ロボット支援下大腸がん手術について
下部消化管グループのご紹介
消化器病センターの下部消化管グループ(外科)では大腸がん治療件数 全国7位、神奈川県1位という実績を誇り、最新の医療技術を用いて患者さんに最適な治療を提供しています。特にロボット支援下手術(da Vinci Xiシステム)を積極的に導入し、低侵襲性・機能温存・根治性を追求した治療を行っています。
約99%の大腸がん手術でロボット支援下手術または腹腔鏡手術を行い、経験豊富なロボット手術プロクター3名、内視鏡外科学会技術認定医7名が安全かつ精密な手術を提供しています。
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2020年 |
2021年 |
2022年 |
2023年 |
2024年 |
大腸癌原発切除NET、GIST含む |
274件 |
308件 |
347件 |
339件 |
376件 |
内訳
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結腸癌 |
168件(61.4%) |
188件(61.0%) |
204件(58.8%) |
178件(52.5%) |
199件 (52.9%) |
直腸癌 |
106件(38.6%) |
120件(39.0%) |
143件(41.2%) |
161件(47.5%) |
177件 (47.1%) |
下部消化管グループで行っているロボット支援手術
ロボット支援下結腸切除(Robot Assisted Colectomy)
結腸に発生したがんを対象に、結腸がんの病巣と、周囲のリンパ節を切除し、腸管を吻合する術式です。ロボットによる精密な操作により病巣の確実な切除のみならず、出血や合併症リスクの軽減が可能です。また、小さな創部と迅速な回復が特徴です。
ロボット支援下直腸低位前方切除(Robot Assisted Low Anterior Resection、肛門温存)
直腸がんに対して肛門を温存しつつ、直腸がんの病巣と周囲のリンパ節を切除する術式です。ロボットによる精密な操作により骨盤内で神経温存をすることが期待され、排尿・性機能や排便機能の維持を可能な限り追求します。
ロボット支援下腹会陰式直腸切断(Robot Assisted Abdominoperineal Resection)
肛門に近い部位に直腸がんを認める場合は、肛門温存が困難であり、肛門と一緒に直腸がんを切除します。正確な剥離と神経温存により、周囲組織への侵襲を最小限に抑えます。
ロボット支援下側方リンパ節郭清(Robot Assisted Lateral Lymph Node Dissection)
骨盤内のリンパ節転移が疑われる直腸がん症例に対し、高難度の郭清をロボットの精密操作で安全に実施。局所再発のリスク低減に貢献します。
ロボット支援手術に関するQ&A
傷が小さく、出血や術後の痛みが少ないことに加え、骨盤内の狭いスペースでの繊細な操作が可能です。これにより神経温存や早期の社会復帰が期待できます。
がんの進行度や体の状態を総合的に評価し、安全にロボット手術が行えると判断された方が対象となります。
直腸がん症例の約90%で肛門温存手術を実施しています。ただし腫瘍の位置や進行度によっては適応とならない場合もあります。さらに詳しい解説は下の動画をご覧ください。
排便・排尿・性機能の温存を最大限に目指しますが、症例によって一時的・長期的な機能障害が出る場合もあります。事前に十分な説明を行っています。
術後7〜14日前後での退院が一般的です(個人差があります)。
特に肛門に近い直腸がんの手術では、人工肛門が必要になるケースがありますが、不要と思われるケースでは人工肛門は造設しません。人工肛門には永久的なものと一時的なものがあります。一時的人工肛門ストーマ場合は、2〜3か月後に閉鎖して自然排便に戻ることがほとんどです。さらに詳しい解説は下の動画をご覧ください。
ロボット支援手術を行っている医師
動画でのご案内