当科のご紹介
多岐にわたる専門領域を備えた大学病院の特性を生かし、疾患、病状に応じて必要な場合は関連診療科や各種医療スタッフと連携して診療を行います。
患者さんへ
乳癌診療においてはチーム医療が重要とされていますが、各科の専門医や看護師、薬剤師、検査技師、リハビリテーション部、遺伝子診療科などでチームを形成し、それぞれの患者さんに最も適した治療を実践しています。
また、甲状腺・副甲状腺診療においても、大学の特性を生かして各科と連携しながら、バセドウ病や機能性甲状腺結節、副甲状腺機能亢進症などの良性疾患の治療に取り組んでいるほか、甲状腺・副甲状腺癌に対しては手術を中心に、アイソトープ治療(放射線治療)や分子標的治療を含めた総合的な治療に取り組んでいます。
主な対応疾患
画像診断、病理学的診断を行い、外科治療(手術)、薬物療法、放射線療法を行います。外科治療は病変の広がりによって乳房温存手術、乳房全摘術を選択します。また、腋窩リンパ節転移の有無によってセンチネルリンパ節生検、または腋窩リンパ節郭清を行います。病期、サブタイプに応じて術前後に薬物療法、放射線療法を組み合わせて行います。
画像診断、病理学的診断を行い、良性腫瘍であっても明らかな増大がある場合には腫瘍摘出術を行います。大きさによって局所麻酔または全身麻酔で行います。
画像診断、病理学的診断を行い、外科治(手術)を行います。早期の甲状腺癌であれば甲状腺を半分切除する葉切除術、進行甲状腺癌もしくは多発する癌の場合には全部切除する全摘術が適応となります。また癌の進行度に応じてリンパ節郭清術を行います。病期に応じてアイソトープ治療や分子標的治療を行います。
画像診断、病理学的診断を行い、良性腫瘍であっても明らかな増大がある場合、自覚症状がある場合には甲状腺の葉切除または全切除を行います。腫瘍の大きさが5cm以下であれば内視鏡下甲状腺切除術が可能となることもあります。
副甲状腺の機能が過剰となり、高カルシウム血症とそれに伴う骨粗鬆症、尿路結石などの原因になります。画像検査で原因となる副甲状腺を診断し、手術で腫大した副甲状腺を摘出します。
主な検査・設備機器
超音波で病変の位置を確認しながら、採血と同じ針を刺して注射器で細胞を吸引し、良性・悪性の診断をつけます。乳房や甲状腺の腫瘤に対して、またリンパ節の転移診断などのために行いますが、良悪性の鑑別が難しい場合もあります。
超音波で病変の位置を確認し、局所麻酔を行って細胞診で使うものよりも太い針を使って腫瘍の一部の組織を採取します。病変に応じて、針生検、吸引組織生検(マンモトーム生検)を使い分けます。細胞診よりも取れる組織の量が多いため診断がつきやすくなるものの、針が太くなるため局所麻酔を行い検査します。また組織診でも診断が難しい場合には、診断目的の手術を行うことがあります。
施設認定
- 日本乳癌学会認定施設
- 日本内分泌外科学会専門医制度認定施設
診療実績
2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | |||
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総件数 | 82 | 113 | 140 | 164 | 174 | ||
乳腺 | 悪性 | 乳房温存 | 12 | 23 | 23 | 24 | 19 |
乳房切除 | 19 | 23 | 28 | 37 | 39 | ||
乳房切除 +再建 |
1 | 1 | 3 | 1 | 6 | ||
その他 | 0 | 2 | 2 | 1 | 3 | ||
良性 | 6 | 6 | 6 | 2 | 8 | ||
甲状腺 | 悪性 | 全摘 | 5 | 5 | 19 | 25 | 31 |
片葉切除 | 8 (1) | 15 (4) | 23 | 30 (4) | 26 (2) | ||
その他 | 4 | 5 | 2 | 8 | 4 | ||
良性 | 腫瘍 | 17 (1) | 26 (7) | 12 (1) | 12 | 16 (8) | |
バセドウ病 | 5 | 1 | 7 | 9 | 11 | ||
その他 | 0 | 0 | 1 | 1 | 2 | ||
副甲状腺 | 5 | 6 | 14 | 14 | 9 |
* ()内は内視鏡手術