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「SDGs目標12」の解決を視野に入れた 横浜市立大学の「循環型食の協働プロジェクト(食のサイクル活動)」について

1.コロナ禍で厳しい生活を送る学生の急増に向けた「食の支援」



 横浜市立大学では2021年度、コロナ禍による生活費を賄うアルバイト収入の減少や、保護者の経済状況の悪化により必要な仕送りが得られないなど、厳しい生活を送っている本学学生を対象に、食品を届ける「食の支援」を継続的に実施しています。
 対象となるのは以下の条件を満たした学生で、自己申告の事前登録制としています。

<対象学生>

  • 直近の配付日時点で横浜市立大学の学生であること。
  • 自宅外通学や、ひとり親世帯など、現在保護者の支援が十分に受けられない学生であること。
  • アルバイト等の減収により、生活費を切り詰めていること。

 この「食の支援」は、公益社団法人フードバンクかながわ(以下「フードバンクかながわ」という。)、社会福祉法人金沢区社会福祉協議会、金沢区役所などをはじめ、企業や地域の方々などからのご支援をはじめ「新型コロナウィルス緊急対策基金」を利用して実施しており、参加した学生からは、

「コロナ禍で生活困窮者が増えている中、こうした支援をしていただけることを大変ありがたく思います。今回いただいた食材が手元に来るまでどれだけ多くの人が関わっているのか考えながらいただきたいと思います」

「とっても助かりました。感謝します。しばらくはバランスの良い食事ができます」


といった声が寄せられています。

2.支援団体「フードバンクかながわ」との連携で見えた現実

  その一方でフードバンクかながわと連携する中、私たちは「フードロス」の問題も目の当たりにすることとなりました。食品を必要とする学生も多くいますが、一方で、まだ食べられるのにも関わらず、捨てられてしまう食品がこんなにあるという現実を知りました。食品を必要とする人々にはありがたいことではあるのですが、フードバンクかながわに、日々これほど多くの食品が届けられているということは、余った食品の処分に困っている企業がこんなにも多くあるという事実の裏返しです。

  今や日本では、まだ食べられるのに捨てられている食品(=フードロス)は年間600万トンもあり(国民一人当たりにすると一日にお茶碗1杯のごはん)、その廃棄のために多額のコストをかけ、焼却によって多くのCO2を排出していると言われています。
  「フードロス」については、SDGsでも、目標12「つくる責任とつかう責任」で、「2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品ロスを減少させる」と書かれており、私たちが真剣に取り組まなければいけない課題でもあります。 

3.「フードバンクかながわ」における諸作業に学生ボランティアの力を!

 そこで、横浜市立大学ボランティア支援室では、この食の循環を少しでもスムーズに回して「フードロス」を減らすこと(=SDGs目標12の解決に貢献すること)を目標として、フードバンクかながわにおける積極的なボランティア活動を学生に呼びかけています。集まった食品の仕分け作業等を学生ボランティアが手伝うことで、少しでもスタッフの方々の負担を減らすためです。ありがたいことに、呼び掛け開始早々から、多くの学生が活動に参加してくれています。

   それと同時に、「食の支援」を受ける学生に向けて「支援を受けること自体がフードロス削減の一つの解決方法になる」ということも伝え、情報を発信していきます。

  「食の支援」の活動に関しては、SDGsでも目標1「貧困をなくそう」、目標2「飢餓をゼロに」、目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」などにも関連しています。

4.「食のサイクル活動」で協働する学内の団体

◆ボランティア支援室学生スタッフVolunch食の支援グループ

「過剰除去削減のための啓発活動」

 日本で、まだ食べられるにも関わらずに捨てられている年間約600万トンの食品のうち、家庭から発生する食品ロスは約280万トンあるそうです。その原因は「直接廃棄」「食べ残し」「過剰除去」の3つです。「直接廃棄」や「食べ残し」は食品ロスとしての意識を持ちやすいのですが、「過剰除去」については言葉の意味を理解している人も少なく、かつ食品ロスとしての意識を持っていない人が多いのではないでしょうか。
 そこで「過剰除去」について多くの人に知ってもらい、各自の行動変容を促すことにより食品ロスを減らせないかと考えました。具体的には、①食品ロスの現状を知ってもらう ②「過剰除去」という言葉を知ってもらう ③食品ロス、特に過剰除去に意識を向けてもらう ④食品ロス削減を心掛けた行動をしてもらう、の以上を目標に活動しています。

【過剰除去削減レシピの提案】
 令和3年11月22日(月)~12月13日(月)の毎週月曜日に、過剰除去削減レシピや、食品ロスに関する情報をVolunchのインスタグラムTwitterに投稿しました。また、SNSを利用していない横市生にも見てもらえるよう、学食のパーテーションにもレシピを貼り、過剰除去削減のための啓発活動を行いました。

 

【金沢八景駅前フードドライブ】
 令和3年12月19日(日)と26日(日)の13:00~15:00に、金沢八景駅シーサイドライン高架下で地域の方々に呼びかけてフードドライブを行い、集まった食品はフードバンクかながわに寄贈します。また、チラシ配布によって、地域の方々にもVolunchのSNSで過剰除去に関する情報を発信していることを知っていただきます。

◆Table for Two 市大支部

 Table for Two市大支部は、令和3年10月25日(月)~28日(木)の4日間、金沢八景キャンパスYCUスクエア1階でフードドライブを実施し、集まった食品はフードバンクかながわに寄贈しました。今後も継続的に開催の予定です。

 今後も、継続的な「食の支援」を行いながら、「フードロス」問題にも向き合い、この食のサイクルを地域で困っている方々にも広げていくことを視野に入れながら、「SDGs」の目標の達成に取り組んでいきます。
   2021.12.22 ボランティア支援室