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当院の取組み

泌尿器・腎移植科で行っているロボット支援手術

泌尿器腎移植科で行っているロボット支援手術

ロボット支援根治的前立腺全摘除術(RARP:Robot Assisted Radical Prostatectomy)

ロボット支援根治的前立腺全摘除術とは、前立腺がんの治療法の一つで、がんを含む前立腺を全て摘出する手術です。この手術では「ダビンチ」を使い、医師が遠隔操作を行います。ロボットのアームが細かく正確に動くため、出血を抑えながら神経や血管をできるだけ温存でき、早い回復が期待できます。また、傷も小さく痛みが少ないのが特徴です。術後の排尿や勃起機能の回復にも配慮されるため、生活の質を保ちながらがん治療を進めることが可能です。勃起機能の温存やリンパ節をとるかなどは患者さん毎のがんの状況によっても変わります。また前立腺がんの状態やその他の合併症によっては他の治療を提案したり、追加でホルモン療法などを行うケースがあります。

手術実績

 術式 2023年 2024年
RARP  76件  77件

ロボット支援腎部分切除術(RAPN:Robot Assisted Partial Nephrectomy)

ロボット支援腎部分切除術とは、腎臓にできたがんを切除する手術の一つで、腎臓全体を残しながらがんの部分だけを取り除きます。手術では「ダビンチ」を用いて医師が遠隔操作し、精密な動きでがんを除去します。ロボットの助けにより、腎臓の機能をできるだけ温存しながら、出血を最小限に抑えられます。また、傷が小さく回復が早いため、入院期間が短く、患者さんの体への負担が軽減されるのが特徴です。この方法は、腎臓のがん治療で生活の質を保ちたい方に適しています。腎臓の部分切除は主にT1aと呼ばれる4cm以下の腫瘍や腫瘍の状況により最大で6cm程度までの腫瘍を主に対応しております。腫瘍の位置やその他の医学的理由で部分切除ができない場合もあります。

手術実績

 術式 2023年 2024年
RAPN  34件  36件

ロボット支援根治的腎摘除術(RARN:Robot Assisted Radical Nephrectomy)

ロボット支援根治的腎摘除術とは、腎臓がんの治療法の一つで、がんを含む腎臓全体を摘出する手術です。この手術では「ダビンチ」を使用し、医師が精密な操作を行います。ロボットのアームは細かく正確に動くため、周囲の血管や組織を傷つけにくく、出血を最小限に抑えられます。手術後の痛みも少なく、傷が小さいため回復が早いのが特徴です。患者さんの体への負担が軽減され、早期の退院が可能です。腎摘除術は腎部分切除に比べて大きい腫瘍に対応するため、手術の前後に薬剤治療を追加することもあります。また、状況に応じてロボット支援手術ではなく腹腔鏡を用いた手術を提案することもあります。

手術実績

 術式 2023年 2024年
RARN  -  6件

ロボット支援副腎摘除術(RA:Robot Assisted Adrenalectomy)

ロボット支援副腎摘除術とは、副腎にできた腫瘍を摘出する手術の一つで、腫瘍がある副腎を取り除きます。この手術では「ダビンチ」を使用し、医師が精密に遠隔操作を行います。ロボットのアームは細かい動きができるため、周囲の血管や組織を保護しながら、腫瘍の切除を正確に行います。従来の手術よりも出血や痛みが少なく、傷も小さいため回復が早く、体への負担が軽減されます。早期退院が期待でき、生活の質を保ちながら副腎の腫瘍治療が可能です。特に体の奥にある副腎に対して、ロボット支援手術や腹腔鏡を用いた手術はメリットが大きいです。副腎の腫瘍の大きさやホルモン活性の有無など、状況に応じて腹腔鏡を用いた手術を提案することがあります。

手術実績

 術式 2023年 2024年
RA  8件  14件

ロボット支援腎尿管全摘除術(RANU:Robot Assisted Nephroureterectomy)

ロボット支援腎尿管全摘除術は、腎臓や尿管にがんがある場合に、がんが広がるのを防ぐため、腎臓と尿管全体を摘出する手術です。この手術では「ダビンチ」を使用し、医師が精密に操作を行います。ロボットのアームが細かく正確に動くため、周囲の組織や血管を保護しつつ、がんを含む腎臓と尿管を安全に取り除くことができます。傷が小さく痛みが少ないため、従来の手術に比べて回復が早く、体への負担も軽減されるのが特徴です。患者さんの早期の退院と生活の質を保ちながらの治療が可能です。腎尿管の悪性腫瘍の場合、手術前後に化学療法などを組み合わせることで、根治性の向上や再発予防などを行うことがあります。また、状況に応じて腹腔鏡を用いた手術や開腹手術などを提案することがあります。

手術実績

 術式 2023年 2024年
RANU -  2件

ロボット支援膀胱全摘除術(RARC: Robot Assisted Radical Cystectomy)

ロボット支援膀胱全摘除術は、膀胱がんの治療として膀胱を完全に摘出する手術で、進行がんなどで膀胱の温存が難しい場合に行われます。この手術では「ダビンチ」を使用し、医師が精密に操作を行います。膀胱を摘出した後、体内で回腸(腸の一部)を利用して新しい尿路(回腸導管)を作成します。この回腸導管により、腎臓から排出された尿が体外に排出されるようにします。ロボット支援により周囲の組織や神経の損傷を抑えつつ、手術の精度が高まるため、出血や痛みが少なく、回復が早いのが特徴です。患者さんの早期退院が期待でき、生活の質も考慮した治療法です。膀胱の悪性腫瘍の場合、手術前後に化学療法などを組み合わせることで、根治性の向上や再発予防などを行うことがあります。また、状況に応じて腹腔鏡を用いた手術や開腹手術などを提案することがあります。

手術実績

 術式 2023年 2024年
RARC  -  2件

ロボット支援手術を行っている医師

ロボット支援手術に関するQ&A

Answer
 診断された医師に診療情報提供書を当院あてに記載してもらってください。その際に、診療情報提供書・病理レポートもしくは病理スライド・画像検査の複製をお願いしてください。当院の初診は予約制になっておりますので、当院の紹介予約をお取りください。担当医が、手術適応か判断してロボット支援手術の適応があれば、手術に向けての準備を行います。現在、初診から手術までに1か月半から2か月くらいの待機時間になり、その間に全身麻酔で手術を行う準備を進めていきます。
Answer
多くの患者さんは手術翌日から歩行、翌々日からは食事が食べられます。手術後1週間後に検査を行い問題なければ、尿道カテーテルを抜去し、その翌日には退院できます。退院後はすぐいに、軽い日常生活に戻れることが多いですが、個人差があります。重い物を持つ、運動するなどの負担のかかる活動は医師の指示に従ってください。 
Answer
 ロボット支援手術は従来の手術に比べて、失禁が少ないメリットあります。それでも、術後には一時的に尿漏れが見られることがあります。ほとんどの患者さんが数か月で改善しますが、回復には個人差があります。当院では骨盤底筋エクササイズをリハビリ専門のスタッフからの指導を受けるプログラムを実施し、早期に失禁が改善するように対応しております。尿失禁の目安としてパンツの中に小さいパットを1日1枚もしくはつかわなくてよい割合が、手術後3か月で80%、半年で90%、1年で95%くらいとなっております。いわゆるおむつに全部尿が出てしまうということは、通常ありません。
Answer
手術を行った場合、精嚢腺も摘除するため、射精はできなくなります。勃起の機能を残す方法として神経温存があります。神経温存術を行った場合、性機能が回復する可能性が高まりますが、数か月から1年以上かかることもあります。勃起障害の治療法(薬物療法、リハビリなど)もあるため、必要に応じて医師に相談してください。神経温存はすべての患者さんに行えるわけでもありません、また回復も人によって様々です。
Answer
腎部分切除術は、腎機能を温存することを目的としています。通常、手術で取り除くのは腫瘍部分だけであり、残りの腎臓部分は正常に機能し続けます。手術後も腎機能を維持できるケースがほとんどですが、医師が術後の腎機能を定期的にモニタリングし、健康的な生活を保つための指導も行います。手術中の状況により、腫瘍が取り切れない場合などは腎臓を全摘除する場合もありますが、多くの場合反対側の腎臓が機能するため、すぐに人工透析などになるケースは少なく、通常の生活が過ごせるケースがほとんどです。事前に人工透析のリスクが高い方などは各担当医より説明します。
Answer
 ロボット支援手術は腹腔鏡の手術の一つであり、従来の開腹手術に比べて体への負担や手術後の痛みが少ないことが多いです。多くの場合、点滴や内服での鎮痛薬で対応できる場合がほとんどです。入院中は我慢せず、担当の看護師にお伝えください。
Answer
ロボット支援による手術は侵襲性が低く、傷口も小さいため、感染症や出血のリスクが減少しますが、様々な合併症は一定頻度で起こります。担当医は手術前に、合併症含めて手術に関する説明をさせていただきます。また、予期しない合併症に対しても適宜対応していきます。 

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