
1.厳しい生活を送る学生の急増に向けた「食の支援」

横浜市立大学では2021年度より、厳しい生活を送っている本学学生を対象に、食品を届ける「食の支援」を継続的に実施しています。
対象となるのは以下の条件を満たした学生で、自己申告の事前登録制としています。
<対象学生>
- 配布日時点で横浜市立大学の在学生であること。
- 保護者の支援が十分に受けられない状態(自宅外通学やひとり親世帯など)であること(自宅外通学でも可)。
- 物価高のため、生活費を切り詰めている状態であること。
この「食の支援」は、公益社団法人フードバンクかながわ、社会福祉法人横浜市社会福祉協議会、社会福祉法人金沢区社会福祉協議会、金沢区役所などをはじめ、企業や地域の方々などからのご支援をはじめ「横浜市立大学基金」を利用して実施しており、参加した学生からは、

「とっても助かりました。感謝します。しばらくはバランスの良い食事ができます」
といった声が寄せられています。

2.支援団体「フードバンクかながわ」との連携で見えた現実
その一方でフードバンクかながわと連携する中、私たちは「フードロス」の問題も目の当たりにすることとなりました。食品を必要とする学生も多くいますが、一方で、まだ食べられるのにも関わらず、捨てられてしまう食品がこんなにあるという現実を知りました。食品を必要とする人々にはありがたいことではあるのですが、フードバンクかながわに、日々これほど多くの食品が届けられているということは、余った食品の処分に困っている企業がこんなにも多くあるという事実の裏返しです。



3.「フードバンクかながわ」における諸作業に学生ボランティアの力を!
そこで、横浜市立大学ボランティア支援室では、この食の循環を少しでもスムーズに回して「フードロス」を減らすこと(=SDGs目標12の解決に貢献すること)を目標として、フードバンクかながわにおける積極的なボランティア活動を学生に呼びかけています。集まった食品の仕分け作業等を学生ボランティアが手伝うことで、少しでもスタッフの方々の負担を減らすためです。ありがたいことに、呼び掛け開始早々から、多くの学生が活動に参加してくれています。

「食の支援」の活動に関しては、SDGsでも目標1「貧困をなくそう」、目標2「飢餓をゼロに」、目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」などにも関連しています。
4.「食のサイクル活動」で協働する学内の団体
◆ボランティア支援室学生スタッフVolunch食の支援グループ
「過剰除去削減のための啓発活動」
日本で、まだ食べられるにも関わらずに捨てられている年間約600万トンの食品のうち、家庭から発生する食品ロスは約280万トンあるそうです。その原因は「直接廃棄」「食べ残し」「過剰除去」の3つです。「直接廃棄」や「食べ残し」は食品ロスとしての意識を持ちやすいのですが、「過剰除去」については言葉の意味を理解している人も少なく、かつ食品ロスとしての意識を持っていない人が多いのではないでしょうか。
そこで「過剰除去」について多くの人に知ってもらい、各自の行動変容を促すことにより食品ロスを減らせないかと考えました。具体的には、①食品ロスの現状を知ってもらう ②「過剰除去」という言葉を知ってもらう ③食品ロス、特に過剰除去に意識を向けてもらう ④食品ロス削減を心掛けた行動をしてもらう、の以上を目標に活動しています。
【過剰除去削減レシピの提案】
令和3年11月22日(月)~12月13日(月)の毎週月曜日に、過剰除去削減レシピや、食品ロスに関する情報をVolunchのインスタグラムとTwitterに投稿しました。また、SNSを利用していない横市生にも見てもらえるよう、学食のパーテーションにもレシピを貼り、過剰除去削減のための啓発活動を行いました。
【金沢八景駅前フードドライブ】
令和3年12月19日(日)と26日(日)の13:00~15:00に、金沢八景駅シーサイドライン高架下で地域の方々に呼びかけてフードドライブを行い、集まった食品はフードバンクかながわに寄贈します。また、チラシ配布によって、地域の方々にもVolunchのSNSで過剰除去に関する情報を発信していることを知っていただきます。
◆Table for Two 市大支部
Table for Two市大支部は、令和3年10月25日(月)~28日(木)の4日間、金沢八景キャンパスYCUスクエア1階でフードドライブを実施し、集まった食品はフードバンクかながわに寄贈しました。今後も継続的に開催の予定です。
