【開催報告】ハーバード大学と日本の大学生が交流イベント~第6回大倉山国際学生フォーラム
慶応義塾大学、東京工業大学、横浜市立大学から国際交流に興味のある学生が集まり、市大からは10名の学生が参加しました。
今回のテーマは日本の伝統芸能です。歌舞伎俳優の市川海老蔵の妹である市川ぼたんさんによる日本舞踊の披露などもあり、ハーバードの学生のみならず、日本の学生たちにとっても、日本文化を知るきっかけになったのではないでしょうか。
以下、参加学生からのレポートを掲載いたします。
知っているようで知らなかった?日本の伝統芸能について学ぶ
講演会のプログラムは、アナウンサーで古典芸能解説者でもある葛西聖司さんとアメリカで歌舞伎の普及に携わっている歌舞伎研究家、翻訳者のマーク大島さんによるレクチャー、市川ぼたんさんによるパフォーマンス、御三方による座談会の3つで構成されていました。
まず、レクチャーは「歌舞伎の魅力」というテーマのもとで行われました。葛西さんが日本語でお話しをされた後に、大島さんが補足・補完をしながら英語で話すという流れでした。私が個人的に印象に残ったのは「歌舞伎はなんでもあり」という言葉です。人間だけでなく、動物や幽霊も演じる、男性が女性を演じる、最近はワンピース歌舞伎というものもある。
伝統芸能というと堅苦しく、制約ばかりかと思っていましたが、歌舞伎に関してはその懐の深さを知ることができました。
次に、「日本舞踊の魅力」ということで、市川ぼたんさんによる『鷺娘(さぎむすめ)』の踊りを生で拝見しました。舞台は講演会場の限られたスペースであり、派手なセットや衣装はありませんでしたが、市川さんの踊りには目を奪われました。1つ1つの動作が美しく、とても感動しました。
最後は、「日本の伝統芸能の美しさ」というテーマの座談会がありました。途中、市川さんが鷺娘のパフォーマンスで使用した傘が紹介されました。傘はとても繊細に作られているのですが、今では職人がほとんどいなくなり、危機的状況にあるという現実を知って驚きました。そして講演会終了間際には、抽選で複数人のハーバード大生へ歌舞伎のチケットがプレゼントされました。
最近は日本人であっても、歌舞伎についてよく知らない、生で観劇したことがない人も多いと思います。ハーバード大生に限らず、日本の学生にとっても勉強になるものでした。
白扇子へのペインティングと交換会のワークショップ
講演会の後はグループに分かれ、白い扇子に絵を描き、学生同士で交換するワークショップを体験しました。楽しく会話しながら作業をしているところもあれば、わりと真剣に取り組むグループなど様々でした。
立食パーティは食事をとりながらの交流タイム
イベントの最後には、立食パーティーがあり、そこでハーバードの学生や日本の他大学の学生との交流の時間が持てました。ハーバードからは学部生も院生も参加しており、専攻もそれぞれですが、私が話した限りではインターンの関係でNeurobiology専攻の学生が多かったように思います。初対面でも大学や趣味の話をしていくうちにだんだんと打ち解けていきました。Facebookで連絡先を交換し、1人の女子学生からは、都合がつかないからと歌舞伎のチケットを譲ってもらいました。私でいいのかと思いつつ、後日観劇に行くことにしました。また、日本の学生とも大学での活動や今後のキャリアについて話をすることができました。
ハーバード大学の学生と聞くと最初はなんだかかしこまってしまうかもしれませんが、実際には明るくフレンドリーに接してくれる人ばかりでした。現地の学生ならではの話も教えてもらえましたし、勝手に完璧なイメージを持ってしまいがちですが、日本の学生と同じように将来について迷っている人もいました。ただ、積極的で社交的、エネルギーにあふれているところは、本当に素晴らしいなと思いました。この学生フォーラムは、特定の分野の第一線で活躍されている方々のお話しを聞くことができ、意欲的な日米の学生と交流できる貴重な機会です。そのような場に参加できたことをとても嬉しく思います。
(経済学コース3年 濱島可蓮)