮腫は、胸壁の内側や肺の表面をおおう膜(胸膜)から発生する悪性腫瘍で、そのほとんどがアスベスト(石綿)を吸い込んだことが発生の原因となっています。ただし、アスベストを吸い込んだ方が必ず発症するわけではありません。また、アスベストを吸い込んでから発症するまでの期間が30~40年と非常に長いことが特徴です。
胸の痛みや咳など症状でレントゲンを撮影した際に、胸に水が溜まっている(胸水)ことを指摘されて発見されるのが一般的です。しかしその診断は難しく、多くの患者さんで最終的には胸壁の内側の壁の一部を採取し(胸膜生検)、顕微鏡検査での診断を要します。また、発見されたときにはすでに進行しており、ほとんどが手術治療の適応とならないことも特徴の1つです。
当院では呼吸器内科と連携し、診断のための胸腔鏡下胸膜生検や、極早期で発見された上皮型悪性胸膜中皮腫に対する集学的治療の一環である根治手術(胸膜全切除術・胸膜肺全摘術)を行っております。
通常は手術前日に入院、診断のための生検は術後2~3日間で、治療のための手術は術後10~20日で退院となります。

胸壁の内側や肺の表面をおおう膜を胸膜と言いますが、そこから発生する腫瘍を胸膜腫瘍、この胸膜(特に肺側の胸膜)に穴があいて空気が漏れる病気を気胸と言います。
気胸の原因は様々で、若年の高身長・やせ形の男性に多い特発性自然気胸から、肺気腫や間質性肺炎など、もともとの肺の脆さが原因で発生する続発性気胸、さらに中年期の女性に多い、月経周期と連動して発生する月経随伴性気胸など多岐にわたります。
当院ではいずれの原因の気胸に対しても対応可能であり、初発で軽度の気胸であれば保存的治療を、再発や高度な気胸など手術を要する方には胸腔鏡下手術を行っております。
特に若年者の特発性自然気胸に対しては1つの傷で胸腔鏡下手術を行う『Uniport VATS』も可能ですのでご希望あればご相談ください。
突然発症し緊急入院となることが多いため入院期間はまちまちですが、胸腔鏡下手術後は問題なければ術後2~3日で退院となります。

診療実績

  2019 2020 2021 2022 2023
良性肺腫瘍 3 5 14 8 5
原発性肺悪性腫瘍 肺癌(2-A) 胸腔鏡下 45 53 44 47 39
ロボット   14 37 29 29
開胸 15 8 24 13 17
その他(2-B,C,D) 2 0 0 0 3
転移性肺腫瘍 胸腔鏡下 31 25 19 23 27
ロボット   1 8 2 3
開胸 4 3 7 4 2
気管腫瘍 0 0 0 0 0
胸膜腫瘍 5 1 3 0 3
胸壁腫瘍 0 0 1 2 3
縦隔腫瘍 18 20 9 13 21
重症筋無力症に対する胸腺摘除術 3 0 1 0 1
非腫瘍性良性疾患 膿胸(9-B) 8 6 17 1 11
嚢胞性肺疾患(9-D) 0 0 1 0 0
自然気胸(9-E) 6 10 7 8 5
胸部外傷(9-H) 0 0 0 0 0
その他(9.の中から上記4つ以外) 0 0 1 0 8
その他 縦隔鏡 1 4 0 0 1
胸腔鏡下/開胸生検 14 6 7 16 18
その他 3 5 0 5 0
合計 158 161 200 171 196

関連情報

施設認定

対応疾患・診療内容の詳細